月曜日, 10月 02, 2017

吉村昭著「漂流」、コメなどを運ぶ運搬船が、強風に晒され漂流の上、激浪の揉まれて船は破壊され着いた島は無人島であった。四国土佐からの漂着した人々の無人島での生活が始まる。月日が経つうちに絶望の淵へと追いやられ生きる希望を喪失し病に倒れる者、悲観し自殺する者と悲惨な状況になってゆく。その中で長平という人物が、絶海の孤島で自然に寄り添い神仏を信じ生きるとうことに専念して行く姿は人間の信じ難い生への執着を思わせる。さらに孤島には大阪船、薩州船と流れ着き絶海の孤島での厳しい生活が始まり漂流民同士の絆、そして最後に流木を利用して船を作り八丈島に寄港し本国に帰着するという物語だ。


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