日曜日, 2月 25, 2018

太田愛著「幻夏」、作者の初作「犯罪者」にも登場する3人、警察官の相馬、元TVプロデューサーの鑓水、そして繁藤修司と。少女誘拐事件を契機に相馬の親友水沢尚の失踪を絡ませ事件は複雑な経緯を辿る。尚の父親が冤罪として9年間の刑務所暮らしから帰還しよりによって自らの息子に石段坂で石礫により殺害される。その後尚の母親香苗が鑓水に尚の捜索を依頼しに来て3人の尚の捜索が開始された。著者の巧みなプロットを冤罪をテーマに警察、検察、裁判官と日本の司法機構の矛盾を指摘する。社会派ミステリーを堪能できる一冊だ。


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