月曜日, 5月 23, 2011

藻谷浩介著「デフレの正体」を読んで。

著者の講演記録を1冊に纏めた新書版だ。デフレスパイラルからの脱却を何度TVで経済の専門家が景気浮揚に伴う税収の増加による解決を唱えたのを聞いたことか。著者によるとその根源は、生産年齢の減少と急激にすすむ団塊世代の高齢化にあると。また高付加価値を生む産業は、ロボットが作り出す自動車産業ではなくて、サービス産業であると中でも観光客誘致は費用対効果の面からも高付加価値を生む社会に大きく還元効果が期待できると説く。女性の現在45%の就業率を上げ、観光客を誘致し後期高齢者の富裕層からは生前贈与など税制で若者への資金譲渡の推進、世代間の相互福祉などアイデアが様々だがかなり実現可能なビジョンではないかと思うが。

水曜日, 5月 18, 2011

中嶋茂夫著「iPhone+ipad×Googleでビジネスを加速する方法」を読んで。

2月下旬から3月上旬にマレーシアはコタキナバルへ旅行に行ったが、羽田でモバイルルーターを借りた。勿論iPad+iPhoneを持っていく為だ。現地では快適にiPad+iPhoneが使用できた。レストランの検索から、地図での場所・距離の確認等に重宝した次第だ。本書は、パソコンからiPhone+iPadをGoogleと如何に連携しビジネスに応用するかを書いているが、初心者には難しい内容かも知れない。クラウドの雄Googleの提供するAPPSを使えば通常ビジネスに困ることは無い。しかし、出張時にノートPCそしてDocomo携帯、iPhone+iPadそしてモバイルルーターと持ち歩くのは、正直難儀だ。

火曜日, 5月 17, 2011

J・C・コリンズ著「ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則」を読んで。

前回に引き続き2作目を読破、2001年に紹介されたこの書は少しも陳腐化されてなく企業の飛躍の核心を見事に抉り出していると思われる。平凡な企業、あるいは倒産の危機的状況、敵対的買収の脅威から飛躍を遂げた企業の原動力とは何か?選別した実際に飛躍した企業とならなかった比較対象企業との差は何なのか?そこにあったのは単純なもっとも基本的なものを情熱を持って数年あるいは数十年の小さな努力の結果であったという単純な理由であった。しかし重要なのは、三つの円が交差する部分を外さない曲げない執拗な努力であると、1つの円は情熱を持って取り組めるかの円、2つめは経済的原動力になるかの円、3つめは自社が世界一になれる部分かの円この円が交差する事業部門を徹底的に議論しその範囲から逸脱しまい経営戦略を長期に渡り継続する努力が、偉大な飛躍となって結果を齎すという。

火曜日, 5月 10, 2011

ジェームス・C・コリンズ/ジェリー・I・ポラス著「ビジョナリーカンパニー」を読んで。

まず、この書でいうところの「ジジョナリーカンパニー」の定義はというと、ビジョンを持っている企業、未来志向の企業、先見的企業だと。この書で過去から現在に至るビジョナリーカンパニーを取り上げ、その企業の分野での対抗する企業との比較を試みている。IBM、SONY、HP、P&Gなどの所謂優良企業をビジョナリーカンパニーとし分析を試みている。共通しているのは、確固たる基本理念(基本的価値観+目的)を掲げているということだ。カリスマ的創業者でなく、血と汗によって実証され数十年あるいは百年たってもなお生き続ける会社という組織の理念と定義する。基本理念同様もう一つ重要な概念がBHAG(ビーハグ)と呼ぶ、単なる目標でなく大胆な社運を賭けた目標が設定されているかどうかだと。
いずれにしても、人間はあるいは従業員は業務上の自主性を要求しながら、同時に自分たちの関係している組織が、何かの目的を持って前進するよう求めていると著者は結んでいる。

日曜日, 5月 08, 2011

ドストエフスキー著「カラマーゾフの兄弟」下巻を読んで。

2月下旬以来、「急性白内障」ということで本が全く読めなくなってしまいました。白内障とは、良く言ったもので、全て目に映る映像が白く靄の中に霞んでみえる。パソコンの画面を拡大文字にして読むのが精一杯だ。まして本など全く読む意欲が無くなってしまう。そんな訳で、途中で表題の小説についても放棄し、4月下旬手術後本日読破した次第。ドミートリーは、父親殺しの罪で敗訴、弟イワンは病気で床に伏した。アレクセイは、少年の葬儀に出席し帰途、仲間の少年たちに語った言葉は作者の未来への希望と思想の根底にあるものではないかと思う。