水曜日, 9月 18, 2013

江戸末期から明治初期にかけての幕府及び政府管轄の鉄山つまり鉄鉱石採掘の山を回る歴史的秘話である。場所は、現群馬県甘楽郡下仁田町中小坂を中心に南牧村の砥沢の砥石やら官営富岡製糸場などと随所に地名が出没する。鉄山という歴史的場所を無味乾燥に終わらせない作者の工夫は面白く辺境の歴史的史実を確認することができる。


歴史と科学とサスペンスを融合させたスケールの大きな推理小説だ。この域を逸脱している感さえある。マギの聖骨を回る知力と戦闘は、ダン・ブラウンを凌ぐ傑作である。非常に面白く読んだ。


金曜日, 5月 10, 2013


警察推理小説といったとことか。この手のミステリーは、自分はあまり面白みを過去感じない。2013年本屋大賞第2位ということで手に取った。650ページにも及ぶ長編小説だ。ある誘拐事件を中心にD県警の警察組織及びそこで働く署員の人間模様を描写する。実に細かな描写だが、物語の展開は遅く読み終わってみるとなんだ?というような感想だった。


月曜日, 5月 06, 2013



イノベーションによる革命が起きる条件とはやはり歴史的時代背景そして全く新しいツールが必要だ。1950年代から始まった情報時代そして90年代のWeb時代の到来は革命だった。しかし産業革命つまり第三次産業革命ではないと著者は言う。それはパーソナル・マニファクチャリングとデジタル・マニファクチャリングが一体となって初めて起こるメイカ―ムーブメントこれこそが、第三次産業革命だと。産業の民主化によって新たな革命がもたらすもの、そこにはデジタルツール例えばCADソフトウェアそして3Dプリンターによって個人がイノベーションそして産業をも牽引する全く新しい産業を興す可能性が出現した。またその資金調達には、新たにクラウドファウンディングという手法も注目すべき方法だ。すでに米国では、製造業の本国への回帰が始まっていると言われ、多様化する製品を安価に提供する方法としてコミュニティー、クラウドファウンディングを生かした新たな製造手法は、今後世界を変えていく可能性がある。



月曜日, 4月 15, 2013


主人公多崎つくるの高校時代の友人4名と親しくした日々を回想しながら、彼の人生のそこはかとなく感ずる寂寥感、無力感・孤独そして絶望と魂の遍歴つまり巡礼が主題である。ある日突然突きつけられた友人達からの離縁、決別は三十数歳の今現在彼の心の底流に淀む暗い過去その原因を現在の彼女から調査した方が良いという意見で巡礼が始まる。物語の展開の微妙さは読者は惹きつけあっという間に読み終わってしまった。胸が熱くなりそうな不思議な読後感であった。