木曜日, 7月 31, 2025

黒川博行著「連瑣」、文庫本にして700ページもある超大作である。著者の作品はほぼ全部読んでいて本屋で偶然見つけて即購入した、期待して読んだが少しがっかりさせられた。以前の著作に比べてというところか。ある社長の失踪により捜査が開始されそこにヤクザが絡みさらに殺人の連鎖が続く京橋署の防犯係の二人、磯野と映画オタクの上阪の丁々発止のやり取りは見逃せない。複雑な殺人プロットとそれを追う刑事の忍耐で解決に迫る警察小説だ。
宮部みゆき著「R.P.G.」、所田良介48歳は、食品会社の課長だ、一美という娘を持つ3人家族だが家庭での立ち位置は浮いている存在だった。、浮気性でネットの世界で家族ごっこしていた、そしてある日殺害された、取調室で家族ごっこしていた二人とマジックミラー越しに娘の一美を交えて延々と取調官とのやり取りが続く、そして最終的に警察のトリックが功を奏し犯人が浮かぶ。
青山美智子著「赤と青とエスキース、茜がワーホリでメルボルン出会った人たちの中に一人の画家の卵がいた名前はジャック・ジャクソンという水彩画の得意な画学生その彼の友達のブーに頼まれモデルを努めることになった。絵は完成まじかの下絵エスキースと言われる作品だ。この絵エスキースを回り関連した人たちの人生が色んな形で展開していく面白さを描いている。
今野敏著「任侠楽団」、今までこのシリーズを一冊読んでいますが、今回は第6弾だそうです。例によって阿岐本組の代貸日村を悩ませる問題が発生、組長の阿岐本が引き受けたのは楽団の内部対立の解消という厄介な仕事で楽団事務所へ調停コンサルタントとして乗り込むことになった。ドイツから来たエルンスト・ハーンの傷害事件が発生し警視庁から刑事も派遣されヤクザと刑事のタッグを組み事件解決へ望むという前代未聞の捜査が始まる。
笹沢佐保著「お助け同心巡回簿」、江戸は北町奉行所の同心で尾形左門次38歳は八丁堀に妻子共に住む高積見回り同心だ。尾形は別名お助け同心とも異名を取る同心で剣は直心影流の達人だ。そんな尾形の所へ舞い込む事故や問題をスマートに解決する物語12章を集めた短編集で読み応えがありほっこりする。