現在のアメリカの貧困ドキュメントとでも言った内容であるが、正に圧倒される内容である。TVのニュースなどメディアで意識したアメリカ像がこの本ではっきりとした。教育、医療から戦争まで、貧困を原因とするアメリカ社会の現実が見える。「新自由主義政策」の名の元に、全て民営化しその弊害が蔓延し果ては新たな貧困層を生むスパイラル状況である。大学を奨学金にて入学し卒業と同時に請求書が届く、このローンを払い続け、一端退職したら自己破産だ。金を欲しさに、軍隊に入隊し戦争へと黒人、マイノリティー、ヒスパニック系人にとって、戦争へ行って借金を払う。そしてさらに厳しい状況はイラクの戦争へ行くこうした人たちが、実は派遣労働者でもあるという。チェイニー副大統領が以前いた派遣大手の会社から下請け、孫請けさらにという具合にして、派遣会社が9.11以降個人情報の流出を利用し勧誘する。丸6年にも及びイラク戦争でアメリカ人の死者は4000人を超えていると報道されているが、こうした派遣労働者の現地での死者は数にはいっていないという。膨大な戦費の肩代わりに、最低限必要な公共サービスまでもが、民営化されていく成れの果ての現実を思い切り見せ付けられた印象である。(評価★★★★★)
水曜日, 3月 26, 2008
火曜日, 3月 25, 2008
岡田斗志夫「いつまでもデブと思うなよ」を読んで。
出張の行き帰りに列車の中で読むのには、新書版が便利である。ダイエット本の一種である。それもれコーディイング・ダイエットと呼ばれるものである。朝、昼、晩と自分の一日食べた食事の内容を詳細に書き留め、さらに体重を毎日量って記録してゆくというものである。100kg超の体重の超デブなら、この当たりの甘いダイエットでも数ヶ月で10kgは痩せるかもしれないが、通常10kgオーバー位の中途半端なデブにとっては、中々時間がかかると思う。というのが率直な感想だ。ある程度までくると、つまり中途半端なデブは食事カロリー制限をやはりしなくてはならない。というのが結論だ。
水曜日, 3月 12, 2008
森永卓郎「年収崩壊」を読んで。
前小泉総理の下、規制緩和が齎したものは格差拡大と米国型弱肉強食の社会の実現だった。その総理は、参院の答弁で「格差は悪いとは思わない・・」とまで言った。この格差は様々な社会現象の根源的な部分になって来ている。と著者は言う。大量の貧困層年収200万円以下を生み、結婚できない症候群、学校の成績の格差と枚挙に暇が無い。後半では、人間の人生の幸せについて、それぞれの立場でそれぞれの悩みがある。西欧型のゆっくりとした時間の流れを楽しむ生き方も幸せではないか。と。世の中の既に3分の1以上が非正規雇用で、ネットカフェ族やニートといった社会不適合つまり経済難民が増加しつつある。既に年収は崩壊している。少子高齢化による年金崩壊とこの国は一体どこへ行こうとしているのだろうか。
水曜日, 3月 05, 2008
国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて
著者自身の5数十日に及び監禁独房生活の貴重な体験を通して、国家権力と戦った軌跡が主題である。この本を読み終えて思うことは、国家が犯罪と決めターゲットとした人物は何があろうと、例え無実な罪であろうと検察という仲介役をして必ず罪を科す。その詳細が、著者と検察官の尋問のやりとりの中で明確になってゆく。鈴木宗男議員の人柄と献身的な外交努力をこの本で、知った。情報分析官のプロとして活躍していた外務省役人が突然ある日、国家の罠にはまって行くプロセスは東西古今政治体制を超えて恐怖という二文字に尽きる。多分、ひょっとしてホリエモンもそうかも知れないと思う。
水曜日, 2月 06, 2008
エンリケ・バリオス「アミ3度目の約束」を読んで。
著者はスペイン人で以前画家だったというだけあって、その類稀な空想・想像力は素晴らしい。アミが乗るUFO円盤で宇宙を旅しながら、地球人ペドリートと地球外生命体のビンカとの愛を見守り、様々な星への旅を通してその星で生活する人々との交流を持つ。広大な宇宙は即神であり、また愛である。利己主義、嘘、物欲、破壊等人間はその人の心に正直に会話ができない。アミを通して著者は、神と愛という普遍なテーマと個の心を説く。大人が読む童話だ。
片桐正「利益を確実にアップさせる!在庫管理」を読んで。
棚卸しを何故行うかなど素朴な疑問を平易に全般的に解説した入門書といったところである。後半のIT活用ではSCMなど様々な手法を解説している。棚卸しとB/SとP/Lの会計財務諸表との関連や売上原価との影響さらには、商品の原価の算出方法など、かなり参考になる部分が多い、絶好の入門書といったところだ。
日曜日, 2月 03, 2008
佐藤優「国家の自縛」を読んで。
作者は外務官僚として対ロシア外交に深くかかわり鈴木宗男衆議院議員とも交友が会った特異な経歴を持つ人物である。読後、外交官としての「眼」を意識する。外交官としてロシア外交、東南アジア、EU、中東、アフリカと日本と対峙し展開する論理、その究極と指定意味するものは「日本の国益」あるいは筆者は「国体」とも言うところのものである。諸外国と渡り合う外交官としての能力の中で、嘘をついてはいけないことは勿論だが、如何にその人が自分の国益を考え人脈を作り対峙してゆくかが問われると説く。そして外務官僚のあるいは日本の教育まで遡る、旧日本陸軍中野学校で採用されたとする北畠親房の「親皇正統記」や「太平記」を教科書とすべきだという。
コーディ・マクファディン「傷痕」を読んで。
米国新進気鋭作家の最新作「傷痕」は、米FBI特別捜査官スモーキー・バレットを主人公とする刑事物の犯罪サスペンスである。主人公の過去から始まる物語は上巻で、その悲劇夫と娘を惨殺されしかも自分はレイプされ額に傷を残すといった重苦しい過去を踏み台に新たな類似した残虐な犯罪に臨む下巻とに分かれている。実は私は上巻を読んでいる途中で既に犯人がわかってしまった。物語の伏線は容易に犯人を特定想像させるものである。犯罪は、害虫駆除業者として堂々と玄関から押入り女性をベッドの支柱に縛りつけ切り裂きレイプし内臓を抉り出すといった残忍さにもかかわらずスモーキーの言動はあるいはFBIの犯罪捜査チームの面々の人生までも描写しその結束力と友情は一服の清涼剤のように読後に不快感は残らない。ジェフリー・ディーヴァーのように最後の最後まで犯人が誰かと科学的に追い詰めて行く面白さとは違い従来の犯罪サスペンスに分類される組み立てながら新しいと感ずる何かをこの作者は描き才能を持っている。
火曜日, 1月 22, 2008
神戸康弘「どんな英語も絶対読める!びっくり英読法」を読んで。
かなり面白い。過去学校の教科書、英語の先生、参考書と読んできたが、正に目から鱗とはこの本だ。英文を図解し神戸式公式の中でキチンと説明している。今までの英文解釈とか読解法とかの本は何だったのと思いたくなるような出色の本である。
火曜日, 1月 15, 2008
「外国でゴルフがしたい」を読んで。
海外でのゴルフ初心者用に36のワード単語を中心にネイティブの発音と使い方を知る入門書である。実際に海外で100ラウンド以上している私の実感としてこの基本で十分ではないかと思われる。
アイリス・ジョハンセン「波間に眠る伝説」を読んで。
ロマンティック・サスペンスの女王と言われる作者ヨハンセンのメリス・ネミッドを主人公海洋学の研究者とするギリシャの島々と紺碧の海を舞台に繰り広げられるサスペンス。叔父ロンタナがある日、出航してまもなく船が爆破される。叔父は海中に沈んだ古代都市国家「マリンス」を探し当てるべく探検していた。マリンスに魅了されてもう一人の探検家ジェド・ケルビーそしてメリスの過去をしる武器商人ヒュー・アーチャーもマリンスを探し求め殺人が繰り返される。メリスが住む小さな島で保護しているイルカのスージーとピートを通してイルカの生態を織り交ぜながら物語は進展する。メリスとケルビーの恋愛と薄幸な過去を知る悪人アーチャーとの三つ巴の戦いが続く。
日曜日, 1月 06, 2008
P・Gウッドハウス「比類なきジーヴス」を読んで。
バーティー・ウースターとジーヴスの物語である。英国の貴族階級の若き主人バーティーとその類稀な頭脳明晰の執事ジーヴスが、バーティーの友人らと繰り広げる日常を英国的ユーモアでもって描く物語である。読後何故かほのぼのとする。バーティーとジーヴスの人間関係の間に「ユーモア」が横たわっている。難題に遇して右往左往するバーティーと機知機転を持って対処するジーヴスは正に比類なきといった形容が当てはまる。
土曜日, 1月 05, 2008
ジェフリー・ディーヴァー「ウォッチメーカー」を読んで。
2008年新年から、J・ディーヴァーの新訳本を読めるとは、幸せなことである。1日に購入しじっくりと読んだ。元ニューヨーク市警刑事部長で、現在四肢麻痺患者で民間人となってニューヨーク市から委託で捜査するリンカーン・ライムと現市警刑事であるアメリア・サックスのシリーズ物である。物語はサックス刑事が追う殺人事件とウォッチメーカーと呼ばれる殺人事件が、同時に進行する。「ウォッチメーカー」の犯人は、殺人現場にクラシッックな時計を置いてゆく。そしてこの二つの事件は終盤になって結合してゆく。さらにウォッチメーカーの犯人であるジェラルド・ダンカンの巧妙な伏線化した手口と証拠物件を残さない犯罪に立ち向かうライムとサックス、そして今回初めて登場するキャサリン・ダンス、彼女はカリフォニア州のキネスクと呼ばれる犯罪者の尋問を主に心理的に分析する特別捜査官である。彼女を交えて犯罪捜査は市警の警察官の犯罪を含めて複雑に展開してゆく。コフィン・ダンサーやイリージョニストなどの傑作と比較し物語は複雑な展開をしてゆく。終盤のローラコースター的展開はない物のライムとサックスの心理的葛藤を織り交ぜながら一段と成熟した感がある。物語全体の筋の面白さは過去の作品を読んでいる読者には、その変化がたまらなく魅力的である。読後の爽やかさは、J・ディーヴァーの特異な持ち味であると思う。次の作品が待ち遠しい。
月曜日, 12月 31, 2007
ロバート・ゴダード「蒼穹のかなたへ」を読んで。
場所はギリシャのロードス島、主人公ハリー・バーネットの島での友人である女性ヘザー・マレンダーが突然姿を消す。真相を追うハリーの追跡が始まる。ギリシャとイギリスを舞台に物語は、前半はやや冗長感は否めないが、後半は読み応えがあり、意外な結末へと展開する。前作「リオノーラの肖像」のように文章に重圧感は無いものの、ミステリーの設計はかなりなものである。ヘザーが残した写真をたよりに、彼女の軌跡を辿りながら核心へとハリーが突き進む。恩義がある親友アラン・ダイサートへと、上巻を読みながらアランの存在が気にかかるが、しかしこの結末は予想だにできない。大学時代の友人二人、ヘザーの姉クレア・マレンダーと殺人を繰り返すアランの正体は、ハリーが少年時代線路上に置き去りにされた箱の中に入っていた捨て子であったと言う。人生とは運命とはと考えさせられる、運命、偶然が人の生きる道を様々にくねらせる。。。
火曜日, 12月 25, 2007
村上春樹著「海辺のカフカ」を読んで。
僕こと主人公である田村カフカ自称15歳の青春の旅路に邂逅する人々との交流が一つの線で、もう一つは主人公田村少年の叔父にあたるナカタさんと徳島生まれのトラック運転手の星野青年との邂逅と旅路がもう一つの線である。この二つの線が、最後高松の甲村図書館に勤務する女性に接続する。物語はこの二つの線が同時に進行してゆく、主人公と四国行きの高速バスで出会うさくらという女性、そして甲村図書館での大島青年実は女性であるが、さらに一緒に勤務する謎の過去を持つ女性佐伯、青春の出会いというべき運命的な邂逅と徳島生まれの青年と旅するナカタさんが、邂逅する人々ジョニー・ウォーカー、カーネル・サンダース、そして最後に佐泊という女性、ナカタさんは静かに息を引き取る。書名である「海辺のカフカ」は佐泊という女性が作った曲名である。著者は、真摯な心を持ち人生を探求するものには必ずやそれが死であろうと安らかな結果があるという。
水曜日, 12月 05, 2007
ロバート・ゴダード著「日輪の果て」を読んで。
R・ゴダードにも乱歩の明智小五郎なみの探偵がいたのである。ハリー・バーネットである。スタンドのパートタイマーとして働く風采のあがらぬダメ男が自分の子供である天才数学者の破滅そして死に際し、彼独特の手法で真相の核心へと突き進む。理論物理学や数学的な科学的事項が随所に出没する。J・ディーヴァーの結末みたいなジェットコースター的展開は無いものの最後の犯人は意外な人物である。
江戸川乱歩全集第22巻「ぺてん師と空気男」を読んで。
昭和34年乱歩の終末期の長編探偵推理小説「ペテン師と空気男」は、かってこれまでの乱歩の作品とは一線を画すものであるという。プラクティカル・ジョーカーと呼ばれる遊びの中で殺人へとのめり込んでゆく主人公野間五郎とジョーカーである伊藤錬太郎と美人妻の美耶子とその仲間の異常な遊びを主題に物語は展開し意外な結末へと。この作品は確かに乱歩の中では異色である。
土曜日, 11月 03, 2007
ロバート・ゴダード「リオノーラの肖像」を読んで。
引き続きゴダードを読む「リオノーラの肖像」は、サスペンスを軸に展開するが恋愛小説とも言える私にとって五つ星と思える出色の小説である。ストーリーの面白さそして心理描写といい、さらにサスペンスを挟む面白さ文章の重厚さの中に小説家でしか表現できないまさに私好みの表現がそこかしこに。主人公リオノーラの幼児期から現在に至る過去を紐解きつつ、つまり回想形式でリオノーラの父親の友人であるトム・フランクリンが語る一部始終は、第一次世界大戦の英国と独逸軍との戦争を境に展開してゆく。著者ゴダールは第一次世界大戦を中心に戦争の悲惨さの中に生きた人々の愛、死、別離と人間の様々な生き様を表現し、戦争が齎す悲惨を描写してゆく。複雑に絡み合う人間模様を実にうまく展開し、サスペンスとして見事に表現する筆者は小説家の中の小説家として絶賛したい。(評価:★★★★★)
月曜日, 10月 29, 2007
ロバート・ゴダード「惜別の賦」を読んで。
ゴダードを始めて読む。最初はミステリーかなと疑問に思いつつ、読み進みにつれ用意周到に練り上げられた人物の伏線が次々と主人公クリス・ネイピアに接近し事件の渦中へと。今日、昨日、明日の3部構成の本書は、昨日の約30年余前に起きた大祖父の殺人事件に絡む一連の追憶に最もページ数を割く。人間の本来持っている姿そのままで生き抜く人生の知恵というか。金を欲張らず、人生を急がず、気の向くままに自分の気に入った趣味を思うがまま行うという、人間の生き方に共感する。
水曜日, 10月 24, 2007
マイクル・クライトン「エアフレーム 機体」を読んで。
航空機事故に纏わるSFというよりは、推理小説である。物語は、香港から米国デンバーへ向けて飛行中のトランスパシフィック航空545便にて、機体が急上昇と急降下を繰り返す所謂「イルカ飛び」現象が発生し、死亡3名、負傷者56名という事故が発生する。航空機メーカであるノートン・エアクラフト社の品質保証部の事故原因究明チームのケイシー・シングルトンが主人公である。事故の渦中での中国とのN22型事故を起こした同型機の商談、事故を回る著名なTV番組クルーとの戦い、さらに社内の副社長マーダーと現社長との派閥抗争と航空機事故を中心に様々な状況の中に主人公を置く設定と航空機なかんずく機体に関する詳細なる科学的情報はクライトンならではである。
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