IT社長の徒然日記
創業以来30数年、読書を通して思うことを日記として記していきたいと、思いました。オーディオ、ジャズ、ゴルフ、海外旅行、酒その他諸々について。
土曜日, 9月 12, 2009
F・W・クロフツ著「樽」を読んで
前著に続き推理小説の古典的名著と言われるクロフツの「樽」1920年代の作品である。江戸川乱歩をして「リアリズムの推理小説の最高峰」と言わしめたこの作品は、明智小五郎やホームズといった名探偵が推理し事件を解決してゆくといった物ではない。普通の刑事が読者とともに足で捜査してゆくといった面白さは読者への挑戦とも取れる当時としては画期的な構成であったことが、容易に理解できる。古典としての地位を不動のものにする確固たるものがある。前著「月長石」と違って、本格的ミステリだ。
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