水曜日, 2月 26, 2020

知念実希人著「ムゲンのi 上」、神経精神科付属病院に勤務する識名愛衣彼女は神経科の医師で彼女の患者はイレス症候群という原因不明の病名で40日以上眠ったままの状態だ。そんな時に実家に帰った彼女に祖父母が彼女に告げたマブイグミという言葉が発端になり深い闇の中に侵入し病室の患者のマブイを探し始める。侵入した彼女を援助してくれるのはククルという卯西猫とともに二人の患者のマブイを発見し患者を覚醒させる。現実のリアルと精神世界を交互に描きながらの不思議な物語である。。
伊坂幸太郎著「モダンタイムス 下」、渡辺が向かった盛岡で耳にした情報は、安藤商会やその裏で仕切る安藤潤也について、また遠い親戚であることも判明。物語は多岐に渡り展開し妻佳代子と大石内蔵助や五反田正臣らと学校での小学生惨殺事件の真相を突き止めようと危険な状況を潜り抜けならが核心へと、そこで登場した学校の用務員だった永嶋丈は国会議員になっており、作者の国家観も垣間見せるといった波乱の展開に読者は翻弄されっぱなしといった嬉しい悲鳴だ。
伊坂幸太郎著「モダンタイムス 上」、IT会社に勤務し恐妻家の渡辺は、依頼された案件である会社のシステム変更に回され、そこで発注元のゴッシュという会社を知る。プログラムを分析する内にある検索語を待って誘導するシステムだと理解する。そこからある二つの検索語により検索した人間に不幸が襲い掛かる。渡辺はそんな状況の中で安藤商会なる単語を知り、その商会を知るべく東北は盛岡へと有給を取り出掛ける。。。下巻へと
伊坂幸太郎著「ホワイトラビット」、著者の書を読むのは久しぶりか?恥じてなのか記憶にない。物語は誘拐を業とする犯罪グループ内の抗争に端を発し籠城事件に発展する警察小説だ。場所は宮城県仙台市のノースタウン高級住宅街で起きた籠城事件だ。県警の課長夏之目は過去の自らの犯罪を引き摺りながらも捜査の指揮を執る。グループ内の内ゲバの仲間同士の遣り取りを著者はユーモアを交えて展開させる。
中山七里著「悪徳の輪舞曲」、少年の時少女を殺害し遺体をバラバラにしtその欠片を方々にばら撒いたという御子柴礼司は医療少年院で更生を遂げ、今や弁護士としてそれも悪徳弁護士として名を馳せている。その彼が寄りによって自分の母親を弁護することになった。彼女は再婚相手を自殺に見せかけ謀殺したという事件だ。妹梓から依頼された御子柴が見せた弁論は度肝を抜くものだった。過去に犯歴を持つ弁護士て現実を生きる御子柴の人生を賭しての償いは哀愁をも感じさせる。
太田紫織著「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」、ある日であった事故、そこで櫻子と舘脇が見たのは頭蓋骨だった。新聞記者の八鍬の勧めで捜査を開始した二人は旭川から隣町の芦別へ、骨を限りなく愛す櫻子と高校生で母と二人で暮らす館脇正太郎は法医学者を志望する、この二人のコンビと事件の真相は複雑にしかも血縁も歴史も絡めてのプロットには感服。
降田天著「すみれ屋敷の罪人」、作者降田天は、作家二名のペンネームだという。物語は米国育ちで日本に留学している西ノ森泉という大学生が祖母から依頼され戦中戦後の名門及び貴族としての紫峰家についてさらに近年邸宅の庭で発見された白骨死体についての調査だった。西ノ森は当時紫峰邸にいた使用人、書生らに次々と面会し過去を掘り下げていく。殊に紫峰邸の三姉妹の当時の行動やら書生、使用人との関わり合いを探っていく過程で判別できた事実は余りにも人間の悲しい一面だった。
上遠野浩平著・荒木飛呂彦原作「恥知らずのパープルヘイズ」、本作読んで見たが、この作品は前作品4部を読んだこと前提にしているらしい。イタリアはシチリア島といえば、ゴッドファーザーでも知られるギャングの聖地だ。麻薬売買に明け暮れるギャング同志の抗争、フーゴという少年を中心に仲間あるいは敵と様々な人物が登場する。話は漫画チックであるが勇気と希望と挫折を繰り返しながらも必死で生きる姿を描いている。
青崎有吉著「体育館の殺人」、風が丘高校の旧体育館で起こった殺人事件。そこで作られた密室、このトリックを解決すべく登場するのは学校の裏の使われてない何故か部室で寝起きしているアニメオタクの裏染天馬、強烈なキャラクターを作者は持たせた。天馬が論理的に着々と現実の証拠、証言を積み重ね真相に迫る展開には思わず引き込まれてします。用意周到な計算されたプロットには感服だ。
松岡圭祐著「万能鑑定士Qの事件簿 9」、例の凜田莉子鑑定士シリーズの9作目だ。今回は、フランスはルーブル美術館を訪れた莉子に日本で開催されるレオナルドダヴィンチの「モナ・リザ」展に合わせ臨時学芸員の試験があるという。莉子は見事に突破して理紗とともに六本木の洋館に詰めて様々な試験を受け成長するが、しかしこの試験とは後に窃盗犯のダミーと判明、窮地に陥る莉子をやはり救ったのは週刊角川の小笠原だった。