月曜日, 5月 29, 2023
東野圭吾著「クスノキの番人」、表題が面白そうなので本屋で買い求めた。予想通りクスノキ一本でこんなにも素晴らしい物語を発想し書ける著者はやはり天才だ。母を亡くし父親も不明な玲斗はひょんなことから留置場に入れられ途方に暮れていたが、弁護士が訪ねて来て条件付きで叔母の元へと引き取られた、そこは神社でその草深い中にクスノキの大樹が聳えていた、玲斗はそのクスノキの番人として柳沢千舟老婦の下で生活することになった。ようやく番人として色々と経験を積み千舟の過去も知るようになり親しくなった。千舟は自分の後継者として玲斗を指名してきた。この物語の意外性はミステリー通じ人間愛を描きそのシンプルなプロットにも感動だ。
ラーラ・プレスコット著「あの本は読まれているのか」、主に1950年代のアメリカのCIA中央情報局とソ連のスターリンの死前後の時代背景となっている、史実とフィクションが織り交ぜて物語は語られてゆく。CIAは文学がソ連共産主義体制崩壊させると信じて、作戦を実行し成功を納める、CIAのタイピストの中でスパイとしての素養のあるとされたイリーナを抜擢しブリュッセルで行われる万国博覧会に侵入させロシア人にソ連の反体制作家パステルナークの執筆し紆余曲折を経て出版されアメリカでロシア語版として出版した「ドクトル・ジバゴ」を手渡した。ソ連の当時の強制収容所の中での過酷な労働と辛酸を嘗め尽くす悲惨な体験そしてパステルナークとその愛人オルガとの感動的な愛による大作だ。
スティーヴン・キング著「11/22/63 下」、遂にダラスで目的の倉庫そしてリー・オズワルドの行動を把握して恋人セイディーと共に倉庫に辿り着き、オズワルドが居ると思われる6階めざして痛い脚を引き摺りながら登っていく、段ボールに囲まれた隅に暗殺を実行しようとするオズワルドが居たジョージは38口径の拳銃を手にオズワルド狙い銃弾を発射したが、それたそして体が傾き床に倒れたとその時は以後に居たセイディにオズワルドが放った銃弾が命中、セイディは還らぬ人となった。兎の穴から過去の世界へタイムトラベルして50年前の世界へ跳躍するジョージそしてアルが懇願したJFKの暗殺阻止という命題に真っ向から挑んだジョージ、SF的ミステリー恋愛を絡ませつまり読ませる文庫本にして1500頁に及ぶ大作を読了した。
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