水曜日, 10月 30, 2024

法月綸太郎著「一の悲劇」、 大手広告代理店の専務の娘を嫁にした山倉史郎は息子一人近所には路子という主婦がいてその息子茂が山倉の息子と一緒に学校に通う同じ小学生、その茂は史郎と路子の不倫によって生を受けた子供だった、ある日その茂が何者かによって誘拐された。史郎は狼狽し犯人探しに没頭するが、杳として見当がつかない所轄の刑事らと遣り取りするが駄目だった、そこへ登場するのが法月綸太郎かれは父親が警視庁の警視で本人は探偵もどきそして究極の事実が判明する。二転三転とする展開で楽しめる誘拐ミステリーだ。
笹沢佐保著「取調室」、佐賀県佐賀市内のホテルから大学生の男子の撲殺死体が見つかった。佐賀中央署の警部補水木と取調官御子柴刑事が状況からして小田垣教授の犯行の可能性が高いことから事情聴取に臨んだ。しかし死亡推定時刻に被疑者小田垣は札幌行きの飛行機に乗っていた完璧と思われるアリバイの元水木は悪戦苦闘する。
笹沢佐保著「悪魔の部屋」、新婚三か月の新妻伏島世志子は誘拐された、伏島家はシルバーホテルグループのオーナーの家で父京太郎は当主であり会長で息子裕之は世志子の夫であった。赤坂のホテルのスウィートルームに監禁され、強姦と凌辱の日々を過ごした世志子は段々と心と体の変化を感じセックスにのめり込んで行くこのあたりの描写は著者の独壇場である。後半の強姦の犯人中戸川と伏島家の地の繋がりが明らかになるミステイーのプロットの設定であった。
笹沢佐保著「霧に溶ける」、全国規模のミスコンテスト上位入賞者の顔ぶれが決まった、その時点から応募者の殺人事件が進行した。所轄の警部補が鋭意捜査に当たり全力を尽くすも用として犯人の目星は付かない闇に中にあった。女性が引き起こす殺人事件の裏にあるのは虚栄心と野望そして悲しい宿命にあった。状況設定も素晴らしく女性の心理をついたミステリーは著者独壇場である。
横山秀夫著「顔」、平の巡査平野瑞穂が配置転換で職場が変わるも鶏鳴に職務を遂行する正義感と義務感で乗り越える、あらゆる事件のシーンに適応する能力と努力に拍手である。
森村誠一著「マーダー・リング」、七編の短編集である。各作品は著者の独創的なシチュエーションの面白さは格別でありそこに事件を絡ませ解決へのミステリーとして描写する、警察ミステリーに分類される。
笹沢佐保著「セブン殺人事件」、七編の短編物が入っている、淀橋署の宮本部長刑事と本庁の佐々木警部補が様々な事件を解決する警察ミステリーで、機智に飛んだプロットは読者にとって楽しめる。
森村誠一著「天の白骨」、様々なシーンを組み合わせ蒸発、殺人と複雑に絡み合う人間模様を描き解決すべく動く刑事達著者が描くプロットはいつも複雑で楽しめるミステリーである。
宮部みゆき著「淋しい狩人」、 下町の小さな古本屋の店主こと岩永幸吉通称イワさんと孫の稔が織りなす物語、ときには殺人事件に遭遇し解決するコンビなのだ。じじいと孫の関係が面白い著者の視点そして短編集ながらプロットといい物語の展開に気をつかい読者を飽きさせない工夫そして文章力がある。