水曜日, 4月 30, 2025

青山美智子著「赤と青とエスキース」、6編の短篇集だと思いきや最後のエピローグまで緩い繋がりを持って進んでいく物語だ。各章もそれぞれの人物に光を当て人生の苦悩を描いてゆく。執そうや悲嘆苦悩が簡潔に描かれエピローグへと進んでいく。
木爾チレン著「神に愛されていた」、 京大に在学中に文壇デビューを果たした沙理は、沙理の後ろ姿を追う天音に段々と嫉妬を覚え苦悩する沙理孤独感憧憬そして小説にも興味を無くすほどの倦怠感と自己否定崩れていく精神そして絶望の淵へと自らを追い込んで死への憧憬へと、同じく天音も沙理の不調を知り苦悩する。人生の苦悩のあらゆる局面を描いた作品は珍しい。
道尾秀介著「N(エヌ)」、6編短編から成る短編集であるが、どこから読んでもいいという不思議な本書である。各章は不思議と緩く関連すけられミステリー感はまるでないが読後戸惑うような不思議な感じである。
マーク・グリーニー著「暗殺者の屈辱 下」、列車内での壮絶な戦闘で辛くも車外に放り出されたジェントリーだったがかろうじて奇跡的に生き延びた。その後データを会計士に渡し分析解析を依頼して完成前に会計士の家族が誘拐拉致された。これを救出すべきジェントリーはロシアによる戦闘員との激しい戦闘で辛くも相手を倒し目的を遂げた。同時進行する様々な戦闘状況読者を翻弄すること必須な本書である。
マーク・グリーニー著「暗殺者の屈辱 上」、重要な情報を巡りロシア系の暗殺部隊と戦うフリーランスの暗殺者入り乱れての激しい戦闘様々の移動手段での戦闘は濃密で読者を圧倒する迫力で就いていくのがやっとという感じである。スイスはジュネーブに向かう列車の中で双方が乗り合わせ睨み合いが続く。
笹沢佐保著「眠れわが愛よ」、村雨敏夫は、妻礼美を石垣島へ行く飛行機の墜落事故によって失った、その直後から次々と起こる身内或いは関係者の死亡に遭遇した。まさに動機なき殺人或いは自殺と見做された。しかし最後は村雨の友人である日下部によってどんでん返し的な結末によって犯人がアカサアレタ、著者のこれまでに見ない結末だった
笹沢佐保著「そんな恋ならやめなさい」、30数年前に書かれた本書だが、この世の中男と女しかいない著者の恋愛と結婚観そして人生観さらに社会への批判にも繋がるエッセイで面白くよんだ。
宿野かほる著「ルビンの壺が割れた」、手紙形式のやり取りで相互にメッセージのやり取りで物語は進んでいく。かなり際どい表現も入り終章に進むにつれてなんだ?と思うようになり最後は幼女誘拐殺人者として生ける中年の男という事実にまさにどんでん返しだ。