日曜日, 3月 30, 2025

笹沢佐保著「悪魔の剃刀」、日本WHM社の広告宣伝課に勤める海老沢は、課長代理の安芸が、無断欠勤していることにきずいた、その後安芸課長代理は死体となって発見された。さらに安芸を慕う女性の白骨死体、海老沢は真相解明に乗り出すが。。
大手観光会社万福観光会社の自家用機のパイロットをしている朝比奈は、九州から東京に戻る途中燃料切れで海上に墜落する離島の漁師に救出されるが失語症になってしまった。東京に戻った朝比奈は自分がすでに死亡届がだされており同乗した社長が死亡したことを知る。笹沢佐保著「沈黙の追跡者」、
笹沢佐保著「その朝お前は何を見たか」、元ジェット機のパイロットだった三井田は、現在トレーラを操る長距離トラックの運転手だ、パイロットを辞めてから妻との折り合いが悪く沙織は滔々小学一年生を置いて家をでていってしまった。誘拐事件が発生し犯人の声がラジオから流れた、その声を聴いて蒸発した妻、沙織の者だと確信する三井田は妻の捜索に全力を傾けるが。。
笹沢佐保著「悪魔の階段」、著者の悪魔シリーズ7作目に当たる本書は本領発揮的官能ミステリーである。女性心理を深く探り緻密な官能表現そしてミステリーとして極上なのだ、最後の落ちは良く考えられどんでん返しが待っている。
笹沢佐保著「地獄の辰犯科帳」、 深川堀川町辰造親分は地獄の辰と呼ばれる腕利きの岡っ引きだ普通の倍の長さの鉄製の長十手を持ちがむしゃらに事件を追うはみ出し岡っ引きだ。その辰造親分を巡る痛快時代劇だ。
岡本さとる著「仕立屋お竜 巡り合い」、暗いか過去を持つお竜だが師匠である佐兵衛に剣術指南を受け今や立派な使い手である。普段長屋の一間で仕立てをしながら暮らしている彼女の周りには金糸元の文左衛門を始め世話を焼いてくれる人たちがいる。様々な事件を暖かい目で見守る仕事人だ。
笹沢佐保著「悪魔の関係」、香代の夫五十嵐は長野県は諏訪湖の湖上に浮かぶボートの中で16歳も年下の愛人と服毒自殺つまり心中をして亡くなった。そして初七日に五十嵐の愛人の元カレと香代は関係を持ってしまう香代は末吉乙也にのめり込み心身ともに強烈な快美感を味わい溺れていくそんな女の心理を深く抉る著者の官能ミステリーまさに本領発揮だ。そして最後にどんでん返しがちゃんと用意されている。
笹沢佐保著「一茶人情捕物帳」、深川の本行寺に居候として暮らす若き日の小林一茶は、自らを弥次郎兵衛と名のり北町奉行所同心片山九十郎の犯罪捜査の知恵袋とされ、様々な事件に解決の糸口を見つけ出し片山九十郎を助けていた。6編含む短編集である。
中島久枝著「おでかけ料理人」、江戸は太平爛漫時代に、出没した出張料理人つまりおでかけ料理人は特別な日の庶民の出張料理人だった。料理の材料はもとより鍋釜や調味料までも背負いた九人の家へ向かう。そんな料理人の佐奈は心根の優しい女子であった。江戸庶民の義理と人情に恵まれ日び性おだすさなであった。
笹沢佐保著「八丁堀お助け同心秘聞」、北町奉行同心である尾形佐門次は、通常殺人事件を 捜査する同心と違い高積みまわり同心という閑職についている。しかし佐門次には犯罪に対する嗅覚というか生まれもったものをもっていた。管内で発生する事件に対してその機転は定回り同心感心させるほどだった。しかし役職から手柄はすべて見回り同心のものとなる。

金曜日, 2月 28, 2025

笹沢佐保著「悪魔の沈黙」,父親に頼まれたゴルフクラブを届けるべく八王子郊外にむかったのだが、そこで道に迷い女子高生二人に金をせびられた必死になって若原絵里子はクラブを振り回し二人を殺害したと思った。それを見ていたと思われる男に拾われ自宅まで送ってもらう。数日後にその男に声を掛けられ彼のマンションへとそして肉体関係を強制され二人は結合する。著者の本領発揮的な官能ミステリーだ。ただそこには人間不信と人生の孤独が見られるまさに傑作だ。
江戸期には北と南町奉行所に定廻り同心は十二名いたというその定廻り同心を1名ずつ取り出し6話からなる時代ミステリーである。面白く読ませてもらった。
笹沢佐保著「女神の雪降る夜に死す」,幸せの絶頂にあった二人の男女が女神湖畔で殺害された恵美の友人だった、さらに殺人が続く恵美は推理力を発揮して事件解決へと邁進する。何の物証もない殺事件からの解決へと導くその過程を存分に楽しめるミステリーであった。
笹沢佐保著「なめられた女」,ある日弁護士一家座間家に一人の中年の女が転がり込んで来た佐竹律子と名乗った。座間家の長女麻紀は強烈な不快感を覚え父の弁護士事務所の若手弁護士の若林に相談し律子なる人物の調査を開始するそこで判ったのは母芙美代と律子との関係だった。些細な動機からミステリーに発展させる著者の天才的思考には驚愕させられる。
笹沢佐保著「悪魔の剃刀」.先端企業のWHM社の課長代理が死亡した専務から真相究明を指示された海老沢は真相を求めて右往左往するが杳として真相に近づけない日々を送る。そして課長代理を慕う女性の白骨死体が発見される。名探偵登場というミステリーでもなく一介のサラリーマンを主人公とした推理小説は面白い。
東野圭吾著「11文字の殺人」,女流推理小説家に纏わる不可解な連続殺人事件に翻弄れる彼女は一体解決をできるのか?スポーツジムを経営する社宝の提案で企画されたクルーズ旅行で遭難という事態に直面し海に投げ出された乗客は泳いで島にたどり着いたしかし参加者の一人が死亡したことに始まる連続殺人事件愛する人を亡くした喪失感と恋人を殺された犯人に対する 憎悪それが引き金となり復讐に燃える女性の究極の愛と報復。
笹沢佐保著「遙かなり蒼天」,短編集である。様々なシチュエーションと卓越せるプロット著者ならでは落ちと非常に面白く読んだ。
笹沢佐保著「破壊の季節」,有名大学へ入学した3人の兄弟と絡む女性、そして世の中は大学闘争で全共闘が活躍していた。長男のフィアンセ芙美代は長男裕一と結婚する筈だったが次男裕次に関心を持ち彼が殺人を漏らした言葉を聞き動揺し真意を探ろうと腐心した。そして何と兄弟3人は次々と死んでゆく。
三木達二の残した遺産は土地建物及び有価証券t合わせて30億円にもなる、この遺産を妻と三人の子供そして達二の愛人に生ませた子供がいて一人された弁護士北原が仕切っていた。莫大な遺産を巡る対立は徐々にエスカレートしていく血縁を織り交ぜ意外な展開へと。

木曜日, 1月 30, 2025

笹沢佐保著「悪女木曜日に死す」、 氷川香奈子は優雅な独身で一人逗子の高価なマンションに住んでいるTVプロデューサーの阿久津和哉とは友人である時脚本の依頼を受け彼女が作成した悪女シリーズが大幅な視聴率を稼ぎ出し評判になった。それから彼女の友人さらに彼女まで運命に翻弄される。
笹沢佐保著「志に死す」、何と豪華な小説家5による珠玉の短編集である、笹沢佐保を始め池波正太郎、藤沢周平、菊池寛、さらに山本周五郎である。男の悲しき生態を描いた感慨深い作品である。
笹沢佐保著「残り香の女」、 まず、物語の設定が破天荒である、10年前ユダヤ人から奪ったダイヤモンドその額は30億円だという。このダイヤを九州鹿児島の地下金庫へ10年後にここへとりにきて分配するという計画を立てていた。そして実際に来た5人だった。そこから東京に戻る途中次々と一人づつ殺害されてゆくといったストーリーである。
笹沢佐保著「危険な関係」、住宅会社に勤務する小利根志郎五十六歳は地方の会社に左遷され人生を見失っていたタクシーに起き忘れた自叙伝の原稿を届けてくれたのは私立女子高校生の花村絵美子だった。図らずも彼小利根はヨーロッパ旅行を計画していたそれに絵美子も同道することになった。38歳も年齢差のカップルであった。彼にはドイツフランクフルトでの家族の再会を希望していた。旅行中での彼の懊悩は頂点に達した、絵美子の直向きな愛に向くいる決断をした小利根であった。
笹沢佐保著「静かなる刑事」、久我山警察署に勤務する刑事を一人一人取り上げ事件の解決へ奮闘する姿を簡潔に物語にする短編集である。どの編も面白く読みました。
笹沢佐保著「ガラスの線路」、妻の花代は平行恋愛として二人の男と不倫していたその交際はまさにセックスフレンドとしだった。夫はフランクフルトへの出張中だった、それを好機と捉え合いも変わらず不倫を続けていた。突然不幸は襲いかかった不倫相手の一人の妹が殺害された事件で犯人が判明した、花江の夫だった。
笹沢佐保著「真犯人」、5編からなる短篇集である、様々な状況を含む発想とプロットそして最後の落としどころやどんでん返しが何とも言えないくらい絶妙である。このようなミステリーを前提とした短編集も非常に楽しく読める著者の作品である。
笹沢佐保著「溺れる女」、11編の短篇集である、各々の作品は可也の短いものもあるが全体としてミステリー感がありそのプロット、シチュエーションそして人間の心理描写といい特に女性への深い理解は著者の18番だ。
笹沢佐保著「愛姦の道」、白妙夫妻は新婚で幸せの絶頂にあった、そんな中でテレビ番組に二人で出演したことから青森のSOと名乗る人から君たちは兄妹であり直ぐに別れるべきだとの手紙だった。二人は手紙の内容に翻弄されまずは青森へとさらに神戸と真相究明の旅は続く。そして最後の旅となる三宅島へそしてどんでん返しが待っていた、女性の心理を深く理解する著者ならでわの傑作だった。
笹沢佐保著「悪魔の密会」、12編からなる短編集である、かなり短い短編もあるがそれも読んで面白いそこには独創的と思わせるシチュエーションがあり、卓越したプロットがあり人間がいて人生を考えさせてくれる面白さがあった

日曜日, 12月 29, 2024

笹沢佐保著「多重人格」、本書も4編からなる短編集である、どの編も素直に面白い独創的なシチュエーションにプロットさらに最後に読者を唖然とさせるどんでん返しそしてそこには常に人間がいるさらに人生がある。
笹沢佐保著「鍵」、9編を含む短編である、著者の短編は独創的なシチュエーションとプロットさらには人間の洞察力が凄いと感じるのは私だけだろうか?どの編も感動して楽しく読めるこんな作家が実際いたのである。
笹沢佐保著「はみ出し刑事」、溜池書刑事課捜査一課のメンバー7人である、その中にカウントされない一人の刑事がいる大和田正人警部補である、彼は事務方から捜査一課に来た新米である。階級は警部補であることからはみ出し刑事として疎まれていた。彼は義理人情に熱く正義感のある男だった。そんな彼が署内で起こす騒動が面白い。この刑事の人間像作る著者の想像力に感嘆する
笹沢佐保著「女の決闘」、嫁姑の対立を極限まで追求した稀有な作品である。まさに女の決闘の題目に相応しい作品である。ここまでやるか?というストーリーでありプロットである、著者の女性を描く筆力にはただただ感心させられる。
東野圭吾著「探偵倶楽部」、 5編の短編集である、それぞれの短編はストーリーはもとよりプロットも良く考えられていて一気読みの感がある。富裕層のお客だけを持つ探偵倶楽部が事件解決に挑むという設定だ。
ソン・ウォンビョン著「アーモンド」、読後何故か印象に残る作品だ、生まれたて感情を持たないソン・ユンジュが生長する過程でさまざまな場面に遭遇しながらも生きてゆき、人との繋がりも愛を持って接してゆく姿に感動する。
東野圭吾著「パラドックス13」、13分13秒に時間が跳躍して歴史が後退するというSFをテーマに極限状況に置かれる人間の心理それは死への決断である生と死極限状況での決断を迫る。強烈に人生を考えさせるプロット的には冗長性が否めないが全体では成功してると思う。
黒川博行著「溶果」、堀内・伊達シリーズを初めて読む、桑原・二宮シリーズは数冊読んだが、堀内・伊達シリーズも面白い、府警を退職した二人の暴対刑事が退職後も意気投合して事に当たる伊達の節度も面白く半グレやヤクザとの対決も面白く、まさに一気読みの感がある。
笹沢佐保著「血の砂丘」、まずプロットに感心する、誘拐の誘拐という発想だ、今まで考えつかなかった視点での展開正に一気読みだった。離婚を余儀なくされた女性三香子の前夫への復讐は前夫の溺愛する娘の誘拐だった、しかし誘拐してから3日目に誘拐した娘がゆうかいされてしまう。
黒川博行著「暗礁 下」、それにしても読者を楽しませてくれる二宮と桑原のさりげない会話の中に何故か安心感・親近感を感じてしまう沖縄での戦闘を終え本当に帰って来た二人は特に二宮は桑原のシノギに突き合わされひどい目に合わされる。疫病神シリーズの最新作が待ち遠しい。

木曜日, 11月 28, 2024

黒川博行著「暗礁 上」、お馴染みニ蝶会の生粋のヤクザ極道の桑原と建設コンサルタントの二宮企画の二宮とのドタバタ劇が楽しい。運輸会社と警察組織が絡む癒着が発覚しそこに暴力団が絡んで複雑な様相を呈し桑原と二宮が巻き込まれる。
ポール・ベンジャミン箸「スクイズ・プレー」、ある日元大りーがーのチャップマンからの電話がありマックスは彼からの依頼を受けた、脅迫状がとどいたという絶頂期に自動車事故で片足を失った彼は五年後の今政界進出を考えていた。チャップマンに係わる人物に会い捜査を進め身の危険を体験しながらたどり着いた真実は?このベンジャミンという著者はポール・オースターの筆名であるという。
町田そのこ著「52ヘルツのクジラたち」、主人公キコの数奇な運命必死に生きようとする彼女に降りかかる災厄に人生を翻弄されるその時聞こえる52ヘルツのクジラの声によって救われ必死に正直に生きる姿が共感を呼ぶ。
西村京太郎著「絹の遺産と上信電鉄」、本屋で思わず見つけた我が故郷を題材とした西村京太郎のこの本であった群馬県富岡市の世界遺産、富岡製糸場の中で十津川警部の同僚西村刑事が殺害された、この捜査が開始され意外な結末を迎えるそこには太平洋戦争の中で起きたフィリピンと日本との深い関係があった、プロットといい中々楽しめる内容だった。
東野圭吾著「使命と魂のリミット」、 帝都大学病院に勤務する氷室夕紀は、亡き父健介の動脈瘤の執刀を担当した西園教授に対して疑念を抱いていたしかも夕紀の母友里恵と西園は再婚するというまた宮園は自分の息子がパトカーで追跡され死亡した事件の同時が氷室健介つまり夕紀の父親だという複雑な関係にあった。動脈瘤の手術を待つ自動車会社社長に恨みを持つ男の病院爆破計画による窮地に。。。。
村田沙耶香著「コンビニ人間」、 18年間もコンビニで働いている古倉恵子はコンビニ以外で働けないという女性だ、しかし以前働いていた男と同棲し彼の勧めもあってコンビニを辞めて就活を志すが面接の日コンビニ寄ると本能的に体が動きテキパキと仕事を自然にこなすようになった。現代の象徴とも言えるコンビニを題材に一人の女性の考え方を追う。
畠山健二著「新本所おけら長屋 二」、お決まりの3編の短編集だ。笑いあり、泣きアリ、人情交えたおけら長屋の面々が繰り広げる騒動の数々は読者を和ませる魅力を持つ。
笹沢佐保著「孤独なる追跡」、 商産省の総務課長である利根川四郎は部下の事務官水原姫子のある貿易会社の常務のモーテルでの死亡の件で役所を強制退職させられた。真相を探るべく利根川の孤独な追跡が開始された、北海道から沖縄までしかし姫子足跡は杳として掴めない孤独と焦りが募る。愛、不倫、殺人、家庭、人生をテーマである本書ミステリーは著者の独壇場である。
島田荘司著「夏、19歳の肖像」、19歳の夏、バイク事故で入院した病院の5階の窓から外の景色を日がな一日みていて、きずいたそれはビルの谷間に埋もれた戸建ての家であった、その家を見ていて美少女にきずき今度は双眼鏡を手に入れ詳細に何日も何日も見続けた。そして少年の胸に淡い感情が沸き何とか接触したいと願い尾行する。恋愛小説ぽいがラストは衝撃的でまさに小説の世界を体現させてくれる、どんでん返しが待っている。
森村誠一著「結婚の条件」、本書は全体的にプロットは小気味よく上手く纏められている、夫婦l二組を通して結婚の何たるか女性の社会との係わりと自分の人生を考え逡巡するそこに殺人を絡ませミステリーとする著者のお家芸である。

水曜日, 10月 30, 2024

法月綸太郎著「一の悲劇」、 大手広告代理店の専務の娘を嫁にした山倉史郎は息子一人近所には路子という主婦がいてその息子茂が山倉の息子と一緒に学校に通う同じ小学生、その茂は史郎と路子の不倫によって生を受けた子供だった、ある日その茂が何者かによって誘拐された。史郎は狼狽し犯人探しに没頭するが、杳として見当がつかない所轄の刑事らと遣り取りするが駄目だった、そこへ登場するのが法月綸太郎かれは父親が警視庁の警視で本人は探偵もどきそして究極の事実が判明する。二転三転とする展開で楽しめる誘拐ミステリーだ。