以前夏坂健の著作を数冊読んだ記憶がある。ベンホーガンやウォルターヘーゲンなど過去の名手のゴルフの名言を解説している。確か著者は、英国大英博物館やセントアンドリュースを訪ねゴルフに関する多数の歴史的文献を収集しているコレクターだと読んだ覚えがある。貴族から一介ののサラリーマンまでゴルフに熱中し、人生をゴルフとともに生きた先人の知恵と蘊蓄が、今ゴルフを趣味としまた読書を趣味として生きる自分にとって、中々味のある名言が数多く納得させられる本である。
日曜日, 2月 25, 2007
火曜日, 2月 20, 2007
江戸川乱歩全集 第8巻 目羅博士の不思議な犯罪 を読んで。
第8巻に収めてある作品は、比較的乱歩が作家となった初期のものだという。昭和5、6年頃だ。約800ページに及ぶ長短編だ。この第8巻には明智小五郎は登場しない。「妖虫」には三笠龍介という老探偵が登場する。乱歩の推理探偵小説を読んでいて、読んでいる途中というか読書中の面白みをいつも感じ、人は死んでも作品が残る素晴らしさをいつも感じる。昭和初期の作品というよりは、やはり乱歩だからであろうか。
火曜日, 2月 13, 2007
空海の思想について を読んで。
梅原猛の「空海の思想について」を読む。そういえば、ここ数年川崎大師「平間寺」を年始参りに行く。空海の思想は、非常に難解であるという。吉本隆明の「親鸞」についての書を読んだ。悪人正機説そこに極限まで、自己の精神を探求する親鸞の究極の「悟り」がそこにあると思ったと同時に、宗教、仏教とは、世間この自己の生ける周囲、世界と隔絶した状況で何の意味があるのだろうかという強烈な疑問が湧いた覚えがあった。弘法大師空海のいう真言密教は、「世界肯定の思想が、密教の思想にある。」と著者は言う。世界肯定、人間万歳が、真言密教の根底にあるのではと。お釈迦様でなく、大日如来による宗教の普遍性を歴史の中に見いだそうとした空海という人の思想をもっと勉強したいと思う。
四つの署名 を読んで。
シャーロック・ホームズ全集の「四つの署名」は、コナンドイルの推理小説の第2段であるという。インドの財宝を巡る殺人事件だ。ホームズは、冒頭から麻薬をやる。この時代1890年頃は、ごく当たり前だったという。この本にホームズの仕事観、恋愛結婚観、人生観がわかる。「恋愛は、理性とは相容れず、判断力を狂わせる。」という。旧友ワトスン博士の結婚に際しても、おめでとうとは言わない。躁と鬱を繰り返す、ホームズの日常しかし一度気の向く仕事に出会ったら、昼夜を問わず集中する。麻薬の助けを借りながら。。。
日曜日, 2月 04, 2007
ちいさな王子 を読んで。
サン・テクジュペリの「ちいさな王子」は、彼の44歳の人生の終了2年前に執筆された童話である。第二次世界大戦末期のこの時代は、仏は言論統制下でもあったようだ。彼は生粋の飛行機乗りであったという。今で言う国際郵便配達として飛行機に乗りそして戦争でも飛行機に乗る。最後は飛び立った飛行機が戻ってこなかった。2003年海中から残骸が見つかったと言う。砂漠に不時着した飛行士が、ちいさな王子に出会う。王子の物語そして再び飛行士のぼくは、飛び立ってゆく。人生の最後の果てしなく、青く広い大空へ。そこはなとない孤独・寂寥感が根底に漂っている。病床にあった作者が綴ったこの書は、死への旅立ちを意味しているのかも知れぬ。
土曜日, 2月 03, 2007
シャーロックホームズ全集 シャーロックホームズの冒険 を読んで
数十年も前に、読んだが題名は全く覚えていない。今回の新訳「シャーロックホームズの冒険」は読みやすく、読むにつれて次々へと物語の進行を思い出してゆく。昔懐かしく、胸を躍らせて読んだ記憶が走馬灯のように蘇る。懐かしく思い出される一冊であった。短編12編は、19世紀後半のロンドンとホームズの人格とが相まって、暗い。10年前にロンドンを訪れたときに、ベーカー街に立ち寄るべきだったと思う。
木曜日, 2月 01, 2007
青い虚空 を読んで。
J・ディーヴァーの「青い虚空」を読んだ。ハッカー・クラッカーによる殺人事件を題材にハッカーの追い求める果てしない無限の可能性の世界、これこそがディーヴァーの造語である「青い虚空」なのだ。シリコンヴァレーで起きたストーカによる殺人事件を切っ掛けに事件は、一人のハッカー「フェイト」に絞り込まれる。FBIは、同業ハッカーであるジレットなる人物を使い目には目をの戦いが始まる。最後はやはりディーヴァー特有のジェットコースター的結末による。ライム・サックスシリーズとは別の路線であるが、非常に面白いディーヴァーの傑作に数えられる名著である。
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