金曜日, 1月 23, 2009

シドニー・シェルダン著「よく見る夢」上下巻を読んで。

この物語の主人公アシュレー・パターソンは、カリフォニア州の都市のIT関連企業に勤務するOLである。
彼女の知らないうちに殺人事件が、1件また1件と重なってゆく。殺人現場には、ハッキリとしたアシュレー
の指紋がついた凶器と精液そして何れの殺された被害者は去勢されていた。
警察はFBIの支援によりDNA鑑定を交え遂にアシュレーを逮捕する。そして裁判へとアシュレーの父親で
あるスティーブン・パターソン博士は、脳外科の権威ある有名な医学博士だ。過去自分の母親を助けてもらった恩義から若き有能なデイビッド・シンガーは弁護を引き受けることになった。裁判の過程でデイビッドは、被告アシュレーの精神鑑定をセイラム博士に依頼する。そこで被告人は、多重人格障害者と判明する。アシュレーの中に「オルター」という多人格者が存在することが判明した。
検察優位に進められる中で、最後に弁護人はアシュレーのオルターを呼び出すことに成功しビデオに収録し判事に見せる。裁判は弁護側が勝利しアシュレーはコネチカット州の精神病院に搬送される。ここでの治療にあたるギルバート医師が様々な治療を工夫し遂にオルターの出現の正体を確認する。
それは、DVであった。父親による性的暴力が引き金となってオルターの出現を生んだという結論に達した。
殺人と多重人格障害というテーマのこのサスペンスは、現代社会における病理が生んだ産物か。



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