水曜日, 3月 31, 2010

ディアゴスティーニ「週刊 江戸」第2巻を読んで。

江戸城創建に纏わる秘話と家康の思い。1590年江戸に入った家康は翌年関が原の戦いに勝利しその3年後の1603年征夷大将軍となり、翌年から江戸城の大改修工事がスタートする。その後10年に渡り工事が続けられる。藤堂高虎による設計と家康による共同制作が江戸城だという。
当時の江戸庶民の服装や持ち物また東海道の川崎宿が紹介されている。当時でも川崎太師こと平間寺は有名で江戸後期には参拝客が多かったという。毎年正月の2日は、初詣に川崎大師に出掛け、葛餅を買って帰るが、住吉という店舗は天保年間の創業だと知った。
また庶民の暮らしで湯屋つまり銭湯が紹介されている。当時は混浴で、湯槽ゆぶねは暗く余り清潔ではなかったという。そして江戸は究極のリサイクル・エコ社会だったと。糞尿までリサイクルした超還元社会、鋳掛屋に始まり羅宇屋らおやという煙管の吸い口と吐き口を繋ぐ竹製の筒のヤニ掃除から取替えまで行っていた。この全集は江戸庶民の生活がカラー図及び写真で楽しめる。

火曜日, 3月 30, 2010

森 和昭著「日本のITコストはなぜ高いか」を読んで。

二十数年間、IT業界の末端に身をおく者として、この本を手に取った。著者の言わんとする日本のITコストの高い理由とは、「保守料金体系」だと言う。21世紀のIT・情報通信技術の進化はSaaSに代表されるクラウド・コンピューティングにいきつつあるとして、こうしたコスト削減を目指す世界的動向からかけ離れた存在が日本のIT社会の中での保守料金だという。しかし中身は大・中堅企業の開発費にしても数十億円という莫大なシステムそして保守料も年間数億円という規模の話であって、我々の小規模な世界の話ではない。年間IT投資額が12兆円でそのうち保守料は1兆円だという。そして79万人がIT関連企業の元で働いている。欧米では既に保守のサービス及びサポートは分業化されているようだ。しかし、日本の企業が求めるシステムは、その企業独自のシステムである場合がほとんどで、一部はSaaSに移行するにしても基幹及び勘定系システムは当分画期的な技術が現れない限り無理だと思う。最近の話では、日本の携帯情報端末の通信方式が、南米の各国で採用されつつあるという。日本独自の技術は日本の風土の中で生まれた特異なものであるが、それが他国で認められるというのは何故か嬉しい気持ちにさせてくれる。

月曜日, 3月 29, 2010

東野圭吾著「新参者」を読んで。

東京は、下町江戸風情が残る人形町界隈を中心とした日本橋署の刑事である加賀の活躍を描く警察ミステリーである。この本が「このミステリーがすごい」と書店で表札を掲げていたので購入した。北海道は札幌市内薄野の、ジュンク堂書店にて。この本の評価がミステリーとして評価が高いといわれる理由が全く不明だ。人情がらみの刑事さんの物語といった何の変哲も無い面白くも無いミステリーだが。何故か評価が高いと。

木曜日, 3月 25, 2010

野村総合研究所著「これから情報・通信市場で何が起こるか」を読んで。

この本を読んで、一般に言うところのIT関連の市場の巾の広さにびっくりする。ブロードバンドから携帯情報端末、家庭や介護用のロボットまで実に広く内容が濃い。世界市場及びその地域の慣習・特性と経済状況によってもITかの進捗が異なる。高速低価格通信を介しての音楽・映像の結びつきは、現在の様々な市場及び分野で変革が起きている。ネットに広告費を奪われる放送局、今やPCやネットブックの製造組み立てはOEM、ODMを通して台湾メーカの独壇場となった。また携帯端末は日本市場では飽和状態に近くインセンティブ形式の販売方法は、一気に普及へと向かった。日本独自の端末通信方式による携帯端末は、優れた先進機能を有しているにもかかわらず、世界基準になってないなど問題も多い。2010年以降の情報通信市場はどのような方向に向かうのか?をこの本は示している。私の興味は、携帯情報端末を使用したビジネスソリューション、そして革命的ともいえるSaaSクラウドコンピューティングが、日本の風土とどのようなマッチングと進化を図るのか?

木曜日, 3月 11, 2010

ダン・ブラウン著「ロスト・シンボル」下巻を読んで。

マラークなる前身刺青をした殺人鬼は、ラングドン教授、そしてソロモン家のピーターとキャサリンを執拗に追う。下巻では、人間と神と知恵という古より永遠のテーマに挑戦する。ワシントンDCに集められた神秘のベールを剥がそうとする殺人鬼マラークは、実はピーター・ソロモンの息子ザカリーだった。フリーメイソンを到して古来より守り続けられたピラミッドの秘密が解き明かされる。

月曜日, 3月 08, 2010

ダン・ブラウン著「ロスト・シンボル」上巻を読んで。

予約した本書がやっと手元に届いた。ロスト・シンボルのバッジと供に。過去の著者の小説は全て読んでいる。象徴学を専門とする大学教授ロバート・ラングドンが、今回も活躍する。ある日ラングドンは、旧友のピーターより講演の依頼を受けワシントンDCにそれも連邦議会議事堂だ。彼を待ち受けたのはピーターの切り落とされた腕であった。講演依頼は偽情報と気づく。そして何故かCIAのやり手の部長サトウが現場に駆けつける、ピーターの一家に纏わる物語が展開される。母、息子、妹キャサリンそして一家はフリーメイソンの上位階にあり代々受け継がれたピラミッドの謎が浮上する。そして旧友ピーターから託された小さな箱を持って議事堂に出向いたラングドンの身に危険が迫り来る。後半は、正にスリルとサスペンスの渦中に読者を陥れ下巻を読まずに居られない状況を作りだす。