水曜日, 10月 14, 2015

主人公、圷歩が歩いた37年間の人生の魂の遍歴を綴った物語だ。父の仕事上の都合で、中東はイランで生を受けた歩と家族そして周囲の人間の機微が繊細に描かれ、人間同士の交錯と錯綜、対立など人生に関わる全ての因子がこの書にあると思う。信じるものを見つけられず、先を進むことも儘ならず怠惰な生活をする歩が最後にかって暮したエジプトはカイロで親友と再会する、その時自身の人生の信ずるもの過去の友情とナイル河の淀みない流れをみて発見する。


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