松本清張著「鴎外の婢」、「書道教授」、銀行の渉外担当の川上はパチンコが趣味で良く行きつけの店内でバーに勤める女と知り合いになった文子という名の女であった、懇ろになり勿論遊び半分で肉体関係となった。文子は金を川上に要求し、終いには友人仲間とバーを出店するこになったと言い大金を要求してきた。そんな地獄の日々を過ごす中で渉外で回った場所に書道教授の看板を掲げる家があり、川上は書道をすることにした。そして妻の着物を買った後、空き巣に入られ着物を盗まれた妻保子の執念から犯人が特定できた。しかし妻の証言から文子を殺害した夫の犯行がバレてしまった。男の心理状態を伏線に著者独特の語りは圧巻だ。
「鴎外の婢」、編集者から依頼され明治の文豪の回りのエピソードを書いている浜村は、つと浮かんだ発想を基に九州に旅することにした。鴎外が小倉に住んだ3年間の時、鴎外の面倒見た家政婦モトに纏わる話を書くためだった。旅館に宿泊し主人も古代史ファンと聞いて話をしたが、その後モトの縁戚のハツの行方に気にかかり行方を追う内に旅館主と恋仲になり妊娠したハツは殺害されたのではと思いある土地を掘り返した結果骸骨が無数に出てきた、古戦場の跡だったのだ。しかしその無数の骸骨の中にハツの死骸があったのではないかと。
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