火曜日, 7月 30, 2024

畠山健二著「新本所おけら長屋 一」、たまたま本屋でこの本「おけら長屋」を見つけたそこには新の字が早速手に取り読んで見るといつものおけら長屋の面々の優しい顔が並んでた。長崎から帰ったお満は松造とおけら長屋に住み居酒屋お栄の隣に診療所を開設、松吉と八五郎は何でも屋を開設いつものようにドタバタ劇が始まる著者の日本人を知り尽くしたこの書が長く続くことを願う。
ハリー・クルーズ著「ザゴスペルシンガー」、1960年代ジョウージア州エニグマ出身の歌手ザゴスペルシンガーが織りなす姦淫貧困暴力の田舎町で繰り広げる種々雑多な事件、但しこれはミステリーではなく腐敗した田舎町で息をする神の物語だ。最後に彼ゴスペルシンガーが大樹に吊るされ死亡するのもキリストを彷彿とさせる。
東野圭吾著「禁断の魔術」、姉とふたりで暮らす少年小芝伸吾は頭の良い科学が好きな少年だった、その姉が代議士の愛人となってホテルで死んだ。このことに衝撃を受け固く復讐を誓った伸吾は高校生時代から実験的制作してきたレールガンこれの製作については湯川が指導した経緯があり責任を感じ捜査に協力し犯罪阻止にむかう。
ホリー・ジャクソン著「受験生は謎解きに向かない」、初めて読む作家でそれも3部作の前日檀を読むことになってしまった。物語は富豪からきた誕生日パーティーの招待状だった、それも孤島一日に正午一便でしか島に渡れないという不便さそこで催されたのはなんと1920年代に起こった殺人事件について犯人当てゲームするという、衣装も当時のコスチュームで参加するといった凝りようだ。参加した高校生のピップが抜群の推理力で犯人を当てるというミステリーだ。
東野圭吾著「予知夢」、お馴染みのガリレオシリーズで今回は短編5編が含まれている。各作品は著者の物理学的知識随所に見られそれを実際の推理に生かし事件を解決するというものである。著者の科学的G0知識にまさに脱帽だ。
ジョセフ・ノックス著「笑う死体」、著者のエイダン・ウェイツものの2作目で、私は3作目から読み始め1作目、そして今回2作目へと、堕落刑事の異名を遺憾なく発揮した今回の作も社会の銃とドラッグとセックスが蔓延する底辺あらをウロツクエイダン・ウェイツの姿が目撃される。事件は稼働していないホテルで起きた、死体が横たわり笑っているような表情していた死体の詳細から捜査を開始していくうち次々と現れる闇と人間に翻弄されながら真相に迫る。今回エイダン・ウェイツの出生の秘密が明らかにされた。
桐野夏生著「だから荒野」、東京に住む4人家族、息子二人は高校生と大学生夫はサラリーマンで日々忙しくまた週末はゴルフと妻の朋美は自分の時間がとれないばかりか侘しさを日頃感じていた、ある日それは朋美の誕生日家族で新宿へ行き食事会となったその席で朋美は失踪した。一人の主婦の冒険ともとれる家出を通した人生を考えさせる設定だ。
ジョセフ・ノックス著「堕落刑事」、イギリスマンチェスター市警の刑事エイダン・ウェイツに与えられた任務はマンチェスターを牛耳る闇の組織フランチャイズに潜入することだった、ボスであるゼイン・カーヴァーに接近し情報を警察上部に提供する役割だ。ドラッグの世界を牛耳るカーヴァーは国会議員とも繋がりしかも警察組織にも知り合いを作り闇を跋扈しれいた、そんな中議員の娘ロシターが殺害されエイダンに嫌疑がかかり四苦八苦する。どこまでも信念を貫き通すエイダン・ウェイツ刑事闇に葬られた数々の死体その原因を自らの手で追い詰める真っ当な刑事である。
桐野夏生著「夜また夜の深い夜」、主人公マイコと七海という女性同士の文通が主体となって物語は進んで行くマイコの極貧の状態からナポリの貧民街から家出してマンガカフェに潜り込んで人生の展望が開けたような強烈なインパクトを彼女に与えた。そのごアナとエリスと知り合い盗みlを繰り返しながら地下の洞窟で暮らすハメに。プロットは全く予想できない結論に行きつくそしてマイコの生き方を提示するどんなに極貧の状態での中でも精神的には清貧で希望を持ち友達との友情を育むその生き方にその強さに感動する。著者の作品は翻弄されて、最後まで展開が読めない面白さがある。
アンソニー・ホロヴィッツ著「殺しのライン」、著者である「わたし」とロンドン警視庁の元刑事で現在は警視庁の諮問探偵でいるダニエル・ホーソーンとのコンビの作品である。出版されてないが宣伝の為、戦時中ナチスの要塞の島オルダニー島の文芸フェスにわたしとホーソーンは行くことになった。その島を牛耳る富豪メジュラー夫妻が殺害される当初捜査線上に浮上したアボットは自殺を遂げ線上から外されホーソーンの巧みな頭脳により新たな犯人が浮上する冗長性が否めない作品でさいごのどんでん返しがあるわけでもない。