火曜日, 4月 17, 2007

地獄の道化師 江戸川乱歩全集第13巻 を読んで。

中編4編、暗黒星、地獄の道化師、幽鬼の塔、大金塊が編集されている第13巻は、昭和14年に書かれて各種雑誌に連載されたものであるという。この1939年は、軍部が主導権を握り着々と太平洋戦争へと突き進む日本の姿がある。思想統制下にあって、乱歩の娯楽探偵小説も発禁本あるいは訂正を強要されるといった状況である。殺人事件の描写など今一恐怖感を呼び起こさない。乱歩は徐々に休筆宣言へと。。乱歩と戦争への係わり方はどのようなものだったのであろうかと考える。それにしても、明智小五郎、小林少年探偵団長の活躍は、我が少年時代に胸を躍らせ読んだ記憶を呼び起こし、懐かしさで一杯になる。

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