日曜日, 12月 20, 2009

スティーグ・ラーソン著「ミレニアムⅠ」を読んで。

著者は、北欧はスウェーデンの記者を経て作家活動に入ったという。3部作の長編推理小説のうちの第一巻が表題のミレニアムⅠである。残念なことに、この3部作執筆終了時点で事故で他界したという。ストックホルムから北にあるヘーデスタ及びヘーデビー島中心に物語りは始まる。雑誌ミレニアムの共同経営者であるミカエル・ヴィルムクビストはとある国際的シンジケートを操るヴェンネルストレムなる人物に関する記事により名誉毀損で有罪判決を受ける。現状の仕事に対する意欲を失墜し休暇の為自分の別荘へと、そこへヘンリク・ヴァンゲルなる人物より自分史の執筆の依頼が来る。この大物老実業家ヴァンゲルとヘーデスタでの依頼人との契約の中孫のハリエットの失踪を知る。著述は表向きで実際はその失踪事件の解明を希望される。やむなく契約しミカエルの1人での失踪事件の捜査が開始される。物語は、ドラゴンタトゥをしたリスベット・サランデルなる女性の描写と平行して進む。そして二人はやがて一緒に失踪事件に取り組むことになる。彼女は得意な記憶能力とパソコンを自由に操るいわゆるハッカーとしてスウェーデンでも屈指の達人として知られている。30年前のこの事件の捜査を巡り二人の取り組みが始まる。ミカエルの身に様々な災厄が降りかかり30年前の事件が今でも生きていることを証明される。ヴァンゲル家の様々な人々の描写、ミレニアム共同経営者エリカ・ベルジュとの関係と描写、サランデルの過去と事件の伏線の描写は読者を飽きさせることなく進んでゆく。そして事件はヴァンゲル家の内部で発生した事を知ったミカエルは、敵の住む家へと。北欧の地を舞台にカリブまでスケールの大きさを感じさせるJ・ディーヴァーを凌駕するほどのミステリーだと思う。

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