平坦な語り口調のこの物語は、NHKの週刊ブックレビューにて知った。主人公の古川ミチルは、友人からの依頼もあって宝くじを買う。その日不倫相手の東京の出版社の豊増を追って東京へと。宝くじの43枚の中の1枚が一等に2億円当たっていることに気づく。その日からミチルの人生は予想もしない様々な状況に巡り会う。そして殺人が起きる。宝くじの1等が当たったばかりに起こる悲劇、偶然とはそのようなものであろうか。そして物語を語る本人の境遇もまた最後になって判明する。ちいさな「どんでん返し」ともとれる結末である。人生とは誠に持って偶然の重なり合いそして巡り会いもまた偶然としか言いようがない。
1 件のコメント:
佐藤正午は村上龍とは同郷、出身高校も同じで3歳年下です。
25年前になりますが、佐藤正午のデビュー作「永遠の1/2」を読みました。
主人公「ぼく」のまわりに「ぼくによく似た男」がいるらしい...
佐藤正午からみた村上龍、みたいで面白かった記憶があります。
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