松本清張著「殺人行おくのほそ道 下」
松本清張著「殺人行おくのほそ道 下」、倉田麻佐子は調査を進める中で下っての同級生西村は経済関係の新聞社に勤めそこの記者だ、彼と共同調査を開始する。叔母隆子の回りの人々が連続して殺害されてゆく。犯人の検討が付かないばかりか、物語の先行きに興味が次々と沸き起こる、このミステリーの醍醐味を見事に味合わせてくれる本書は絶品だ。叔母隆子の借金の背景には、彼女の幼少期の暗くて悍ましい過去があった。
松本清張著「殺人行おくのほそ道 上」
松本清張著「殺人行おくのほそ道 上」、倉田麻佐子の叔母の芦名隆子は銀座でも有名な洋装店(ブティック)を経営していて、知名度も徐々に上がり繁盛していた。隆子の夫の信雄に誘われ勝って芭蕉が歩いたおくのほそ道に麻佐子は同行した。その後信雄の実家の九州にも麻佐子は同行したそこで信雄に内緒で隆子が山林の一部を処分したことを知った。麻佐子は疑問を持ち調べてみることに、隆子は女優の仲介で京都の金融業岸井亥之吉からも謝金している知る。ある日岸井老人が東京に来た折に老人に遭い、ホテルの部屋まで押しかけ疑問を口にすると、岸井老人は調べてみるといった。しかし麻佐子を遭った翌日福島県須賀川の山林で岸井老人の絞殺死体が発見された。
真山仁著「ベイジン 下」
真山仁著「ベイジン 下」、耐震を強化し只管北京オリンピックの開幕に合わせ紅陽核電の運開を企図する田島を含めたスタッフ全員の希望だった。無事に運開を乗り切った直後に紅陽核電内に火災が発生、右往左往する中で中国の大連綱紀粛正党副書記学好耕とも気脈を通じ合い、メルトダウンに立ち向かう姿は、忍耐と希望そして人と人との信頼を見事に描き出している。
真山仁著「ベイジン 上」
真山仁著「ベイジン 上」、中国は遼寧省の遼東半島に北京オリンピック開催と同時に巨大な原子力発電所を建設し運開するといった巨大プロジェクトに日本から技術顧問として中国に渡った田島伸吾は、中国の利権、収賄、汚職が至るところに蔓延る世界に彷徨しながら計画を推し進めるべく努力していた。田島が中国のメンバーを引き連れ日本に赴きそこで告げられたのは、紅陽核電の立地する土地は活断層が2つあり原設計では耐震できないと言われた。
松本清張著「神々の乱心 下」
松本清張著「神々の乱心 下」、荻園康之と特高警察係長吉屋は、渡良瀬遊水地での死体遺棄事件を執拗に捜査するが、根は深く元は満州国でのアヘンの密売に関わった特売人の所に行きつく、そこで秋元なる元特務員の正体が明かされる。彼は未亡人を抱き込み埼玉の田舎で新興宗教を立上げ、軍部の役人や宮中の糯持をも抱き込んで行く。著者晩年の作であり、小説事態は未完となっている。著者の晩年の仕事としては、豊富な取材調査そして歴史への道恵深い知識の上に壮大に組み立てられた本書は正に圧巻である。
松本清張著「神々の乱心 上」
松本清張著「神々の乱心 上」、昭和初期渡良瀬遊水地で発見された二体の遺体、県警は殺人事件と断定して捜査を進める。警察に先立って元華族の孫に当たる荻園康之は姉にあたる彰子から部屋子の北村幸子の葬儀に名代として参列してくれと依頼されたのを契機に自殺した幸子の原因に疑問を持ち調査を開始し、事は満州国での阿片密売に辿り着く。警察も荻園より遅れて殺害された一体が、阿片密売に関わっていたと解明、そうしてもう一体は奈良の骨董屋だと言う。
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