鏑木蓮著「東京ダモイ」、ソ連時代満州から抑留されシベリアに渡った旧日本兵の過酷な生活を描き、その当時起きた中尉惨殺事件と現代で起きた殺人事件の相関を見事にプロット化した本作は乱歩賞受賞作品だ。個人出版を手掛ける薫風堂に電話があり出版依頼だった、そこで営業の槙野が京都府の綾部に向かったそして契約を果たし後日話し合いに来てくれとの依頼を受け槙野が綾部の高津老人宅に着いたが留守だった。そしてそのまま失踪となった。同時期頃にロシアはイルクーツクから来日した老婦人マリアが何者かに殺害された、そして仲介役に若き医師も行方知れずとなった。