日曜日, 1月 29, 2023

下村敦史著「闇に香る嘘」、主人公は全盲であり、彼を取り巻く人間たちの過去は旧満州の時代そして日本に帰国し中国残留孤児から日本人として認知された者たちの相克また彼の娘の子供つまり彼からしたら孫にあたる小学生の少女は重い腎臓病を患い週三日も病院で透析を受けている。過酷な状況の中で実家の岩手帰郷し兄に感じたかすかな不安は実際の兄ではないのでは?という根源的な疑惑であった。全盲の彼が調査にあたり行き着いた結果は自分が中国人の双子の一人だというどんでん返し的結末だった。第60回の江戸川乱歩賞受賞作品だ。

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