月曜日, 3月 27, 2023
ジョエル・ディケール著「ハリー・クバート事件 上」、
ニューヨークから来た作家ハリーは、海沿いの田舎町ニューハンプシャー州オーロラの邸宅を借りて住んでいた、勿論作家として作品を書くためだ、そして15歳の少女ノラと海岸で出会い恋に落ちた。少女は15歳でハリーは当時34歳だった、歳の離れた二人にとってハリー後ろめたさを感じ苦悩の末ノラと別れると決心する。そしてノラが殺害された。33年後邸宅の庭から白骨死体が掘り出され当時の少女ノラと判明しハリーが警察の手に拘束された。同じくニューヨークで作家として成功したマーカスは恩師の困難を知り海辺の田舎町へ来てハリーの無罪を信じ開放すべく調査に乗り出した。ノラに纏わる意外な事実が次々と判明する。
東野圭吾著「パラレルワールド・ラブストーリー」、米国が本社のIT企業バイテック社その会社で働く敦賀崇史と親友の智彦は同じ会社の同僚である友野麻由子に好意を抱きお互いにパラレルに悩み続けどちらともいえない状況に陥っていた。会社でもの仕事はVR的で人間の脳にパルスをインプットして記憶を改編するといった最先端の研究テーマであった、そして遂に彼女を失ったと自覚した智彦がとった行動は記憶改変を自ら実験台に付き記憶をリセットするというものだった、しかし事態は最悪のものになり、智彦は意識のない眠りについた。著者のプロットは意外性を孕み伏線はミステリーよりホラーに近い少し冗長性は否めないが全般的には面白かった。
フレッド・カサック著「殺人交差点」、
法学部の学生がある夫人ルユールの家に集まり恋愛ごっこに浸り次々と相手を変えて楽しんでいた。そんな折、一人の学生ボブに恋した夫人は彼が夫人以外の女性に恋をしたことを知るとボブと一緒でいた彼女とも二人を拳銃で殺害してしまう。それから十年が経過し今や時効が成立するか同課の瀬戸際、そして突然犯行を記録した8ミリフィルムが発見される。
「連鎖反応」
観光協会に勤務する平社員のジルベールは、婚約者がいるにも係わらず愛人を解体させた、薄給の彼がとった行動が奇抜で面白い。それは協会の社長を何とかして消すつまり殺害することだった。協会の規約により直下の者が昇進するといる規律によりジルベールは管理職の階段を昇って行ったそして結末は意外な展開をみせた。2編の中編を纏めた本書はフランスミステリー傑作としての地位を確立したと。
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