水曜日, 2月 28, 2024

笹沢佐保著「断崖の愛人」、 大手の部類に入る中外軽金属の会社の係長を務める井ノ口一也は家庭での嫁姑間の対立に日々悩まされていた、彼の妻純子は策略を施し夫に愛人を持たせるべく画策した、何故か姑の春江が愛人という状況に毛嫌いしているのを知っているのが原因だった。彼の勤務する部署で部下の安城由布子との不倫間関係に遂に井ノ口は陥った。ある日春江は息子の一也に愛人がいることにきずき愛人由布子の住まうマンションに出かけ由布子と春江は対決した、結果春江はマンションの屋上から転落し死亡した。さらに沖縄へ出張した一也を追って来た由布子との逃避行の近くの岬の断崖から探偵が身を投げ死亡と家庭の不和から始まる件が殺人までに発展したミステリーのプロットとしては単純で結果もそれほど驚くべき結末とはいえないが、ここに至る道程、男女の心理の描写はさすがである。

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