著者の体験を踏まえた、警察小説とでも言おうか物語である。女性制服警察官として5年ほど実際にルイジアナ州の警察官の経験を持つ著者の処女作だと。この本の最終章の「生きている死者」は、グイグイと読む者を物語の中へ引きずり込む迫力がある。5人の女性警察官の織りなす物語が絡み合い、スムーズに読むことができない章があるが、何れにしても米国の現実的な犯罪を追う或は起こってしまった犯罪の後処理をする警官の日常の物語である。人を簡単に「殺す」「殺してしまう」という社会の裏にあるのは「貧困と差別の階級社会構造」かもしれない。
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