月曜日, 12月 11, 2006

江戸川乱歩全集 第9巻 黒蜥蜴 を読んで。

黒蜥蜴、人間豹、石榴が収められた乱歩全集第9巻である。この三作品の中では、「石榴」(ざくろ)が一番面白いと思う。「黒蜥蜴」は後に三島由紀夫の脚本による舞台化などが行われ衆知となったが、私は石榴が、現代に通ずる傑作だと思う。昭和9年の作だという。思想統制が進む社会で思い切った表現もままならぬ時代下でのサド的表現を描いているのも面白い。最後の大逆転劇は痛快である。

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