新野剛志著「八月のマルクス」、元お笑い芸人だった笠原は今はスキャンダルの後芸能界を去り、家賃収入を当てに細々と暮らしていた、ある日訪ねて来た相方だった立川は末期がんだと笠原に告げ数日後に失踪した。笠原は古巣の芸能プロの屋部から立川に関わる人物達と次々と接触していき、発見したのは5年前に若手芸人グルーチョ・マサのロケ中の突然死だった。マサの死に絡む両親の元へ未だに寂寥に苛まれ夫婦で苦悶に強いられ復讐に燃える両親の姿を目にしたマサに関わる人物が殺害されていた。芸人社会の殺人をテーマに複雑な伏線を用意してプロットが完結していく面白さこれぞ乱歩賞受賞作品に相応しい。
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