火曜日, 6月 27, 2023
誉田哲也著「ルージュ」、今回も姫川玲子シリーズだ。まず祖師谷残虐事件一家3人を殺害し和室に死体を引き摺り3列に並べ衣服をはぎ取り拳銃で肛門から銃を発射して内臓から頭蓋まで破壊するといった猟奇事件が発生した。当然捜査本部が置かれ玲子たちは加わり捜査に従事することになった。そしてその事件について取材していたフリーライターが殺害された。玲子は仲間たちと必死になって捜査していく過程で28年前に起きた昭島市一家殺害事件と共通するものを感じ出向いて捜査資料を読んで、同一犯だと思わせる記述があった。犯人は外国人と特定され当時日米地位協定の壁で時効になった事件だった。プロットといい伏線の上手さに感銘する出来だ。
ヘニング・マンケル著「北京から来た男 下」、ビルギッタ・ロスリンは友人と中国へ行くことになりそこでホンクイという女性中国人と知り合い友人として親交を温めた。その後物語は昔の中国の歴史虐げられ無惨な死を迎え歴史に刻まれていくそんな時代背景の中でサンという男性の悲惨な生涯に焦点をを当てその子孫を持つヤ・ルーという中国の若き実業家に焦点をあてる、かれはホンクイの弟だった。中国の現状を憂え、アフリカはモザンビークに進出して大量の中国人を迎え新しい歴史を作るというプロジェクトに乗り出す。しかし姉ホンクイとは意見が合わず、彼女を殺害する。一方ビルギッタ・ロスリンはやはり大量虐殺人の犯人は中国人だと考えは変わらなかった。スウェーデンは元よりアメリカ、中国、アフリカ、ロンドンと世界規模で描かれたミステリーそしてそこで書かれた人種差別、経済格差世界を見据えた優れたミステリーの傑作だと思う。
ミネット・ウォルターズ著「養鶏場の殺人/火口箱」、「養鶏場の殺人」
エルシー26歳でやかましく職場の皆に嫌われていた我が強く人の意見を受け入れない頑なな性格をしていたが、そんな彼女が見つけたのはノーマンという二十歳の男性だった。婚期を過ぎていると家庭でも言われているエルシーにとって最大の幸運に歓喜しノーマンの姿を追い、結婚を迫った。ノーマンは田舎に養鶏場を建てそこで業務を開始したが思ったほど売り上げも無く苦心していた、そんな彼の窮地を知っても彼女は相も変わらずノーマンに結婚迫り続けるのだった。そしてある日エルシーが蒸発した、遺体に一部が養鶏場から発見されノーマンは逮捕された、ノーマンは無罪を主張したが認められず断頭台の露と消えた。かれは遺書の中でも無実を書き残した、これをどう捉えるべきか?
「火口箱」
英国の片田舎で二人の殺害事件が起き、同じ村に住む青年が逮捕された。青年の逮捕を廻って様々な意見がでて村は混乱の坩堝になった。シボーンは自分で捜査し警察にも連絡し真相を述べるが事実は意外なところにあった。偏見と因習が取り巻く小さな村での生活を生き生きと描写している。
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