木曜日, 12月 03, 2015

江戸は下町にて古道具屋を営む音吉とお鈴夫婦を巡り、日々生活する人々の人情と悲哀が織りなす模様を軽快な筆致で描く。江戸情緒をふんだんに盛り込んだ一般人の生活を生き生きと描いている。


水曜日, 12月 02, 2015

母親の駆け落ちと父親の死別、縁が寺に引き取られ、屍洗いという仕事をとおして、様々な人間模様の中で必死に生きる姿を描く。作者の優しい感情がにじみ出ている秀作だ。


月曜日, 11月 30, 2015

高校野球児の死を契機にその知人も死体で発見される。蓮見探偵事務所が中心となって事件の真相に向かう。著者の初期の長編推理小説だ。読後、何か優しさを思う。著者の人間の交わりを通しての感想だ。事件は製薬大手の製品の失態を根底に蠢く専務と部下などプロット的には十分楽しめる設定になっている。最後の落ちは意外なところにあるのだが、著者らしい結末と思う。


フリーライター岡村の知り合いの出版社の社長が殺害されたのを契機に事件は迷走する。勝村とバーの店主山猫の犯人探しが開始される。著者は現代の怪盗・義賊として山猫を描こうとするがプロット文体とも今一の感がある。人間模様の交錯が全くないサスペンスだ。


火曜日, 11月 24, 2015

下町ロケットの続編だ。人口弁および人口心臓のキーデバイスを作成する過程で起こる中小企業の悲哀とめげずに突き進む社長佃の信念が絡み合い、登場人物や設定プロットの上手さに感心させらる本書である。



木曜日, 11月 19, 2015

ナミヤ雑貨店、悩み相談をする店主そして時空を超えて相談相手になるという不思議な物語、人間の優しさと人と人との繋がりを思わずにはいられない。


火曜日, 11月 17, 2015

久しぶりに、リンカーンライムとアメリアサックスによる犯罪ミステリーを読んだ。懐かしさと著者のローラコースター的終末は、顕在でプロットも冴えわたり読者を魅了してやまない。タトー師犯人を巡りニューヨークの地下を舞台に展開する格闘はまさに醍醐味に溢れている。



木曜日, 11月 05, 2015

物語は、現代と過去という二次元的推移を辿る。会社を退職し妻とも別居中の主人公が、ふとしたことからかって父が使用していたと思える車のキーを手に取る。自身の人生を見つめなおそうとする気持ちが、死んだ父が過去勤務していた運送会社「相馬運送」に纏わる様々な過去そして倒産した会社から始まり様々な事件等も合わせて調査してゆく。その過程でやっと自分を見つけるという物語だ。


サラリーマン生活を送る主人公佐伯50歳にして、若年性痴呆症(アルツハイマー)を患う人生の悲劇が主題だ。死に至る病と言われるアルツハイマーを若くして発症する佐伯、家族同僚そして知人周囲の人々との様々な交流を通してこの病の持つ悲劇を描いてゆく。物語の最後は、陶芸で山に籠り下山途中で妻枝実子が迎えに来た時、既に妻を認識できないという悲惨な結末だ。周囲の人間はどうであれ発症した患者本人は既に全てが忘却の彼方に追いやられ生きている現実は、果たして悲壮なのだろうか?。何もかも忘れ記憶を無くし生きてそして死んでゆく。

著者の心理描写はまさに絶妙といっていい。不倫関係にある主人公と愛人との交際と微妙な心理描写は秀逸で舌を巻く。ミステリーらしくはないが、読後何か割り切れない感情が残るそんな物語だ。


火曜日, 11月 03, 2015

前段の誘拐を計画し実行するまでの過程は、詳細で少し冗長過ぎるところがあるが、最後の誘拐が成功した後の記述は、つまり全体のプロット的には面白みに欠ける。


日曜日, 11月 01, 2015

前半は冗長性は否めないが、後半は読みごたえがあり最後まで一気に読める。母親がレイプされ授かった弟「春」を中心に物語は進む。癌で闘病中の父親と親子三人の物語。レイプした犯人を捜し続け遂には、殴り殺す。兄弟、家族愛人間の愛情をどこまでも感じさせてくれる。プロットは決して新しくはないが、著者の人間を見る優しい愛情を感じる作品だ。


日曜日, 10月 25, 2015

主人公岡田亨の周辺に起こる様々な出来事や人物を通して、読者は全く翻弄され続ける村上ワールドの世界は何故か心地よさを感じてしまう。そこに在るのは人生や悲哀や歓喜や絶望や諦念そして天国と地獄寂寥や不条理の世界だ。混沌とした世界い孤独とともに生けるオカダトオルの姿がある。日常的な非日常性と薄暗闇に蠢く悪霊との戦いその只中に生きる主人公に勝利はない。



月面調査隊が発見したミイラ宇宙服をまとった白骨死骸だった。この死骸をチャーリーと探求する科学者がニックネームを与え、チャーリーに対する科学者達の奮闘が開始される。様々な憶測と学説を取り交ぜ探求は進んで聞くのだが、決定的な理論は見つからない。地球上の人間の期限にまで遡るSFファンタジーは、非常に面白く、1977年の上梓だというが現代科学の理論をフンダンニ織り交ぜ物語は展開して行く。



お化け幽霊が出てくる話だ。孤児のおりんには、五体の幽霊・お化けが見える。包丁料理人の父親が、開店する舟やで起こるお化け騒動はホラーというより、何故かほのぼのとしておりんを通して人間の本来持っている「やさしさ」に気付かせてくれる。環境や境遇により自分と同じ運命を歩むお化けが見える。最後のページまで飽きさせない面白さがある。


木曜日, 10月 22, 2015

著者の過去読んだ作品中のガリレオ探偵とは一味違う様相だ。友人で天才とも言われた数学教師石神彼とは大学時代の同窓で、また刑事草薙も同様だ。アパートに住む隣人の母子が起こした殺人事件を回り物語は展開する。本当の真実の愛の深さを追求した作品だ。


月曜日, 10月 19, 2015

著者得意の医療分野での手術死を回る術死調査を託された愚痴外来医師田口先生と厚労省の係官白鳥調査官の二人の葛藤を織り交ぜ調査を進め、やがて思わぬ犯人を割り出すまでの医師同士はたまた大学病院の現状を描きながらそこで働く者の人間同士の触れ合い機微を巧みなタッチで描く作品だ。


今までの推理つまりミステリー小説とは全く違ったプロットを持った小説である・。ある殺人事件を題材に6人で構成する犯罪研究会なるメンバーが、それぞれ各自独自に推理するといった物語である。物証が乏しい中で、めいめいが心理的側面を細部に渡り調査し披露する。

日曜日, 10月 18, 2015

第四の殺人が高級ホテルコルテシア東京で起こるという。ホテルへ張り込み犯人を待つ警視庁の捜査員とフロントホテルマン山岸を軸に物語が展開してゆく。冗長性は否めないが、結構楽しめるプロットだったかなと思わせる。


水曜日, 10月 14, 2015

主人公、圷歩が歩いた37年間の人生の魂の遍歴を綴った物語だ。父の仕事上の都合で、中東はイランで生を受けた歩と家族そして周囲の人間の機微が繊細に描かれ、人間同士の交錯と錯綜、対立など人生に関わる全ての因子がこの書にあると思う。信じるものを見つけられず、先を進むことも儘ならず怠惰な生活をする歩が最後にかって暮したエジプトはカイロで親友と再会する、その時自身の人生の信ずるもの過去の友情とナイル河の淀みない流れをみて発見する。


全般的に読者を惹きつける展開にページを繰る手がとまらない。最終的な読後感といえば、そんなの有りかよと思えるプロットだ。あり得ない推理展開は著者独特な世界感か?


奇想天外の都市の中で仕組まれた殺人事件、これを解決すべく招聘された名探偵天下一、彼が最終的に見たものは自らが著作した本格推理小説であった。という今までにないプロットは新鮮だが。。


火曜日, 10月 06, 2015

著者が創作した名探偵、帝都大准教授の湯川先生が警視庁に協力しながら、事件を解決へと導く痛快推理ミステリー本だ。物理学者である先生が推理する魅力と言った事件解決が核心だ。


日曜日, 10月 04, 2015

あまりにも日常的すぎる日常の中で、人は空恐ろしい殺人を犯す。それは、止むに止まれぬ事情があるにせよ動機と人となりを見ると背筋が寒くなる。そんなミステリー的小説が満願であり短編集だ。面白い。

著者の銀行もの半沢シリーズだ。破綻寸前の会社帝国航空に纏わる金融庁から国会議員さらにやり手のコンサルを交えた「倍がえし」シリーズだ。痛快サラリーマン活劇みたいな気分で読み終えることができる。



プロット的には、単純だが内容は良く練られ密室あり血縁関係(横溝作品)あり、簡単には読者の推理を介入させない面白さがある。


土曜日, 10月 03, 2015

昭和九年に書かれたこの書は、探偵小説の古典的名著と言われる。まず文体は古典的でストリー事態つまりプロットはそれほど奇抜でもない。しかし随所に引用される書や人物は著者の博学多彩な才能を垣間見ることができる。衒学的で神秘的叙述、名探偵法水麟太郎の心理分析引用される数多の人物や書籍、江戸川乱歩とは違った面白さがあると思う。

空想の王国ツオル(東乎瑠)帝国とその周辺の氏族やら東乎瑠に征服されたアカファ王国の中で生きる様々な人間の抗争を描き、その中心人物のヴァンという主人公を回りミッツアルという黒狼熱という伝染病をテーマに人間生命と男の人生を様々な考察を通して物語は展開する。
生命科学とも言うべき考証を展開し疫病と戦う医師と疫病に翻弄される東乎瑠の人々を描き、生命の尊さと人生の侘しさを感ずる書物だった。
2015年本屋大賞に選出されたこの本は確かに面白いが、ミステリー度を加えたプロットが展開できたのではと思う。

長編推理小説になるのかな。輝額荘という古びた下宿屋の住人を中心に物語が展開してゆく。ある日一人の住人が死ぬ。警察は、自殺と断定したが。その後大学の建築学科の教授の秘書の女性が路上の車中で死体となって発見される。教授の過去を巡る事件が殺人の動機として浮上する。住人の桜井と栗山が追う事件の真相はという冗長だが期待して読み進められるが、結末は期待していたよりも平凡であった。



人里離れた雪深い欧風のペンションで起きる殺人事件は、密室やマザーグースの詩に秘められた暗号の解読に挑む二人の女子学生が活躍するミステリーだ。プロット的にも十分考慮されておりページを繰る勢いを削ぐことなく読める面白さが十分にある。


日曜日, 9月 27, 2015

著者自身の職業作家としての遍歴や思いが、読み取れる。虚空な作家だと思っていたが、至って普通の作家だと気づかされる。著者の小説に対する思いが感じられる好著だ。


水曜日, 9月 16, 2015

光と闇、交錯する大都会に暮らす人そして様々な人間模様が平凡に語られている。何故か語るべき人物像が見えない。何か悩みや生活を背負って大都会に生きる人間の様々なシーンが表現され著者独特な表現だ。ここにも暗い闇が漂い、その中を泳ぐ人間の姿がある。



木曜日, 9月 10, 2015

正に村上ワールドの世界だ。錯綜と混濁と不条理の間を生きる人間達の生ける模様が描かれている。人の生の暗闇と運命そして偶然が襲うそんな人生模様が至る所に存在し不条理性が溢れかえる。所詮、人間の生とはこんなものだ。日常に潜む非日常性の中を掻い潜り、繋がりののない繋がりの中で生きてゆく。偶然と必然そして人は繋がって意味のない人生を歩むのだろうか?


水曜日, 9月 02, 2015

読後の清涼感や爽快感を味あわせてくれる絶好の書だ。青島製作所を舞台に業績の悪化、追い詰められてリストラ、競合他社ミツワとのM&Aと多彩な状況を盛り込みさらにそこに野球部を絡ませてゆく。中小企業の社内風土や状況が真摯に捉えられ、そこで仕事をする人間達の観察眼もさすがである。人生を真面目に生きることにより、運が開けてゆくと言った定石はこの書でも通用している。


日曜日, 8月 30, 2015

ホテルのコンシェルジュの奥深い仕事と流儀、心持ちといったホスピタリティの原点とも云える職業の実態が極めて明確に理解できる本である。レ・クレドールというコンシェルジュの世界的組織やら今まで知ることのない事が解る。ホテルの代表する人こそコンシェルジュと思う。日常の複雑雑多の仕事を淡々とこなすさらにお客様の心持まで理解しながら。。。気の遠くなるような職業だと改めて理解した。


木曜日, 1月 29, 2015

アンリ・ルソーなる画家の「夢」という絵を題材に物語が進展して行く。虚空なコレクターであるバイラーに真贋の鑑定を依頼された二人がバーゼルに向かう。ルソーの伝記を読みながら7日間で講評するという仕事だ。様々な伏線を用意して物語は、生ける情熱を描き上げる。


日曜日, 1月 25, 2015

感動するミステリーではないが、古典的傑作といった感じ。


ありふれた題材を元に、これほど人間の心理、悪魔的内面に迫る、本書はまさに傑作だ。悪の心理を全て曝け出すという何とも読後に残る感情は特別である。



水曜日, 1月 21, 2015

「白夜行」は、文庫本で850ページにも及ぶ長編ミステリーだ。幼い時に受けた傷をそのまま引きずり20年にも及ぶ男女のそれぞれの人生を描きかつミステリーとして仕上げられた本書は、まさにミステリー大賞だ。ところどころに人生の移ろいを感じさせる部分があり楽しく読んだ。


月曜日, 1月 12, 2015

工場経営者チャールズは、資金繰りに窮し伯父に融資を依頼するが。。。完全犯罪を計画し殺人に及んだチャールズの犯罪は見事に看破される。少し冗長さは否めまいが、完全犯罪を紐とく楽しみを味わえる作品だ。


ミステリーの古典的名作だといわれる。ブラウン神父が活躍するミステリー短編集だ。各章プロットはまずまずだが、少しページ数が不足している感がある。


金曜日, 1月 09, 2015

ある日の誘拐事件から始まるこのミステリーは、読者の期待を大きく裏切り展開してゆく。誘拐された女アレックスが、加害者となり次々と殺人を繰り返す。だが、その犯人アレックスは最後に殺害され、その過去が明らかにされてゆく。


日曜日, 12月 21, 2014

東城大学医学部付属病院内のオレンジ新棟と呼ばれる救命救急センターで将軍ジェネラル・ルージュ速水部長を回る様々な救命救急医療と病院長、部長、看護師らとの人間関係を赤裸々に描写する筆致は読者を飽きさせない迫力があり、ミステリー小説とは言えないが面白い。


ディラード家周辺の極狭い範囲で起こる連続殺人事件ヴァンス、地方検事、警察と必死に犯人を追跡するが、一向に目星がつかない。事件を重ねていく中で鬱積した犯人の心理に着目するヴァンスの洞察が解決へと導く。


月曜日, 11月 17, 2014

国本家老の要請で脱藩し江戸に向かう青江又八郎の身に起こる様々な事件を中心に小気味よい文体と相まって読者を楽しませる。


土曜日, 11月 15, 2014

SF小説であるが、現代からみるとプロットは新鮮味に乏しい。時間旅行つまりタイムマシンによる時空を超越するといった趣向とコールドスリープ冷凍睡眠による未来へ辿り着く発送も今やちと古い感を否めない。


水曜日, 11月 12, 2014

時代は、戦国時代後期徳川勢が大阪城の秀吉亡きあとに攻め入るクライマックスを背景に、風太郎という伊賀の忍者が生ける物語である。750ページにも及ぶ大著であるにも拘わらず、最後のページまで繰ることができた。空想の世界にも拘わらず、何故か現実に起こった出来事のような気分で読んだ。



水曜日, 11月 05, 2014

みおつくし料理帖シリーズの「八朔の雪」の初作から一気に最終作「天の梯」へと読んでしまったようだ。幼友達を吉原の廓から年季明けを勝ち取った主人公が、思いを寄せる源斉先生と大阪に旅立っていく最終章だ。


火曜日, 10月 28, 2014

幼くして九州の小藩から上杉藩に養子に来た治憲、世継ぎとして藩主となって疲弊窮乏した藩の財政と藩民の心を再生させる数多くの事業を展開すると言った上杉鷹山の人生を語る歴史物語だ。治憲が目指す真の意味での改革とは?藩民への深い愛情と部下への思いは、現代に通ずるものがあり、何故この時代にこのような理念が彼に備わっていたか不思議な思いである。


水曜日, 10月 22, 2014

ホックの名作短編集だ。時は20世紀初頭米国田舎町に開業した医師サム・ホーソーンによる密室殺人やら様々な事件を解決するといった回顧編で、気軽に楽しめるミステリーだ。


主人公澪の大阪の幼年期から江戸での料理修業を描いた物語だ。取り巻く江戸庶民の人情味溢れる環境の中で腕を上げていく澪の純粋で直向きな生き様は感動に値する。


月曜日, 10月 20, 2014

罪を着て、幽閉されかつ切腹して自害する期限を定めらた武士の生き様を村の情景、村の人々、家族そして監視役として派遣された武士の眼を通して、人の死を描く傑作だ。


貧乏な下級藩士の悲喜交々とした人生の中に光る諦念というか読者の感じる郷愁ノスタルジーを見事に表現した短編集だ。うだつの上がらない下級藩士と藩の命により果たし合いを余儀なくされる心の葛藤が目に見えるようだ。


木曜日, 10月 16, 2014

主人公二人、大都会に生きる青年と少女、孤独と寂寥に苛まれつつ人生を夢見る二人の出会いから終末の事件までを描くミステリーだ。評価は、★★。


火曜日, 10月 14, 2014

戦前へタイムスリップするといったミステリーだ。柿本人麻呂の謎を絡めた殺人事件を回り、事件を解明すべく一人の青年が活躍する。しかもタイプスリップした折口信夫は実際に生きた作家という著者初期の江戸川乱歩賞に輝いた作品で、面白い。星は★★★だ。

火曜日, 10月 07, 2014

読後の何というか清涼感に満たされる。ノスタルジックな情景描写に連想される透明な空気感が、心の底に漂う感がする。3人の武士の連綿と続く友情といつまでも心に残る淡い情念この見事なまでの描写は秀逸だ。


日曜日, 10月 05, 2014

著者は、東大航空学科卒ということで流石に航空爆撃機についての詳細な情報は半端で無い。自衛隊に納入されたTF-1爆撃機と航空機メーカを回る殺人事件は面白い。★★だ。


木曜日, 10月 02, 2014

戦後混乱期に刺青を回る殺人事件が連続で発生する。主人公の若い医師と警視庁の課長が取り組み解決に挑むが、アリバイと殺人の動機がどうしても掴めない。そこへ戦地から帰還した神津という青年が難事件の解決に挑む。プロット的にも面白くできたミステリーだ。★★★だ。


日曜日, 9月 28, 2014

非日常的日常がそこにありかつ生があり、その延長線上に死が存在する。読み進めていく中で、まるで村上氏の作品を読んでいるような気持ちになれる本だ。

火曜日, 9月 23, 2014

江戸末期、直心影流尚武館道場主の坂崎磐音を主人公と道場の門弟らが繰り広げ或いは遭遇する様々な計略・事件を描いた一大物語だ。


月曜日, 9月 22, 2014

多重人格精神障害者との恋をテーマに進展する物語。精神障害者と健常者との境界ボーダーは、恋愛対象となると全く差異はなく進展する。


月曜日, 9月 15, 2014

ある日、サンチャゴ老人はいつもの通り沖に漁に出掛けた。大きな魚が網にかかり格闘しながら沖へ帰ろうとするが、その途中で何度もサメに襲われ尾ひれと頭を残して全て食いちぎられてしまう。一人困難な状況の中で屈強な精神で戦う老人の姿は、報われない労苦を強いる我々の人生しかりかと。


日曜日, 9月 14, 2014

ボブ・リー・スワガーなるスナイパーを主人公にベトナム戦争での活躍米国とソ連の秘密諜報員間の戦闘と本ミステリーのプロットは、巧みであり複雑だ。ライフルと人生を共に真摯に生ける主人公のスナイパーの活躍は前回読破の極大射程とともに面白い。★★★だ。


日曜日, 8月 31, 2014


ウェディングプランナーのジャックリンが所属するプランナー会社のプレミアのクライアントの殺人事件を契機に物語は進展し、エリックという刑事との恋愛を含めて捜査が進展してゆく。ミステリーのプロットおよび出来はいまいちの感がある。評価星★★二つだ。



奇想天外な状況設定に唖然とするが、中身は一人の女性図書館隊員を巡り様々な事件の渦中で奮闘するといった筋書きだ。図書館の自由を堅守するという隊員たちの活躍や奮闘が主題で、題名からしてもう少し面白さが欲しいとことだ。


月曜日, 8月 25, 2014

ベトナム戦争を経験した孤独な名ライフル射撃主ボブとFBI捜査官ニックが繰り広げる大統領銃撃事件、CIAを絡めた複雑な人間模様と痛快とも思えるプロットは読者を魅了する。
星は、★★★★だ。


火曜日, 8月 12, 2014

ある日、二流小説家と自称するハリー・ブロックの元へ死刑囚から伝記の依頼が舞い込む。物語は展開し、新たな連続殺人事件も発生し孤軍奮闘するハリーの悲しくも可笑しいミステリードラマだ。


金曜日, 8月 08, 2014

まさにお手軽ミステリーといった感じだ。短編集だ。大学教授湯川が警視庁に捜査協力しミステリーを解決していっくといった件だ。私の評価は★★だ。


木曜日, 7月 31, 2014

血縁関係から生ずるありきたりのミステリープロットだ。登場人物は様々だが、物語の展開は、今一だ。
評価は、★★だ。


日曜日, 7月 27, 2014

少し冗長性は伴うが、綿密用意周到に計画されたミステリーのプロットは、読者を飽きさせず最後のページを繰るまで読ませる魅力があると思う。


水曜日, 4月 23, 2014

著者の新刊で中身は短編集だ。各短編いずれもが、正に村上ワールドだと思う。孤独、空虚、絶望、人生からの乖離それらが複雑に交錯し作品と仕上がるワールド村上春樹は健在だ。


月曜日, 4月 21, 2014

銀行内部や取引先とのトラブル不祥事で臨店チーム相馬と花咲舞が活躍する痛快な物語だ。


日曜日, 4月 20, 2014

江戸時代の中下層の武士の幼年時代から大人になるまでの物語。戸田勘一と彦四朗の友情とそれぞれが歩む人生を描く。運命・運とか友情そして人生の妙を考えさせられる作品だ。


火曜日, 4月 15, 2014

著者自らが、ドイツの弁護士であるという異色の作家だ。ミステリー短編集だが、様々な状況から起こる殺人事件に際して弁護士が語る事件の記録は印象深く面白い。2012年の翻訳小説部門の本屋大賞に輝いている。

月曜日, 4月 07, 2014

佃製作所社長の佃航平が率いる中小企業と大企業間での奮闘ぶりは、読後清々しさを感ぜずにはいられない。企業経営と経営者の夢そして運と感ずるものは多い。


太平洋戦争中、ゼロ戦のパイロットだった祖父の実像を探るべく生き残ったパイロットの証言を集め祖父宮部久蔵の実像を探る物語だ。生と死の狭間で過酷な戦況の中で日々ゼロ戦パイロットとして生きる祖父の姿をとうして戦争とは、生きるとは、愛とはを語りかける著者渾身の処女作だ。


12世紀末英国海域のソロン島及び小ソロン島を舞台に展開するサスペンスだ。ソロン島を統括するエイルウィン家の頭首が殺害される。殺人犯を追って展開するミステリーは、プロット事体は単純だが展開する情景は12世紀を空想させる筆致は感動だ。

木曜日, 3月 20, 2014

警察学校訓練所内での警察官の日常だ。本屋大賞2014ノミネート作品ということで読んでみたが、全然面白くもなく、どこがミステリーだという感じ。



金曜日, 3月 14, 2014

主人公、上訴裁判所判事ラスティ・サビッチと検察側のトミー・モルトとの対決だ。法曹・裁判ミステリーとも言うべき小説だ。裁判の描写は冗長で迫力に欠けるが、主人公の屈折した家庭の営みや不倫、妻バーバラの急逝に端を発した今回の裁判は、ミステリーとまではという感じだ。

日曜日, 3月 09, 2014

一向宗の寺、大阪本願寺への兵糧運搬を回る難波海での信長側の海賊と毛利側との海賊の海上での戦を舞台に村上海賊の景姫を中心とした物語である。詳細な史実と迫力ある展開は読者を一気に読み進めさせる力を持った小説だ。



水曜日, 9月 18, 2013

江戸末期から明治初期にかけての幕府及び政府管轄の鉄山つまり鉄鉱石採掘の山を回る歴史的秘話である。場所は、現群馬県甘楽郡下仁田町中小坂を中心に南牧村の砥沢の砥石やら官営富岡製糸場などと随所に地名が出没する。鉄山という歴史的場所を無味乾燥に終わらせない作者の工夫は面白く辺境の歴史的史実を確認することができる。


歴史と科学とサスペンスを融合させたスケールの大きな推理小説だ。この域を逸脱している感さえある。マギの聖骨を回る知力と戦闘は、ダン・ブラウンを凌ぐ傑作である。非常に面白く読んだ。


金曜日, 5月 10, 2013


警察推理小説といったとことか。この手のミステリーは、自分はあまり面白みを過去感じない。2013年本屋大賞第2位ということで手に取った。650ページにも及ぶ長編小説だ。ある誘拐事件を中心にD県警の警察組織及びそこで働く署員の人間模様を描写する。実に細かな描写だが、物語の展開は遅く読み終わってみるとなんだ?というような感想だった。


月曜日, 5月 06, 2013



イノベーションによる革命が起きる条件とはやはり歴史的時代背景そして全く新しいツールが必要だ。1950年代から始まった情報時代そして90年代のWeb時代の到来は革命だった。しかし産業革命つまり第三次産業革命ではないと著者は言う。それはパーソナル・マニファクチャリングとデジタル・マニファクチャリングが一体となって初めて起こるメイカ―ムーブメントこれこそが、第三次産業革命だと。産業の民主化によって新たな革命がもたらすもの、そこにはデジタルツール例えばCADソフトウェアそして3Dプリンターによって個人がイノベーションそして産業をも牽引する全く新しい産業を興す可能性が出現した。またその資金調達には、新たにクラウドファウンディングという手法も注目すべき方法だ。すでに米国では、製造業の本国への回帰が始まっていると言われ、多様化する製品を安価に提供する方法としてコミュニティー、クラウドファウンディングを生かした新たな製造手法は、今後世界を変えていく可能性がある。



月曜日, 4月 15, 2013


主人公多崎つくるの高校時代の友人4名と親しくした日々を回想しながら、彼の人生のそこはかとなく感ずる寂寥感、無力感・孤独そして絶望と魂の遍歴つまり巡礼が主題である。ある日突然突きつけられた友人達からの離縁、決別は三十数歳の今現在彼の心の底流に淀む暗い過去その原因を現在の彼女から調査した方が良いという意見で巡礼が始まる。物語の展開の微妙さは読者は惹きつけあっという間に読み終わってしまった。胸が熱くなりそうな不思議な読後感であった。


水曜日, 11月 07, 2012


第58回江戸川乱歩賞受賞作だと。奇抜な発想とドストエフスキーの名著の続編ミステリーとしてのこの物語は正に秀逸で、もしドストエフスキーが生きていたら納得したかもしれない。「サトリ」やディーヴァーの「007」と比較しても抜きん出て面白いし、「カラマーゾフの兄弟」から類推できる展開も見事だ。


日曜日, 11月 04, 2012


ディーヴァー最新作だ。リンカーン・ライムやキャサリン・ダンスシリーズで無く単発ものだ。過去2、3冊もそうだが、今回も上々の出来だ。ウィスコンシン州の田舎ケルシャ郡の保安官補ブリン・マッケンジーが出会う殺人事件が端緒だ。ミシェルという事件に居合わせた生き残りの女性を連れて森の中を犯人から逃れるべく逃亡する。一昼夜の出来事を400ページも割いて表現するディーヴァーの手腕は流石だ。リンカーンシリーズみたいなどんでん返しやローラコースター的な結末はないが、これはこれでほっとした気分にさせてくれる。


日曜日, 10月 28, 2012


お馴染みのリンカーン・ライムシリーズの最新作だ。ライムからアメリア・サックス、プラスキー、セリット、キャサリン・ダンス、パーカー・キンケイド等々オールキャストの出演だ。ニューヨークで起きた、電力会社の施設の電気、電力を使ったアークフラッシュと呼ばれる感電による殺人事件に端を発して次々と起こる連続感電による殺人事件を捜査する科学捜査官ライムのチームが犯人を追う。期待通りの出来栄えだと思う。2系統の殺人事件が最後に一つになり、取り逃がしたウォッチメーカーに辿り着くという予想外の展開は、ディーヴァーならではのものだ。最後には四肢麻痺患者のライムが、手術を受けるという決心をするに至る。今後の作品に期待したい。

毛沢東率いる文化大革命から小平の改革開放運動に経て現在の中国があるが、共産主義体制化での資本主義的経済の導入はそもそも砂上の楼閣だ。私的所有を認めず全て国家に帰属する社会主義体制下での経済統制は、政府と共産党で行う。資産の総額で貨幣の流通量を決定するという資本主義経済と違った統制は、経済が順調に拡大していく間は良いが、一端下降に向かい8億人とも言われる下層人民が飢えるような事態に陥った場合は、暴動が起こり政府、共産党政権は転覆の憂き目に会うだろうと。そのチャイナリスクをどうリスクヘッジするか、日本国家及び日本人の我々が問われている。


月曜日, 10月 22, 2012


幕府や朝廷の御用達として京都御三家の一家後藤家は、金細工を一手に引き受ける名門で働く庄三郎の生涯の物語である。時は信長亡き後秀吉の時代の京都を中心に金座を預かり黄金の小判を鋳造する後藤家庄三郎は俄かに戦乱の空気が漂う中家康に重用され側近として家康とともに黄金を採掘し江戸に金座を開設し小判を作る差し詰め現代でいう日本銀行で庄三郎は総裁といったところだ。大御所家康の忠勤するその生きざまはサラリーマンの見本といったところだ。


17世紀前半1628年光圀は誕生する。徳川頼房の三男として誕生し直ぐ上の兄は夭逝する。幼名を子龍として幼少年期を送るが、兄がいるにも拘わらず世子として水戸藩を継ぐことに生涯に渡り心の中の一点の曇りを抱いて生きてゆくことになる。義を重んじ義に生きる生涯は、幼少期の兄を差し置いて世子として家督を継ぐこの一点にあった。文武に長け、学者肌の光圀は史書の編纂に生涯を賭けることになる。詩や歌さらに明からの亡命者を師として様々な知識を取込み晩年は水戸の黄門様として徳川綱吉を補佐してゆく。今に残る水戸藩江戸藩邸は、小石川後楽園として存在する。

水曜日, 10月 10, 2012


16世紀半ば、舞台は上州は上野国(現群馬県)地元を舞台にした時代小説で近隣の地名があちこち出てきて楽しく、こんなにも城があったのかと驚かされた。上州西部にあった箕輪城主長野信濃守業政(なりまさ)の物語である。甲斐の武田晴信(後の信玄)に度々来襲を受けその度に知恵を尽くして箕輪城を守り抜いた武将業政の上州人としての気骨・気質は読者に清涼感を齎してくれる。



戦国時代を駆け抜けた武将である藤堂高虎の物語である。戦(いくさ)の度に槍を持ちパートタイマー戦士として働いていた高虎だったが、主君に恵まれず数度替え遂に秀吉の弟秀長に仕えることになった。秀長は算術に長け秀吉の戦の裏方として兵糧から銭までを一手に取り仕切っていた。そんな主の元で槍だけでは駄目だと悟り徐々に城造り・土木技術を身につけスペシャリストとして成長してゆく。秀吉に重用されまた晩年はゼネラリストとして家康に絶対的信頼を築く生き様は現代のサラリーマンや中小企業経営者のバイブル的な面白さがあり上下巻合わせて1500頁にも及ぶ長編時代小説ながら一気に読み通せる魅力がある。高虎が語る言葉がまた生き様は現代に生ける我々の身に迫るものがある。


日曜日, 9月 02, 2012

いよいよ、最終巻だ。江戸から明治そして大正・昭和の第二次世界大戦までの社会の歴史だ。読み進めて行く中で、明治時代が現代社会の基礎を作っているという認識だ。明治を少し読んでみようかと思う。



金曜日, 8月 31, 2012

経済学上では、欠かせないというゲーム理論を平易な説明で解説した本書は面白い。我々が生ける現代社会は、様々な人の行動や思惑が交差し互いの利害を決定する環境を戦略的環境という。この戦略的環境下で生活していることを認識し合理的に行動すべく意思決定することが、つまり戦略的思考であり、様々な意思決定の結果を分析することを戦略的分析と呼ぶと著者は言う。この分析や思考の中でのキーワードとして、著者はまず「インセンティブ」を挙げる。個人がある行動を起こす時、何らかの理由があるがその理由がインセンティブだと。次にコミット(確約)やその内容としてのコミットメントや、シグナリングさらにモラル・ハザードと戦略的思考に欠かせないこれら用語を身の回りの例を揚げなら解説して非常に興味深く読んだ。

月曜日, 8月 20, 2012

10世紀から14世紀前半の歴史だ。地方豪族が組織化され、京都を中心とする天皇と鎌倉幕府の対立と目まぐるしくダイナミックに変遷する歴史は面白い。13世紀末には、貨幣経済も発達して行く。こうした中、仏教や京都を中心として職人が組織され様々な技巧が発達し現在まで至っている。



日曜日, 8月 19, 2012

20世紀の歴史の中で、各国の思惑とりわけ西欧列強とロシア・アメリカの世界戦略の根底として地政学(ジオポリティクス)が果たした役割は大きいという。特に第二次世界大戦におけるナチスドイツ・日本帝国主義の地政学的思想の欠如が敗戦を招いたとも。シーパワーに対しての洞察が無かった。しかして今日時代は進み、宇宙を巻き込んだレベルでの地政学が求められる。ハウスホーファー、マッキンダ―理論はもはや古典的になった感がある。



ジェフリー・ディーヴァー著「007 白紙委任状」を読んで。

暫く、ブログを更新することがなかった。だだし読書は電車の中、ホテル等でしていた。J・ディーヴァーによるリメイク版007だ。少し冗長な感は否めない。ハラハラドキドキ感は最後にやってくる。やはり、ディーヴァー著者のローラーコースター的展開はいつ読んでも面白い。



木曜日, 5月 10, 2012


三浦しをん著「舟を編む」を読んで。
玄武書房に勤務する青年馬締を中心に国語辞典「大渡海」を編纂する物語だ。2012年本屋大賞受賞作品である。辞典編纂を通して「言葉」が人と人を繋ぎ、辞書作りに人生を賭ける人々の何とも温かな小説だ。

火曜日, 5月 08, 2012


宮沢やすみ監修「京都とっておき和菓子散歩」を読んで。
和菓子好きが高じて、遂に京都へと。あまた老舗の和菓子、京都を訪れる度に立ち寄り買う。先月末は、二条駿河屋さんに立ち寄り秀吉が褒めたといわれる羊羹は薄紅色したしっかりした食感で甘さは控え目だった。また松露はお茶受けだそうで半生菓子で小さなキノコの形をしていて中に餡が入っている。表題の書は、老舗の和菓子を求めての散歩をその歴史とともに紹介している。