土曜日, 5月 29, 2021

エラリー・クイーン著「オランダ靴の秘密」、ある富豪の老婦人が病院のベッドの上で絞殺された、クイーン警視親子は現場に立ち会い検証するが、恐ろしっく手の込んだ殺人事件で一向に成果が上がらぬまま時は過ぎた。その後第二に殺人事件が発生、医師が殺害された。エラリーの頭脳が急転直下の勢いで働き、遂に犯人特定に漕ぎつけた。緻密な伏線と舞台が病院という特赦な場所での殺人事件を思うとプロットが完璧でやはり古典的本格ミステリーの一品だ。
エラリー・クイーン著「エラリー・クイーンの冒険」、クイーン自身が推薦する珠玉の11編の短編集である。どの物語も緻密な伏線を用意し名探偵エラリー・クイーンが見事に解決する傑作ミステリーた。様々なシュチュエーションを用意し読者を楽しませてくれ、クイーンとの対決しながら読み進める楽しさこれに尽きる。
エラリー・クイーン著「フランス白粉の秘密」、デパートのショーウィンドウから発見されたデパートのオーナーの夫人を回り、様々な伏線を用意し、クイーン警視とその息子エラリーの頭脳が回転し解決へ向かう。緻密な伏線を至る所に配置し読者に犯人特定に向け挑戦する本書は本格ミステリーの古典的名作だ。
エラリー・クイーン著「Xの悲劇」、1930年代初頭に上梓されたというこの作品の緻密さには驚嘆させられる。各章に暗示される幾つもの伏線その伏線の組み合わせから推理される事象、主人公ドルリー・レーン氏の卓越した頭脳は遺憾なく発揮され事件の核心へと迫る。まさにミステリーの古典であり一時代を画した作品である。
岡島二人著「クラインの壺」、SF的世界とミステリーを融合し複雑な伏線を用意し読者を翻弄するそんな物語だ。しかも1988年に上梓されたということから作者のSF的発想の素晴らしさに正に驚嘆するしかない。今でこそ現実と仮想、バーチャルとリアルが様々な場面で取り上げられるがMSDOS最盛期にこの発想をしていたとは感服である。
カルロス・ルイス・サフォン著「風の影 下」、スペイン内戦の悲惨な歴史を背景にパリからもどったフリアン・カラックスを待っていたのは愛しい女性の死だった。しかも彼女はフリアンと兄弟だという。ダニエルを中心として関連する人物と背景と歴史の中で右往左往する市民、幾つもの伏線を用意してその中を行ったり来たりする正に本格ミステリーといえる名著だ。
カルロス・ルイス・サフォン著「風の影 上」、1930年代のスペインはバルセロナが舞台、古書店を営む父と共同で仕事をするダニエル少年は、ある日本の墓場と呼称される館で一冊の本に巡り合う著者はフリアン・カラックス彼少年は人生を変える程の感動を胸にし、フリアン・カラックスについて探索しようと思い立ち、その著者に関連する人物・場所を訪れる。
円居挽著「丸太町ルヴォワール」、京都を舞台にしたヴァーチャルなミステリーとでもいおうか、祖父が殺害され古の疑似裁判双龍会に搭乗する龍師と呼称する関係者が論を戦わせ真相に迫るという物語だ。名探偵がいるわけでもなく殺害のトリックも複雑な伏線も無いあるのは叙述トリックのみで展開する異色なミステリーだ。
エラリー・クイーン著「Yの悲劇」、事件はニューヨーク湾口から溺死体が発見されたところから始まる。死体の人物は富豪のヨーク・ハッターであった。これを契機にハッター家で次々と殺人事件が発生するサム警部らに招聘されドルリー・レーンが事件に関与するが、一向に進展せず最終盤に至ってレーンはこの事件から手を引くといってハムレット荘に帰ってしまった。その後サム警部とブルーノ判事がハムレット荘を訪れレーンから聞いた犯人は正に驚愕すべき事実であった。緻密なプロットと配置する伏線の妙といい当に古典的名著と呼ぶに相応しい推理小説だ。
岡島二人著「そして扉が閉ざされた」、別荘の物置の地下3mの所に埋設された核シェルターに男女4名が幽閉された。咲子という女性を回る殺人事件を探るべく彼女の母親がシェルターに犯人と思われる4人を閉じ込め、4人の会話の内容をテープレコーダー収録して警察に提出すると考えた策であった。4人はシェルターの中で互いに犯人の行方を語り合い互いを中傷する。堂々巡りの意見が飛び交い一行に犯人捜しは進まない。その男性の1人雄一が全てを解明した自分が咲子を殺したことになった偶然からの出来事だったと。

木曜日, 4月 29, 2021

島田荘司著「異邦の騎士」、目覚めたら公園のベンチの上だった。駐車したと思える車は見つからず完全に意識外につまり記憶が飛んだ。彼は名前もわからずじまいでいたが、ある女性良子と同棲を始めた。記憶障害には人知れず悩んだが良子によって齎される情報に振り回され、そんな時に占命判断という看板から御手洗潔という人物と親しくなった。彼は悍ましい殺人計画の中に組み込まれ代理殺人者に仕立てられつつあった。それを救ったのは例の御手洗だった。どんでん返し的ミステリーで読み応え十分である。
柚木裕子著「最後の証人」、クリニックを営む高瀬光治は、妻美津子と卓の3人である。ある日雨の夜塾からの帰り交通事故に遭いそのまま帰らぬ人なった。一人息子を失った家族の悲しみは天井知らず、妻の美津子は呆けたようになった。加害者の建設会社社長の嶋津は、詫びを入れるでもなく卓の友人の話によれば猛スピードで歩道に突っ込んできてなおかつ加害者は酒の匂いがしたという。不調を訴える妻を大学病院に行かせ検査をした結果癌だと判明し余命は一年だという。夫婦の加害者殺害の計画が遂行され遂に裁判を迎えた。
伊藤祐靖著「邦人奪還」、北朝鮮の拉致被害者6名を奪還すべく、特殊部隊員が潜水艦と軍用ヘリを駆使して北朝鮮領土に侵入し奪還するこの計画が政府に持ち上がり自衛隊員をして救出作戦を実行することに決定した。特戦部隊軍が侵攻を決行した。20数名の犠牲者を出しながらも見事に救出した。緊迫した作戦の筆力、右往左往する政府要人さらに自衛隊幹部の狼狽と保身、国家として果たすべき責任、飛び交うインテリジェンス大国の容赦ない恫喝全てが行き交う中で実行した救出作戦だった。
ウィリアム・ケント・クルーガー著「ありふれた祈り」、米国はミネソタ州の片田舎町に暮らすドラム家、長女アリエル長男フランクそして末っ子のジェイク一家の父ネイサンは牧師であり、母のルースは芸術家肌である。ある日アリエルが殺害され川に置き去りにされた、フランクは犯人を捜すべく調査するが一向に見つからない。隣人のブラント家には勝手母の恋人であって盲目のエミールそして娘のリーゼ、エミールの伝記をタイプしていたアリエル、彼女は次第にエミールに愛情を持ち一夜を共にして妊娠してしまう。そして殺害された。犯人はリーゼだった。牧歌的な雰囲気の描写の中に敬虔な家族の生活、その根底にミステリーが含まれ抒情的な物語だ。
池井戸潤著「アルルカンと道化師」、東京銀行大阪西支店の融資課長の半沢直樹は、担当区域の仙波工藝社から融資を依頼され本部に挙げるが、担保の無いことから却下され途方に暮れる。そんな折に本社も推進するM&Aをジャッカルという会社から仙波工藝社に買収提案を持ち出した西支店の部長らと半沢は戦わざるを得なくなった。しかしある絵画アルルカンとピエロを回り様々な駆け引きを探りあて遂に半沢の倍返しが炸裂した。
山崎豊子著「沈まぬ太陽 五」、御巣鷹山での大惨事を引き起こした国民航空社内は、新労組で役員に引き上げられためいめいは社内での不正蓄財を重ねさらに政治家及び各部門の官僚とも不正行為をこれでもかと続けていた。ナショナルフラグシップを標榜する国民航空は巨大な巣窟となって520名を喪失した事故の反省もなく不正を繰り返した。財界から就任した国見会長も辞表を出す段になりそして恩地もまたアフリカナイロビへの出向を命じられた。巨悪と戦い疲れ果て人生の無常を感じる恩地の行く先を憂える最後の章であった。
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浦賀和宏著「眠りの牢獄」、二つの出来事が、物語として進行して行く。どこと言って普通の青春小説だ。だが物語が進展してゆくに従って殺人事件が発生し知らない相手同士の殺人教唆そして実行される。一人の女性の階段からの墜落事故で病床に横たわる原因犯人を囲って地下室の閉じ込められた3人の男性の血おもって凄惨な様相と最後になってドンで返しの結末。複数の伏線を用意周到に前もって提示したミステリーに新鮮さを覚えた。
山崎豊子著「沈まぬ太陽 四」、御巣鷹山に激突大破したジャンボ機123便の事故を教訓として、国見会長は会長室を作り各部署から選りすぐりの社員を配置したその中に恩地も抜擢され室の部長待遇となって10余年盥回しで僻地への赴任を漸く回避できた。会長国見の絶対安全、労使協調のスローガンは遅々として進まず、社内の管理職の汚職ピンハネが横行し改めて恩地に撲滅への決意を促すのだった。
山崎豊子著「沈まぬ太陽 三」,本社勤務となった恩地だったが、閑職に着き日々を送る毎日だったが、ある日それも創立35周年の祝いの途中、国民航空にとって最悪な事態が発生した。ジャンボ機ボーイング747が群馬県上野村の御巣鷹山の尾根に激突し520名もの尊い命が失われた。航空事故を回り騒然となり御巣鷹の尾根は遺体回収のため、群馬県警は元より自衛隊、国民航空社員でごった返し遺体は藤岡市の体育館に収納され遠方より駆けつけた遺族によって身元確認が行われた。49日を過ぎた頃より補償交渉の任に着いた恩地だったが事故の犠牲者は元より家族家庭をも崩壊させた事故の重大さと責任を痛感する事態であった。
京極夏彦著「ヒトでなし」,子供を殺害され、離婚され職を失い放浪を続ける慎吾、そこで境遇に気づいた「ヒトでなし」と自分は生きても良いが死んでもいい何にも拘りを持たずただ死ねないから生きている。世の中の全ての想念を捨てヒトでなしとなった。友人の部屋で殺人事件に遭遇する部屋主の祖父のお寺に逃げ込んだ。そして遺体を埋める。殺人に対しても何ら感想はない殺したければ、殺せばいい。死にたければ死ねばいい。まさにこの無情感コソが生きるということなのか。
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