仏教と現代との関わり、はたまた現代の殺伐とした多くの事件が発生する状況下での仏教の役割といったものがあるとすれば、何なのか?について著者の率直な心情を著わした書である。私が興味を持つのは、日本あるいは日本人の自然との係わりである。中国から伝来して以来、日本人の自然観の中に昇華した仏教は、私たちの生活の隅々まで浸透している。また「神仏混淆」など当たり前、田舎のどの家にも仏壇と神棚はある状況である。このいい加減さこそ「日本人」であると思う。がしかし世界の人々に理解してもらうのは、正直難しい。小動物から草木にまで命があるという、日本人にとってごく当たり前の考えが、グローバルスタンダードになり得ない「もどかしさ」を常々感じる。
0 件のコメント:
コメントを投稿