吉川英治著「親鸞 二」、範円の求道の悩みは深く己が道を極めるために心血を注ぐ修行を繰り返しは見たものの欲を捨てきれず悩みは一層深いものになっていったのである。そんな折に縁あって法然との邂逅が範円の求道を決することになる。彼は決心して月輪卿の末娘、玉日姫を娶る決心をする。新妻を草庵に残してまでも修行する善信(範円)が住まいに帰ってみると叡山との深刻な対立が起きており、師法然への禍を心配する姿が印象的だ。他力念仏を主眼とする法然一派吉水禅房、明恵上人の唱える菩提心、さらに叡山、興福寺の念仏に対する批判は朝廷までに上った。
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