ヘニング・マンケル著「ファイアウォール 下」、捜査は遅々として進まず事件の関連繋がりと核心が見えてこない。IT技術により捜査は一段と進化し、ヴァランダーのような旧態依然とした捜査官は役立たずとなっていく、そんな孤独を感じ自分に自信が持てなくなり疎外感を感ずる毎日だ。ティネスが死亡した事で、彼の借りているアパートで見つかったのは一台のパソコンだった。厳重に管理されたパソコンに入込むこともできない、そしてモディーンというハッカー少年を見つけ彼の手腕に期待する。そこで朧に解明されたことは20日に何かが起こるしかも関連する情報からすると金に絡んだことだと。そしてアンゴラ来た犯人が登場し刑事ヴァランダーが射殺する。スウェーデン社会の暗い部分、貧富の格差と就職難そして連帯が途絶えて孤立化し孤独と絶望感が犇めく状況を憂えている作者の洞察力の深さを感じる。
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