松本清張著「逃亡 上」、江戸で罪で牢に入れられた源次は、ある晩江戸の大火で牢にまで火が及ぶ寸前で出せれ翌日回向院の庭に参集するように言いつけられたが、妖艶な女を助けた為回向院の参集に間に合わなかった。再度縄を打たれたが、番屋の老父卯吉に縄を解かれ逃亡した。だが空腹に耐えられず一軒の家の台所に忍び込み釜から手掬いで飯を食っているところを運悪く見つかり、その家にお世話になることになる。錺師の家だった、ある晩布団の中で聞いた槌の音にキズキ聞き耳を立てたが深追いできなかった。その錺師の家に居着いた源次は次女お蝶と懇ろになり棟梁の配慮もあり錺師の家を二人で逃亡する。思い余って一軒の襤褸屋に入った二人はその家が卯吉の家と解り匿ってもらい、お蝶は卯吉の紹介で松葉屋という小料理屋に務めることになった。松葉屋は下谷の岡っ引き梅三郎の妾お米が女将をする店だった。お蝶は引く手あまたとなり梅三郎もお蝶を何とかしようと目論むが、お蝶は逃れて大川に身を投げた。
0 件のコメント:
コメントを投稿