松本清張著「聖獣配列 上」,銀座のバーのマダム中上可南子は、数年前米国銀員と二夜を共にした経験がある、今回その議員バートンは米国大統領となっていた。日本の議員の仲介で再度バートンを一夜の閨を共にした可南子は迎賓館で偶々廊下を数人で歩く人たちを写真に収めた。これが日米首脳の秘密会談だと後から知ったが、フィルムの空き函をホテルの部屋の屑入れに捨てたのを気付かなかったことが、可南子の身に次々と起こる災厄、彼女は決心してこの秘密のネガを建てに大統領の側近を強請りに掛けた。そしてロンドンで150万ドルで合意し側近夫妻と共にスイスベルンに向かい無事前渡し金50万ドルをスイスの個人銀行に預金した。