藤原伊織著「テロリストのパラソル」、70年代大学紛争全盛の時代に全共闘を戦った主人公菊池と親友桑野、その後の人生を辿りながら物語は進展してゆく。アル中の菊池は当時の犯罪歴から島野と名を変え場末で小さなバーでバーテンをして孤高を凌いでいた。ある日何時もの日課で新宿中央公園に散歩に出掛け、バンダン事件に遭遇そして巻き込まれ死んだ中にかっての恋人の名前があった。バーを閉め一人犯人に立ち向かう。様々な過去を背負い生きてゆく人たちの孤独と携える懊悩プロットといい背景といい計算されたシュツエーションに感動。乱歩賞受賞作品は実に面白い。
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