高田郁著「あきない世傳金と銀 十一」、五十鈴屋店主の幸が考案した浴衣は予想外に売れに売れた。江戸では大火が続き庶民はそれこそ苦労の連続であった、音羽屋に嫁いだ妹の結との仲も荒んだ状態のままだった。一緒に住む菊英の簪商売もようやっと日の目を見る段になって幸は安堵した。そんな折太物商売仲間に幸が提案したのは浴衣地を仲間の店でも商売したらというものだった。それから相撲に関わる者が五十鈴屋を訪ね勧進大相撲の初日に力士に染め抜きの浴衣を着せたいとの申し出があり苦労して何とか間に合わせ、太物商仲間と共に売り出したところ好評で全て売り切るという事態になり仲間は幸に対しての恩を忘れず呉服も扱える許可を貰おうと提案してくれた。
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