火曜日, 6月 20, 2006

土門拳 古寺を訪ねて 土門拳著 を読んで。

「奈良西ノ京から室生へ」が副題である古寺巡礼シリーズ。生涯何度となく、訪問した女人高野室生寺の登場である。室生川を始めこの村落の人々のふれあいの中での撮影紀行は、土門の人となりを忍ばせる暖かい描写が随所に書かれている。それにしても、雪の中の室生寺を撮りたいと近くに病院に入院してまで待つ土門の根性と気迫は多分鬼気迫るものがあったに違いない。石段から俯瞰する室生寺は、その写真から屋根の雪、石段沿いの笹につもる雪と凛とした張り詰めた空気を見事に再現していると思う。

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