日曜日, 4月 29, 2018

笹本凌平著「還るべき場所」、登山を通して人間の根源的な愛を描いた長編小説だ。ミステリー部分は多少はあるが、所謂人間小説だ。ヒマラヤK2を目指して公募登山を実施したコンコルディアツアーに応募した初心者を同伴し登攀に賭ける熾烈な状況を想像しながら読める。臨場感は凄いものがある。刻々と変化する天候8000mにも及ぶ高度での酸素の欠乏と疲労と戦いながら登攀を目指す登山者の姿がリアルで極限状況での人間の愛、人生を見事に描いている。

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