火曜日, 8月 02, 2022
宇佐美まこと著「愚者の毒」、「武蔵野陰影」
妹の商売が傾き謝金を背負い家に火を付け夫婦は死んだ。姉の葉子は妹の借金を背負い途方に暮れていた、しかも障害がある甥っ子達也を連れてである。ハローワークで知り合った希美の紹介で中学教師を定年退職した難波家にお手伝いとして就職できた。当主の先生は心も広く、息子も達也に懐いてくれている。ある日達也とキャンプに出掛けている日、先生が狭心症で死亡した、葉子は先生の死を他殺疑ったが。。。
「筑豊挽歌」
筑豊地方の探鉱が廃校になって一酸化炭素中毒患者となった父を抱えて3人の兄弟と生きる希美、これ以上ない貧乏生活の中、母が家出した。父は高利貸しが母を寝取ったと息まき暴れる毎日だ。これ以上我慢できない希美は隣人のユウに相談し父の殺害計画を立てユウが実行した。希美の父と高利貸しの竹丈二人を殺害して奪った金を持って筑豊から逃げた。殺人を犯した過去に苛み暮らし続ける希美の前に再び殺人を犯さざるを得ない状況に入り込み自分の人生の宿命を自覚せずにはいられない。過去から逃げられない人生を描く暗いミステリーだ。
「伊豆溟海」
最終章として伊豆の高級老人ホームに居を移した希美が回想する。難波家に移り住み日々難なく過ごしたある日、筑豊で出会ったヌケガラと遭遇ししかも弁護士として、それからは彼によってすべてが拘束され悲惨な日々を強いられる毎日が続いた。ユウは今はユキオとなって難波家の会社ナンバテックの社長となっている、ユキオとの縁が切れないでいる希美はある日ユキオが悪徳弁護士の車ベンツに細工して死亡させた。作者の伏線はまだまだ続く最後には夫の死、しかもあの達也が、どんでん返し的結末だった。
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