貴志祐介著「硝子のハンマー」、上場を目前に控えた介護ビジネスの会社のマンションの最上階の一室で発生した殺人事件、社長の穎原が殺害された。浮上した犯人は専務で長年大番頭さながらに粉骨砕身仕えた久永だった。つまり密室トリックが完璧で社長室への侵入の是非だけでの結論だった。弁護に当たった青砥純子は防犯コンサルでもあり探偵の榎本径を起用し捜査と密室解明に当たる。様々な人物、そして現場の状況の精査と確認がなされた、最後の倒叙部分の犯人像の記述により作者自ら密室のカラクリを明かしていく手法は明快で十二分に楽しめるこれぞミステリーだと感ずる。
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