水曜日, 12月 31, 2008

シドニー・シェルダン著「女医」を読んで。

立て続けに長編小説を読破した。J・ディーヴァー「スリーピング・ドール」そしてシェルダン「女医」である。両著あわせて1300ページにのぼる。ミステリー作家としても著名な両人でるがミステリーの組み立て方に違いがある。漠然としているが、ディーヴァーの科学的な緻密性とは対象的にシェルダンは小説家的である。殺人犯を追い詰めてゆく過程からして両者の違いは明白で、次から次へとローラコースター的展開をみせるディーヴァーとは違いシェルダンはゆっくりとした展開を見せる。十年も前になろうか。ある南アフリカから世界を旅する美人英語教師とであった。その教師の家つまり南アフリカの実家であるが、シェルダンが立ち寄るという話を聞いた。「女医」については、3人の医師が研修医としてサンフランシスコの群立エンバーカデロ病院に勤務することから物語は始まる。ペイジ、キャット、ハニー3人の医師と病院医師との関わりを中心に展開し、最後にキャットは殺され、主人公であるペイジも殺人容疑で裁判となってしまう。日ごろ憎しみを感じたバーカー医師が、最後に証言し裁判は無効となる。。
今日は12月31日夜11時30分になろとしている。今年一年本当に忙しく飛び回っていて読書の時間もなかなか取れない状況であった。
来る2009年はどんな年になるのであろうか。

火曜日, 12月 30, 2008

ジェフリー・ディーヴァー著「スリーピング・ドール」を読んで。

久々の新作だ。J・ディーヴァーは裏切らない、がしかし前半部分は人物と背景及び人間嘘発見器と称される「キネシクス」なる解説等々、退屈な描写の連続だ。「ウォッチメーカー」でリンカーン・ライム及びアメリア・サックスと共同捜査を行ったカルフォニア州郡警察CBIのキネシクス専門官であるキャサリン・ダンスが主人公である。ある日州の刑務所から1人が脱獄する。ダニエル・ペル脱獄犯を主人公ダンスが捜査指揮を務め徐々に犯人を追い詰めていく。犯人はカルト的性質を持つ、異常人格者だ。カルフォニア州モントレー半島を舞台に展開する、心理作戦において終にペルを追い詰めた。捜査の初期段階でFBIのカルト集団専門捜査官ケロッグとの共同捜査の中で、ダンスは夫の交通事故死以来2人目の男性として恋心を抱く。ディーヴァーは言う「私たち人間はいかにもろい存在であることか。人は一人きりでは生きられない。だったら、その誰かに頼りたい気持ちを、一緒にいて楽しい人物、夜遅くその体にそっと寄り添いたいと思えるような人物、自分を笑わせてくれる人物で埋めてもいいのではないか。希望を持ち続けてもいいのではないか。きっといいことがあると期待してもいいのでないか。」そしてJ・ディーヴァーは裏切らなかった。ローラコースター的展開と最後の最後での逆転劇、FBI捜査官ケロッグがペルを殺した。。

金曜日, 11月 28, 2008

茂木健一郎著「思考の補助線」を読んで。

筑摩書房のPR紙に2年間に渡り連載したエッセイを纏めたものであるという。著者はテレビでおなじみの脳科学者である。脳科学者となる経緯と「世界を引き受ける」という知的野望を持ち様々な事象に対して真摯に対決する姿勢が面白い、物理学に始まり宗教学までの広範囲な洞察は、作者の苦悩と知的好奇心それは作者の知の遍歴とも人生とも共通するものがあると思う。この本の中で学ぶべきことは、考えるということ、それは人間に与えられた唯一の快楽であり力となるものだ。

シドニー・シェルダン著「天使の自立上下巻」を読んで。

離婚した弁護士である父親の下で暮らした少女ジェニファー・パーカーは、父の死後ニューヨーックへ、後の数奇な恋愛を交えた運命は読者を引き込み著者の器の大きさを物語っている。ニューヨーックを取り仕切るマフィアの親分後に大統領となる弁護士とそれぞれの恋愛の機微を作者は女性作家なみに実に細やかに描写しているのに驚嘆する。上下巻合わせて800頁にものぼる長編大作であるが次々と頁を捲りたくなる面白さはシェルダンならではであると感ずる。

土曜日, 11月 01, 2008

金子勝著「世界金融危機」を読んで。

著者は日曜のTBSの番組の経済コメンテイターとして著名である。著者がマルクス経済学者とは知らなかった。本書は岩波書店の雑誌「世界」の連載記事を1冊に纏めたものであるという。
世界金融危機(グローバル・ファイナンシャル・クライシス)の原因は、主に一般報道されている米国の低所得者層向け住宅ローンであるサブプライム問題だとされている。回収が困難なローンを債権化して銀行にばら撒いた結果として不良債権がどのくらい有るかも把握できないという状況に陥っているのが現状だ。金融工学とは複雑な計算を駆使し結果として予め回収不能と解っている債権を如何に販売するかという手法のように思える。米国型金融資本主義の崩壊は同時に米ドルのヘゲモニーの失墜を意味し、追従型の日本資本主義もまた同様な結果としてしか映らない。追従の典型として、小泉・竹中路線があった。

土曜日, 10月 18, 2008

シドニィ・シェルダン著「陰謀の日」を読んで。

オーストラリア、ケアンズから帰ってきて風邪を引き中々なおらない。この本の主人公であるロバート・ベラミーは米国海軍情報局の中佐である。主に諜報業務を受け持つこの機関はベトナム戦争でも活躍していた。ロバート中佐にある日、極秘に上司ヒリヤード将軍から命令が下る。スイスにUFOが墜落しそこの現場を見た者全員の居場所を探るというものだ。バスに乗り合わせた7人について、ロバート中佐の諜報活動が開始される。スイス、イタリア、モスクワ・・と世界中を飛び回り、次々とUFOに遭遇した人物を本部に知らせて行く。最後の一人を発見したところで、彼は今まで報告した人物全員が殺害されていることに気づく。結末は意外な展開を魅せる。この本はかなり面白い私の評価では星5つである。

シドニィ・シェルダン著「空が落ちる」を読んで。

久しぶりにシェルダンの著作を読む。この本の主人公は、ダナ・エバンス彼女は著名なテレビWYNのニュースキャスターである。サラエボ内線取材中に両親を亡くしたケマルという少年の身元引受人としてワシントンに連れて来た。取材が切掛けで著名な一家ウィンスロープ家の殺人に遭遇する。取材を進めて行く内に一家5人が死亡したとの事実に遭遇する。イタリア、スイス、ロシアと世界を駆け巡りダナは、その謎を追求してゆく。
ディーバーとの比較で読んでみると物語の筋は甲乙つけがたく面白い事件は世界中を駆け巡る意味では、旅行好きな私にとってシェルダンは魅力である。最後の詰めがシェルダンは甘い。ローラコースター的な急展開、逆転につぐ逆転という発送はない。


水曜日, 10月 08, 2008

デイビッド・アーモンド著「闇の底のシルキー」を読んで

過去の炭鉱の村ストーニゲイト村引っ越してきた少年キットと少年の家族なかんずく、炭鉱で働いたことのあるおじーちゃん、そして少年の学友のアスキューらが織り成す冒険、廃鉱の中で繰り広げる「死」のゲームなど。読んでいて、昔少年時代神社の上手の廃鉱の洞穴に仲間と蝋燭を片手に腹ばいになって入り込みキメの細かな粘土を採取した記憶が鮮明に浮かび上がった。この物語には何ともいえぬ昔日の記憶を呼び起こす何かがある。秋の夕日、遅くまで戸外で遊んでいて家路に着くそこにある家の電灯の火。。。

続ケアンズ取れたて情報

観光情報を掲載していなかったので、下記に掲載する。お決まりのコースとして、キュランダとGBRに行ってきた。総じてオプショナルツアーは、現地で直接旅行会社にあたるのが安い。但し日本語のガイドが同行しない場合が多い。キュランダでは、行きはケーブルカーで帰りはレトロな列車でというツアーであった。市内各ホテルからツアー参加者をマイクロバスで1箇所に集め、そこから大型バスで現地に向かう。このとき集合場所まで1人5$のサーチャージを取るにはびっくり。GBRは、バスにてポートダグラスまで向かいそこからクイックシルバー号にのりGBRの基地へ行きはそうでもなかったが、帰りは強風で船酔い客が激増という事態になった。船酔いする方はどうか?

月曜日, 9月 29, 2008

取れたてケアンズ情報

十数年前にポートダグラスに行ってから、今回ケアンズは2回目である。前回はケアンズから約100kmの距離の小さな港町GBR(グレート・バリア・リーフ)の玄関口にあるシェラトンミラージュホテルに宿泊したが、今回はケアンズの中心街に宿泊。2008年9月21日から29日まで。
1:航空券とホテル
コンチのグアム経由ケアンズ行きのビジネスクラス航空券とマントラ・エスプラネードという市街地のコンドをチョイス。
2:ホテル
ケアンズの中心に近く非常に便利なエスプラネード通りにある「マントラ・エスプラネード」のコンドを選択家族・友人での8泊の旅には最適であった。50m先にはマクドナルド、道路の反対側には公園そしてプールホテルの裏側は「ウールワース」というスーパーマーケットという具合である。
3:スーパーマーケット
上記のウールワースを始め徒歩で10分以内にラスティーマーケットがある。この市場は地元の人々が、果物野菜を中心に買い物する場所である。またこの市場内に日本人が行うマッサージがある。お兄さんに聞いたところタイはチェンマイで学んだという。タイのトラディショナルマッサージに似たマッサージである。
4:食事
ホテルの南側には徒歩で数分のところにピアーマーケット内のシャングリラホテルの東側にある。ここの「チャオイタリアーノ」のパスタはまずまずであった。またホッグス・ブレースのオージービーフは実に旨い。ワインをボトルでオーダーして一人4000円くらいである。肉はたっぷり250gはありそう。総じてランチ、夕食ともレストランは高い。日本食ならやはりナイトマーケットの入り口近くの「祭り」であろうか。寿司、カツ丼となんでもある。
5:ゴルフ
数箇所あるが、今回はケアンズゴルフとパームパラダイスと2ラウンドした。グラハム・マーシュ設計のパームパラダイスは2回目であるが、難しい。グリーンもそこそこ良い。ケアンズゴルフは、平坦のコースであるが、グリーンは日本でいう。「スズメノカタビラ」的なボールがバウンドするようなグリーンだ。どちらも市街地より10分から20分の距離である。135ドルと105ドルであった。

ジェイン・アン・クレンツ著「迷子の大人たち」を読んで。

ケアンズのエスプラネード通りに面したマントラ・エスプラネードホテルの3階のベランダで今回読んだ。サスペンスロマンは、骨董美術商を営む主人公キャサリンと突然プールで溺れて水死する叔母の死を端緒に真相探るべく雇った自称情報分析及び紛失した骨董品の調査に当たるロスト&ファウンド社を経営するマックとの恋愛を絡めたサスペンスだ。霧の町サンフランシスコを舞台に展開する小気味良い物語と筋は著者ならではで、強い日差しのケアンズの公園の木陰で読むのに、正に丁度良いといった感じである。

火曜日, 9月 16, 2008

ジェイン・アン・クレンツ著「ガラスのかけらたち」を読んで

ガラスのコレクションを所蔵するリーブルック博物館の館長であるユージニア・スウィフトがシアトルの海辺に浮かぶ小島へコレクターが寄贈したリストを作成するべく出掛ける。同じくして探偵調査の為、島を訪れた私立探偵サイラス・コルファッククスと島の別荘へ同伴することになる。物語は島での管理人を発端に殺人事件が次々と起こってゆく。サスペンスとラブロマンスのクレンツの真骨頂とも言うべき軽快な物語の展開は、疲れた頭脳の一服の清涼剤的で電車の中で暇に任せて読むには打って付けであった。

火曜日, 9月 02, 2008

ジェイン・アン・クレンツ著「夢見の旅人」を読んで。

この本の主題として「夢」を中心に展開する。登場する主人公である女性「イザベル」明晰夢を見ることのできる希少な存在、睡眠研究センターで夢分析に没頭する彼女、経営者の突然の死により息子ランドルフに解雇される。依頼人2のちのエリスとは夢の中で既にデートをしていたと、運命的な出会いが始まる。研究センターを中心に次々と起こる殺人事件を二人は共同で解決してゆく過程で結ばれる。
「夢」をテーマにこれほどまでに、ミステリーとして完成させる著者の能力に驚くばかりである。

日曜日, 8月 31, 2008

ジェイン・アン・クレンツ著「曇り時々ラテ]を読んで。

7、8月と兎に角忙しい毎日でビジネスであちこちを飛び回る日々であった。本を読もうと思うのだが、精神的ユトリが無い。こんな月々もあるんだと思う。犬の散歩がてら、ふと空を見上げると秋の気配が青空に浮かぶ雲の形で解る。そんな中電車の中で読みかけのミステリーを読む。芸人一家でケータリング会社を営む女性デズデモーナとコンピュータセキュリティーのオタクサム・スタークとの恋愛と殺人を北米シアトルの町で繰り広げる。互いの家族を紹介しながら、また互いの会社を背景にスタークの開発したセキュリティーソフトの盗難が発生、未然に防げたもののデズデモーナの社員が冷凍車の中で殺された、そして危うく彼女も殺されるところ、スタークからの贈り物のPDAのお陰で脱出できた。。。

金曜日, 6月 20, 2008

アリス・ジョハンセン「いま炎のように」を読んで

サスペンスロマンの売れっ子作家ジョハンセンの米国原住民アパッチとの混血の少女シルヴァーとロシアの公爵ニコラスとの出会いから二人の愛が成就するまでの物語である。

ジェラルド・カーシュ「壜の中の手記」を読んで。

この本の中に人間の考えられる限りの「悪」がある。著者の豊富な人生経験、殊にプロレスラーにまでなったという異色の作家である。読んで直ぐに、江戸川乱歩がこの短編をアレンジして自分の推理小説として世に送るんではないか?と思うほど内容も多岐・異色であった。

金曜日, 5月 30, 2008

ジェイン・アン・クレンツ「誇り高き御曹司」を読んで。

女主人公プルーデンスと同じ農業開発研究基金という財団に勤務するマコードとの恋愛、ロマンスをこうも男女間の心理描写を巧みに描写できるのか。というほどだ。サスペンスを多少織り交ぜ、二人の愛の過程をどこまでも、描写する。筆者の理想とする女性像を数冊の著作の中で実感する。絶対の美女ではなくて、可愛くて、キャリアウーマンでもないが、仕事ができる。一度好かれたら、男性を惹きつけさずにはおかない、そんな女性像だ。

キャルタン・ポスキット「眠れない夜の数学の本」を読んで。

タイトルは大げさだが、漫画チックで面白い。イギリスのBBCの番組の制作など多才な仕事をこなす著者が、単位つまり長さとか時間とかの数学の根源的問題をやさしく解説した本である。

水曜日, 5月 28, 2008

スーザン・エリザベス・フィリップス「あなたがいたから」を読んで。

キャルビン・ボナーは、シカゴスターズのNFLのクォーターバックの有名な選手である。前回読んだ彼女の作品にも登場するチームであり主役だったケルヴィンも登場する。ジェーン・ダーリントンはシカゴのプリーズ研究所に勤務する素粒子物理学の教授である。15歳にして大学へ入学するといった超切れ者の34歳の女性である。あるときジェーンは、子供が欲しいと思い、自分の周りにいる人間とは違った知能指数の低い運動選手としてキャルビンを友人に紹介され、逆レイプをする。と言ったところから物語は始まる、彼ら二人が、真摯な愛に目覚めてゆくプロセスを女性作家ならではの、女性の感情の揺れや男女間の微妙な心理描写を実に丁寧に細かく描いてゆく。現代のロマンス小説はかくあるべしという一冊であった。

土曜日, 5月 24, 2008

「ズバリ図解微分積分」を読んで。

何故か数学に興味が湧いてくる今日この頃、手始めに「微分積分」遥か遠い昔やった記憶がある中で、読んでみた。部分的には理解できるが、応用できるまでの理解はほど遠い。積分は面積を求めるためにすでに古代ギリシャの時代に始まったという数学の歴史も垣間見えるこのダイジェスト的本はまずは入門書として、これから勉強していこうと思う。

金曜日, 5月 23, 2008

スーザン・E・フィリップス「湖に映る影」を読んで。

童話作家モリーとNFLのクウォーターバック、ケビンとの恋愛を中心に男女の心理的描写を巧みに表現してゆくサスペンスというよりロマンスを中心にした物語です。登場人物とシチュエーションの設定も良くできており、いわば古典的である。

ジェイン・アン・クレンツ「ささやく水」を読んで。

女主人公チャリティーと過去を引きずり小さな港町ウィスパリング・ウォーターズ・コーブで小さな雑貨店を営もうとする謎の人物エライアスとのロマンスを中心に町で起こる殺人事件を絡めて物語は進展してゆく。キャリアウーマンとして、活躍した過去から決別し小さな町で本屋を営み再出発を図ろうとするチャリティー。ビジネスの第一線から退き癒しを求め小さな幸せを求めようとする現代社会を反映する二人、著者は東洋的、禅的思想に傾倒するベジタリアン、エライアスを配置する。米国人にとって癒しとは、東洋的なのかもしれない。

木曜日, 5月 15, 2008

八木一正「小娘たちに負けないための授業」を読んで。

立て続けに、ゴルフ理論書を読んだ。著者は、物理学が専門の岩手大の教授だ。身長160cmの小柄な体で自らのゴルフ理論を実践し、250Yをかっ飛ばすと言う。新ジャイロ打法が著者の理論、小娘プロゴルファーである宮里藍、さくらちゃんを例にスウィングのメカニズムを物理理論を駆使して解説している本書は、新鮮である。体重移動、リストターン、コッキング、飛ばす秘訣は相互に関連しながら、達成されるものであると。最終章の補足で、新ジャイロ理論を実践すべくトイレットペーパーと45cmほどの棒を使って、理論をエクササイズするというのも新鮮だ。

火曜日, 5月 13, 2008

増田哲仁「ネジらない!から遠くへ飛ぶ、ピンに寄る」を読んで

CSのゴルフチャンネルに度々登場するプロゴルファー兼プロ&アマ対象のレッスンプロである。読んで見て、ゴルフって熟く難しいなーと今更思う次第だ。人間の体ってどうして頭で考える信号経路と体の神経反応とこうも違うかと。昨日の富岡GCでの私のスコアーは、前半46で後半39で全体でバーディが4つである。増田理論で、飛ぶとは考えにくい。クラブヘッドをシャローに入れ、フェイスに乗せるようなイメージとは、十数年前からゴルフ雑誌にて取り上げられていた理論だ。つまりパーシモンヘッドの時代に逆行する理論で面白いと読んだ記憶がある。ゴルフの歴史から四百数十年を経た今日でもゴルフ理論の絶対物理法則は存在しない。これほどまでに、ゴルフは難しく面白い贒に人生そのものではなかろうか。

ジェイン・アン・クレンツ「ダークカラーな夜もあれば」を読んで

JA・クレンツのロマンチックサスペンス小説を連続で読破しよと10数冊を購入する。ファンド会社を経営するエリザベスとその顧客である投資顧問先のCEOであるジャック・フェアファックスとのロマンスを織り交ぜながら展開するサスペンスは、日常のビジネスからの一時の逃避というか、癒しとしての価値は十分あると思う。例によってクレンツの男女間のロマンスの意識の変化は微妙でいて巧みである。

木曜日, 4月 24, 2008

ジェイン・アン・クレンツ「甘く危険な島」を読んで

著者1983年の作品であるという。25年たった今でも古さを感じさせないロマンチック・サスペンスの傑作ともいえる作品である。南海の孤島セントクレアのパブ「サーパント」で一人ダーク・ヘイリーという男を待つ美貌の主人公エイミーとパブ「サーパント」のオーナーであるジェイスとの出会いがそして物語が始まる。著者の恋する男性の内面と女性の内面、心の変化を同時進行的に描写しながら物語は進んでゆく。エイミーの姉メリッサの下へ送られた謎の仮面の正体を掴むべく南海の孤島を訪れたエイミーが、ジェイスを始め島の人々との出会いそして、遂にヘイリーが出現する。適度なサスペンスというべきか読むものを厭きさせないテクニックこそがロマンチック・サスペンスだ。

木曜日, 4月 17, 2008

ジェイン・アン・クレンツ「優しい週末」を読んで

ロマンス&サスペンスの女王クレンツの作品「優しい週末」を始めて読んだ。ハリー・トレヴェリアンとモリー・アヴァウィックの二人のロマンスを中心にサスペンスが、絡むという設定だ。両家の争い、性格の全く違う二人が、愛に目覚める過程が、巧妙な語り口で綴られて行く。この本は一服の清涼剤的な読み物だ。読後はホームドラマの最後のようにハッピーエンドが待っている。訳者は癒しの一冊という。同感である。

火曜日, 4月 01, 2008

ジュリー・ガーウッド「心うち砕かれて」を読んで。

550ページにも及ぶ長編ミステリーだが、前、中編は、ややだるく冗長だ。後半の展開はスリリングで面白い。主人公ローランの実兄であり神父であるトミー元へ懺悔にやってきた人物が、妹ローランのストーカであることが判明、幼馴染のFBI捜査官ニックに相談し援助を請う。ニック・ブキャナンと成人したローランは再会し人目で互いに恋慕の抱く。その日以降二人はホリーオークス米国の小さな田舎町を中心に様々な危険に遭遇しながら、確実に愛を育んで行く。ローランとニックの心の変化、二人の愛への昇華のプロセスが見事に描写されて、読後のさわやかさを読者に提供してくれる。ロマンスが主題で、サスペンスを状況配置した作品である。(評価★★★)

水曜日, 3月 26, 2008

堤 未果「ルポ貧困大国アメリカ」を読んで。

現在のアメリカの貧困ドキュメントとでも言った内容であるが、正に圧倒される内容である。TVのニュースなどメディアで意識したアメリカ像がこの本ではっきりとした。教育、医療から戦争まで、貧困を原因とするアメリカ社会の現実が見える。「新自由主義政策」の名の元に、全て民営化しその弊害が蔓延し果ては新たな貧困層を生むスパイラル状況である。大学を奨学金にて入学し卒業と同時に請求書が届く、このローンを払い続け、一端退職したら自己破産だ。金を欲しさに、軍隊に入隊し戦争へと黒人、マイノリティー、ヒスパニック系人にとって、戦争へ行って借金を払う。そしてさらに厳しい状況はイラクの戦争へ行くこうした人たちが、実は派遣労働者でもあるという。チェイニー副大統領が以前いた派遣大手の会社から下請け、孫請けさらにという具合にして、派遣会社が9.11以降個人情報の流出を利用し勧誘する。丸6年にも及びイラク戦争でアメリカ人の死者は4000人を超えていると報道されているが、こうした派遣労働者の現地での死者は数にはいっていないという。膨大な戦費の肩代わりに、最低限必要な公共サービスまでもが、民営化されていく成れの果ての現実を思い切り見せ付けられた印象である。(評価★★★★★)

火曜日, 3月 25, 2008

岡田斗志夫「いつまでもデブと思うなよ」を読んで。

出張の行き帰りに列車の中で読むのには、新書版が便利である。ダイエット本の一種である。それもれコーディイング・ダイエットと呼ばれるものである。朝、昼、晩と自分の一日食べた食事の内容を詳細に書き留め、さらに体重を毎日量って記録してゆくというものである。100kg超の体重の超デブなら、この当たりの甘いダイエットでも数ヶ月で10kgは痩せるかもしれないが、通常10kgオーバー位の中途半端なデブにとっては、中々時間がかかると思う。というのが率直な感想だ。ある程度までくると、つまり中途半端なデブは食事カロリー制限をやはりしなくてはならない。というのが結論だ。

水曜日, 3月 12, 2008

森永卓郎「年収崩壊」を読んで。

前小泉総理の下、規制緩和が齎したものは格差拡大と米国型弱肉強食の社会の実現だった。その総理は、参院の答弁で「格差は悪いとは思わない・・」とまで言った。この格差は様々な社会現象の根源的な部分になって来ている。と著者は言う。大量の貧困層年収200万円以下を生み、結婚できない症候群、学校の成績の格差と枚挙に暇が無い。後半では、人間の人生の幸せについて、それぞれの立場でそれぞれの悩みがある。西欧型のゆっくりとした時間の流れを楽しむ生き方も幸せではないか。と。世の中の既に3分の1以上が非正規雇用で、ネットカフェ族やニートといった社会不適合つまり経済難民が増加しつつある。既に年収は崩壊している。少子高齢化による年金崩壊とこの国は一体どこへ行こうとしているのだろうか。

水曜日, 3月 05, 2008

国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて

著者自身の5数十日に及び監禁独房生活の貴重な体験を通して、国家権力と戦った軌跡が主題である。この本を読み終えて思うことは、国家が犯罪と決めターゲットとした人物は何があろうと、例え無実な罪であろうと検察という仲介役をして必ず罪を科す。その詳細が、著者と検察官の尋問のやりとりの中で明確になってゆく。鈴木宗男議員の人柄と献身的な外交努力をこの本で、知った。情報分析官のプロとして活躍していた外務省役人が突然ある日、国家の罠にはまって行くプロセスは東西古今政治体制を超えて恐怖という二文字に尽きる。多分、ひょっとしてホリエモンもそうかも知れないと思う。

水曜日, 2月 06, 2008

エンリケ・バリオス「アミ3度目の約束」を読んで。

著者はスペイン人で以前画家だったというだけあって、その類稀な空想・想像力は素晴らしい。アミが乗るUFO円盤で宇宙を旅しながら、地球人ペドリートと地球外生命体のビンカとの愛を見守り、様々な星への旅を通してその星で生活する人々との交流を持つ。広大な宇宙は即神であり、また愛である。利己主義、嘘、物欲、破壊等人間はその人の心に正直に会話ができない。アミを通して著者は、神と愛という普遍なテーマと個の心を説く。大人が読む童話だ。

片桐正「利益を確実にアップさせる!在庫管理」を読んで。

棚卸しを何故行うかなど素朴な疑問を平易に全般的に解説した入門書といったところである。後半のIT活用ではSCMなど様々な手法を解説している。棚卸しとB/SとP/Lの会計財務諸表との関連や売上原価との影響さらには、商品の原価の算出方法など、かなり参考になる部分が多い、絶好の入門書といったところだ。

日曜日, 2月 03, 2008

佐藤優「国家の自縛」を読んで。

作者は外務官僚として対ロシア外交に深くかかわり鈴木宗男衆議院議員とも交友が会った特異な経歴を持つ人物である。読後、外交官としての「眼」を意識する。外交官としてロシア外交、東南アジア、EU、中東、アフリカと日本と対峙し展開する論理、その究極と指定意味するものは「日本の国益」あるいは筆者は「国体」とも言うところのものである。諸外国と渡り合う外交官としての能力の中で、嘘をついてはいけないことは勿論だが、如何にその人が自分の国益を考え人脈を作り対峙してゆくかが問われると説く。そして外務官僚のあるいは日本の教育まで遡る、旧日本陸軍中野学校で採用されたとする北畠親房の「親皇正統記」や「太平記」を教科書とすべきだという。

コーディ・マクファディン「傷痕」を読んで。

米国新進気鋭作家の最新作「傷痕」は、米FBI特別捜査官スモーキー・バレットを主人公とする刑事物の犯罪サスペンスである。主人公の過去から始まる物語は上巻で、その悲劇夫と娘を惨殺されしかも自分はレイプされ額に傷を残すといった重苦しい過去を踏み台に新たな類似した残虐な犯罪に臨む下巻とに分かれている。実は私は上巻を読んでいる途中で既に犯人がわかってしまった。物語の伏線は容易に犯人を特定想像させるものである。犯罪は、害虫駆除業者として堂々と玄関から押入り女性をベッドの支柱に縛りつけ切り裂きレイプし内臓を抉り出すといった残忍さにもかかわらずスモーキーの言動はあるいはFBIの犯罪捜査チームの面々の人生までも描写しその結束力と友情は一服の清涼剤のように読後に不快感は残らない。ジェフリー・ディーヴァーのように最後の最後まで犯人が誰かと科学的に追い詰めて行く面白さとは違い従来の犯罪サスペンスに分類される組み立てながら新しいと感ずる何かをこの作者は描き才能を持っている。

火曜日, 1月 22, 2008

神戸康弘「どんな英語も絶対読める!びっくり英読法」を読んで。

かなり面白い。過去学校の教科書、英語の先生、参考書と読んできたが、正に目から鱗とはこの本だ。英文を図解し神戸式公式の中でキチンと説明している。今までの英文解釈とか読解法とかの本は何だったのと思いたくなるような出色の本である。

火曜日, 1月 15, 2008

「外国でゴルフがしたい」を読んで。

海外でのゴルフ初心者用に36のワード単語を中心にネイティブの発音と使い方を知る入門書である。実際に海外で100ラウンド以上している私の実感としてこの基本で十分ではないかと思われる。

アイリス・ジョハンセン「波間に眠る伝説」を読んで。

ロマンティック・サスペンスの女王と言われる作者ヨハンセンのメリス・ネミッドを主人公海洋学の研究者とするギリシャの島々と紺碧の海を舞台に繰り広げられるサスペンス。叔父ロンタナがある日、出航してまもなく船が爆破される。叔父は海中に沈んだ古代都市国家「マリンス」を探し当てるべく探検していた。マリンスに魅了されてもう一人の探検家ジェド・ケルビーそしてメリスの過去をしる武器商人ヒュー・アーチャーもマリンスを探し求め殺人が繰り返される。メリスが住む小さな島で保護しているイルカのスージーとピートを通してイルカの生態を織り交ぜながら物語は進展する。メリスとケルビーの恋愛と薄幸な過去を知る悪人アーチャーとの三つ巴の戦いが続く。

日曜日, 1月 06, 2008

P・Gウッドハウス「比類なきジーヴス」を読んで。

バーティー・ウースターとジーヴスの物語である。英国の貴族階級の若き主人バーティーとその類稀な頭脳明晰の執事ジーヴスが、バーティーの友人らと繰り広げる日常を英国的ユーモアでもって描く物語である。読後何故かほのぼのとする。バーティーとジーヴスの人間関係の間に「ユーモア」が横たわっている。難題に遇して右往左往するバーティーと機知機転を持って対処するジーヴスは正に比類なきといった形容が当てはまる。

土曜日, 1月 05, 2008

ジェフリー・ディーヴァー「ウォッチメーカー」を読んで。

2008年新年から、J・ディーヴァーの新訳本を読めるとは、幸せなことである。1日に購入しじっくりと読んだ。元ニューヨーク市警刑事部長で、現在四肢麻痺患者で民間人となってニューヨーク市から委託で捜査するリンカーン・ライムと現市警刑事であるアメリア・サックスのシリーズ物である。物語はサックス刑事が追う殺人事件とウォッチメーカーと呼ばれる殺人事件が、同時に進行する。「ウォッチメーカー」の犯人は、殺人現場にクラシッックな時計を置いてゆく。そしてこの二つの事件は終盤になって結合してゆく。さらにウォッチメーカーの犯人であるジェラルド・ダンカンの巧妙な伏線化した手口と証拠物件を残さない犯罪に立ち向かうライムとサックス、そして今回初めて登場するキャサリン・ダンス、彼女はカリフォニア州のキネスクと呼ばれる犯罪者の尋問を主に心理的に分析する特別捜査官である。彼女を交えて犯罪捜査は市警の警察官の犯罪を含めて複雑に展開してゆく。コフィン・ダンサーやイリージョニストなどの傑作と比較し物語は複雑な展開をしてゆく。終盤のローラコースター的展開はない物のライムとサックスの心理的葛藤を織り交ぜながら一段と成熟した感がある。物語全体の筋の面白さは過去の作品を読んでいる読者には、その変化がたまらなく魅力的である。読後の爽やかさは、J・ディーヴァーの特異な持ち味であると思う。次の作品が待ち遠しい。