月曜日, 4月 11, 2016

カミラ・レックバリ著「氷姫」、彼女はスウェーデンのミステリー作家だという。まず思い出すのはスティーグ・ラーソンのミレニアムシリーズだ。作品の中核となる性的虐待が余りにも似ているため思い出した。ストックホルム郊外の小さな漁村フィエルバッカで起きた殺人事件、担当する刑事パトリックと作家志望のエリカの奮闘が事件の解決へと。


日曜日, 4月 10, 2016

我孫子武丸著「殺戮にいたる病」は、混沌とした現代社会とりわけ各家庭での暴力や性的倒錯を背景に殺人が発生する。そしてその病理は混沌錯綜して最後の最後まで犯人が不明となる叙述トリックを用いて読者を呆然とさせる。


貴志祐介著「青い炎」は、倒叙推理小説と言われる予め殺人事件の手の内を犯人の側からその巧みな心理描写と共に明らかにし最後にそのトリックを警察によって暴かれるというものだそうだ。主人公櫛森秀一は高校二年生だ。母が離婚した前夫が、彼の家に転がり込んで家族皆に心痛を強いるこのままでは、家族が破壊されると思った少年が、周到な計画の下に殺人計画を練り実行する。


水曜日, 4月 06, 2016

西澤保彦著「七回死んだ男」著者の作品は初めて読む。人生の一場面のシーンが反復するといった奇抜なプロットだが、主人公大庭久太郎の祖父の遺産相続を巡る骨肉の争いをテーマに反復の落とし穴を絡め殺人事件へと。過去を繰り返すというテーマは、面白い。

火曜日, 4月 05, 2016

東野圭吾著「虚像の道化師」、あまりにも有名な物理学者湯川博士の推理・ミステリーものだ。短編6編が収録されている。どれも気軽に読めるガリレオの世界を堪能できるショートミステリー集だ。



アン・クリーヴス著「大鴉の啼く冬」、彼女の作品を初めて読む。イングランドの北の果てにあるシェトランドは辺境の地だ。ここで少女に絡む殺人事件が発生する。シェトランドの住人の狭い地域ならではの人間関係、確執、嫉妬やらを根底に起きる殺人事件、ジミー・ペレス警部の追及がはじまった。犯人は意外にも同級生だった。


月曜日, 4月 04, 2016

ジョン・ダニング著「死の蔵書」殺人捜査官ジェーンウェイが、事件を追う。状況設定が古書や初版本のコレクターさらに掘出し屋を巡る事件だ。ジェーンウェイは遂に警察官を辞めて古書店を開業する。その店内で殺人事件が発生し、警官を辞めたにも関わらず事件を追う。様々なジャンルの書籍が紹介され、本好きには間違いなく楽しめるミステリーだ。


有栖川有栖著「双頭の悪魔」は、700ページにも及ぶ長編だ。四国は高知県の田舎木更村と川を隔てた対岸の夏森村で同時進行的に起きた殺人事件を江神次郎が解き明かす物語だ。少し冗長性は否めないが、プロットそして登場人物の描写が素晴らしく最後までページを繰らせる力を持っている作品だ。殺人の論理も妥当と思われる。


火曜日, 3月 22, 2016

島田荘司著「異邦の騎士」、記憶を喪失した青年の身に迫る様々な危険と向き合い必死に生きて行く姿がこの本にある。人生と愛儚くも何故か思い出して微笑むような人生の谷間に咲く一輪の花のような。著者の初作の本書は、プロットといい文章の力強さといい申し分ない出来だ。


ジェフ・アボット著「図書館の死体」久しぶりの洋ものだ。母がアルツハイマー病を患いやむなく故郷ミラボーの田舎に戻ったジョウダンの身に殺人の嫌疑がかかる。狂信者ベーターという女性が、彼の勤める図書館で深夜殺害された。田舎特有の濃い人間関係を主軸に殺人事件解決に向けジョーダンが活躍する物語だ。プロットもそれなり、まあまあ楽しめる一冊だ。


金曜日, 3月 18, 2016

乃南アサ著「暗鬼」が本書だ。著者の作品は初めて読む。東京のとある郊外の大邸宅に嫁いだ法子、そこに暮らす家族、そう家族がテーマだ。おどろおどろしい家族その中で迷い慟哭してゆく嫁法子の姿。家族とは何か?家族の闇が法子の全身を包む。サスペンスタッチの本書は何故かページを次々と繰らせる迫力がある。


火曜日, 3月 15, 2016

藤原伊織著「テロリストのパラソル」が本書だ。著者作品は初めて読む。40代中年のアル中が主人公島村そして友人の桑野、懐かしいことに60年代後半東大紛争、全共闘といった学生運動の描写がありしばし感嘆する。登場人物や状況設定プロットとそして恋愛まで絡ませ最後に小さなどんでん返しミステリー、ハードボイルドタッチな好著だ。


日曜日, 3月 13, 2016

横山秀夫著「動機」に収録された短編4作品は、どれも面白く日常に潜む人間の人生の無常というか不条理を描く。結末がどれも素晴らしい。


木曜日, 3月 10, 2016

倉知淳著「星降り山荘の殺人」何故か最終ページまで繰らせる面白さがある。秩父の山奥の山荘で起きる準密室といってもいい殺人事件。山荘の所有者の社長が、自分のコテージで殺害される。周りは雪原だ。残り8人の宿泊者の中にいると思われる殺人者を巡り、ミステリーサークルあり、登場人物の多彩な顔触れそして本格的なミステリーとして事件は思わぬ結論を引き出す。

「槐」月村良衛著。馬鹿馬鹿しくも面白い、そんなミステリーとは言えないが物語だ。中学生の夏休み、野外活動部の生徒達は教員の引率の下に湖畔へ。そこで事件は起きた。関帝連合のゴロツキ一味、さらにチャイニーズマフィアの息の掛かる蔡グループが40億円の金を巡り死闘を繰り広げる生徒たちは巻き込まれ絶体絶命のピンチ。そんな中、由良先生こと三つ扇槐こと国際テロリストのド派手な格闘により無時生徒たちは救われる。エンタテインメントそのものの物語だ。



火曜日, 3月 08, 2016

米澤穂信著「儚い羊たちの祝宴」が本書だ。短編を集めた作品だ。何故か江戸川乱歩とか横溝とか古い推理小説の毒々しさや恐怖感が根底にある、最近読んだ本の中では稀有な書だと思う。殊に「玉野五十鈴の誉れ」は圧巻だ。


月曜日, 3月 07, 2016

著者の作品は始めて読む。「ダックコール」という本書は、六篇の短編小説だ。ミステリーでは、無く野鳥やら水鳥やらが全編出現する異色のメルヘンチックな物語だ。男と鳥そしてそこにある人生の何たるか?背後にあるしみじみとした寂寥感を感じる。


木曜日, 3月 03, 2016

本書「ある閉ざされた雪の山荘で」、東野圭吾作品だ。演劇のオークションに合格した七人が、乗鞍高原のペンションに集めら、自分たちでストーリーを作り演じるという課題設定だ。しかし第一に目の夜から殺人が、そして翌日また一人と殺される遺体は発見できずに。。結末は、外部の人間の妄執がらみで解決する。今一腑に落ちない。


水曜日, 3月 02, 2016

本書「向日葵の咲かない夏」は、サイコ的ミステリーだ。主人公ミチオそして妹のミカ、両親、友人S君、泰造爺さんそしてトコ婆さんと少数な登場人物の中で起きる殺人事件をきっかけに、現実と非現実の狭間に揺れ動く人間関係を描写している。現実とは、生とはさらに人間とはを問う稀有なミステリーだ。



火曜日, 3月 01, 2016

本書「葉桜の季節に君を思うこと」は、主人公通称何でも屋が友人関係から様々な事件に巻き込まれてゆくミステリー的には今一だが、読後何故か爽快感がある。

金曜日, 2月 26, 2016

評判を目にして、求めた原寮著「私が殺した少女」は、誘拐殺人事件をテーマに元警視庁あがりの探偵沢崎が活躍するストリーだ。20年も前の著作は、プロット的にもありきたりで冗長性は否めない。最後のどんでん返し的結末もなんだか平凡で今となっては、古いという印象だ。



水曜日, 2月 24, 2016

山口雅也著「生ける屍の死」は、アメリカのニューイングランドの田舎で起こる死者蘇りをテーマに生者と死者が交錯してホラー的ミステリー小説として過去読んだことない不思議な作品だ。死とは?生とは?とまるで童話的な悪魔的な世界に読者を引き付け離さない。


月曜日, 2月 22, 2016

宇佐江真理著「糸車」は、蝦夷地松前藩の家老が夫である。その夫が罪を背負って死んだ。その死を見て逃走した息子勇馬を追って江戸は深川へと。小間物商いの行商しながら、只管息子を探し続けるという設定だ。深川の風情や住人の人情を降り噛みながら転嫁する物語は、家族そして人生を少なからず考えさせる物語だ。


日曜日, 2月 21, 2016

経営者森崎伸彦の娘朋美が、自動車事故で崖からダイブして死んだ。彼は自殺とは思っていなかった。そしてある日、別荘にて関係者を招待して寛ぎの時間を過ごしてもらおうと、とその時銀行強盗のの一味の二人が別荘に押し入って全員人質として捉えられる。そんな中で雪江という女性が殺害される。話の展開も面白いし軽妙だ。ディーヴァばりのどんでん返しとまではいかないが、十分に面白い。よくある結末をひねった結果だけれど。。


木曜日, 2月 18, 2016

ようやく冬の陣となり、幕府軍は勝利し大阪城の総濠を埋めてしまった。戦後の混乱はいまだに続き、家康と正宗の駆け引きは際限が無く行われた。


水曜日, 2月 17, 2016

半藤さんの歴史もの著作は、過去数冊読破している。軽妙なタッチの語り口がそのまま文章となっていて読みやすくて面白い。本書「幕末史」は、徳川幕府の崩壊から明治維新に至るまさに動乱の時代の講義である。幾たびかの衝突戦争を挟んで維新へと突き進んでいく我が国日本は、ビジョンもなく対立騒乱を繰り返しながら維新へと。


土曜日, 2月 13, 2016

大阪冬の陣までの家康の苦悩、正宗の廻りで諸藩の動静、そして異教の対立などが目まぐるしく進展してゆく状況であった。

金曜日, 2月 12, 2016

村上春樹の古本を読んだ「国境の南、太陽の西」というタイトルだ。著者の書は、有為転変、存在と否定、そこはかとない寂寥感、孤独、不条理を見事に表現し、読後不安にさせる彼独特なスタイルは変わらない。


火曜日, 2月 09, 2016

太閤秀吉天下人の取り巻く世界を描く。大阪城の築城と秀吉子飼いの大名、家康、正宗の心理戦が続く。後の秀頼が誕生し天下人秀吉も秀頼の為に自身の死後を考え様々な人事を行う。

太閤秀吉が薨去した後の世相は、互いに肚を探り合う家康と豊家そして正宗の心理作戦だ。大久保長安を通じてイギリス、オランダやエスパニアまで宣教師が到来するなど、天下泰平になりつつある江戸に世界へ目を向けさせる出来事が起きた。しかし大阪城に籠る淀と秀頼と家康との間には遺恨があった。

木曜日, 2月 04, 2016

みおつくし料理帖に出てくる様々な料理を著者自らの手により紹介した本書は、著者の並々ならぬ愛情を感じる。


米沢の豪傑独眼竜正宗として秀吉天下の下、果敢に生きて行く描写は実に面白い。虎哉禅師の教えを実践してゆく正宗であった。いよいよ秀吉の凋落の兆しを見た正宗の次の一手は。


火曜日, 2月 02, 2016

1567年伊達政宗が誕生する。幼名梵天丸として虎哉禅師を筆頭に教育を受けてゆく。16才にして元服し19才にして初陣を果たす。数々の戦を渡り伊藤藤次郎正宗は人の生死と情、そして人生をも考える武将となってゆく。時は織田信長が明智光秀に倒れた時であった。


伊豆山での敗北から安房に逃れた頼朝は、東国の雄を招集し鎌倉を居館として強固な体制を作り天下統一に向けて着々と準備に余念がない。平家討伐は、まず木曽義仲によって果たされ、入道清盛は死して平家は西へと逃亡する。院の公卿や公家の暗躍に踊ろされ木曽義仲も潰えた。ここで物語は終わる。


金曜日, 1月 29, 2016


流人となった頼朝は、伊豆に流され蛭ケ小島に蟄居となった。伊藤祐親の娘八重との恋慕の上千鶴丸を授かった頼朝だったが、祐親が今日より戻り激怒の上幼子を殺害した。頼朝は這う這うの体で北条時政の館に。。京からの流人の僧文覚上人の智も頼朝には徐々に勇気を持ち上げさせてくれた。北条館での姫政子との恋はどうなるのか?。


水曜日, 1月 27, 2016

十三歳にて初陣となった平治の乱、平清盛を討つべく戦に臨んだが兄弟さらに親である義朝までも討たれた。頼朝は一人逃れて京の都へと。


主人公料理人澪を取り巻く人々の人情と彼女の懊悩を具に描写し、江戸風情と合わせて読み手を翻弄する何とも面白い「みおつくし料理帖」シリーズだ。いよいよ、澪は自身の料理人として生きる道を決定した。


土曜日, 1月 23, 2016

学校で虐めに会い、半ば自閉症気味の中学三年生の息子を持つ家庭である日殺人事件が起こる。息子が七歳の少女を殺害したのだ。家庭を帰り見ず仕事一筋の主人昭夫の苦悩とその妻認知症とも思える母を抱え殺人事件をでっち上げるが。家族とは何かを問う作品だ。


水曜日, 1月 20, 2016

みおつくし料理帖シリーズ。澪と芳そしてつる屋で働く面々に起こる難題を解決してゆく心根に思わず心を打たれるそんな小説だ。生きてゆく、また生きるとはを切なくも考えさせる書だ。


みおつくし料理帖シリーズだ。過去4、5冊は読んでいるだろうか?澪が働く料理屋「つる屋」を舞台に展開する。匂いも味も感じなくなった澪を苦難、助っ人料理人又次の死と、ハラハラさせるプロットは最後までページを繰らせる力がある。


火曜日, 1月 19, 2016

短編小説集だ。ライトミステリー的な設定だ。古書店主イワさんと孫の稔が絶妙な関係を描きながら事件の真相に迫るという設定だ。プロット的にはあまり面白みに欠けるが、彼ら二人を中心とした人間ドラマという印象だ。実に繊細な感情の機微が描写されていてまさに宮部ワールドだ。


土曜日, 1月 16, 2016

ある重大事故により脳を損傷した青年成瀬が辿る数奇な運命を描く物語。脳移植により完全に復帰したと思われた青年、しかし移植されたのは殺人犯京極の脳片だった。徐々に元の自分の感性と違った方向へと。苦悩する青年を通して作者は生きるとは何かを問いかける。


水曜日, 1月 13, 2016

本所七不思議と言われる命題から七つの短編を収めた本書は、著者の時代小説でありミステリーでありかつ嬉々とした文章の巧みさ性格描写の巧みさを持った、吉川英二文学賞に輝いた作品である。


月曜日, 1月 11, 2016

江戸は、家斉の町人文化が花開き人々が暮らす町で発生する殺人事件を捜査する町方定廻り同心、鵜飼伝三郎と共に捜査にする美人おゆうの活躍を描いた物語だ。おゆうこと優佳は、現代社会に住むOLだ。ふとしたことから、二百年前の江戸時代へのトンネルを見つけ出し、時空を超えタイムトンネルを通り、江戸へまた現代へと戻ることができるタイムトラベラーだ。そんなおゆうが、江戸で起きた闇薬・阿片をネタに悪だくみを企てる薬やそれを取り巻く悪人たちをお縄にするといった痛快ライトミステリーノベルだ。


金曜日, 1月 08, 2016

徳川の大名屋敷から飛び出し町方同心として柳生新陰流の名手、竜之介が活躍する物語だ。江戸町人の生活に徐々に慣れ親しみ、同心として悪を退治するといった物語だ。


木曜日, 1月 07, 2016

下巻も700ページを超える大作だ。上巻で連続誘拐殺人事件の犯人は、既に判明しているが、下巻は犯人を取り巻く遺族やら刑事やら様々な関わり合いのある人間の心理描写に充てられている。こういった作品は、ディーヴァーのミステリーみたいな面白さには欠けるが、最後までページを繰らせる迫力を持っている作品だと思う。


火曜日, 1月 05, 2016

連続誘拐殺人事件を起こしたのは、幼馴染みの二人の青年だった。とりわけその一人、栗橋浩美を巡り関わりあいのある人間との心理描写を本当に細部に渡り記述してゆく作者の筆致は絶妙だ。700ページを超す大作だが、まだ上巻だ。


木曜日, 12月 24, 2015

江戸は中期の風情が伝わるおりんを中心に幕府転覆を企む一味を倒すというミステリー性を加えた痛快読み物だ。


火曜日, 12月 22, 2015

江戸の定町廻り同心から端廻り同心へと格下げになった平七郎の人情味溢れる物語で、読んでいて気持ち良い。江戸庶民の暮らしや、武士と町民の風情などが細々と記されている。


日曜日, 12月 20, 2015

高柳バレー団に起こる不可解な事件、連続殺人事件に挑む警視庁加賀刑事と団員と周辺の人間との葛藤をミステリーした書だ。


水曜日, 12月 16, 2015

「その女アレックス」を読んだ時は、そんなにも感慨はなかったのだが、今回のミステリーは格別に残酷でかつ犯人の犯罪が過去のミステリー小説の再現だという奇抜なものだ。プロット的にも面白く終盤の犯人が判明した時読者は唖然とする。


日曜日, 12月 13, 2015

出世花の続編である。作者の今にも情景が浮かんでくるような文章とともに、お縁の迷い悩みと御仏に縋る様子が克明に描かれてゆく。三昧ひじりとして生涯を賭けて死者を見送ることに決心したお縁の最後は別れた母親との庵での生活に結ばれてゆく。


木曜日, 12月 10, 2015

探偵ガリレオシリーズだ。草薙刑事が持ち込む難問に帝都大学物理学教授の湯川学が、卓越した頭脳で事件を解決に導く。まさに名探偵ホームズ張りの推理と活躍は爽快感さえ感じる。


水曜日, 12月 09, 2015

妹から電話がかかって来た。気になる様子で、翌日東京のマンションを訪ねた兄は、妹の死体を発見する。練馬署の加賀刑事、兄康正と殺害された恋人だった潤一、潤一を横取りした佳代子この4名が絡む最後の見せ場は、ページを捲らす迫力がある。物語の最終でも犯人を記述しないプロットは新鮮だ。


月曜日, 12月 07, 2015

天明から寛政へと流れる江戸の大阪天満宮の近くに寒天問屋の井川屋の丁稚、松吉を巡り大阪商人や庶民の生活と人情と商いを描くこの作品は、江戸時代の大阪を生き生きとして描写している。松吉を巡る恋愛もプロットとしてまさに絶妙で作者の懐の深さを感じる。


日曜日, 12月 06, 2015

幕末から大正の激動の時代を駆け抜けた一人の女性事業家、広岡浅子の生涯を綴った小説である。史実に基づく作者の渾身さが文章に現れ圧倒させられる。人間の生涯を改めて感じさせてくれる一冊である。


木曜日, 12月 03, 2015

江戸は下町にて古道具屋を営む音吉とお鈴夫婦を巡り、日々生活する人々の人情と悲哀が織りなす模様を軽快な筆致で描く。江戸情緒をふんだんに盛り込んだ一般人の生活を生き生きと描いている。


水曜日, 12月 02, 2015

母親の駆け落ちと父親の死別、縁が寺に引き取られ、屍洗いという仕事をとおして、様々な人間模様の中で必死に生きる姿を描く。作者の優しい感情がにじみ出ている秀作だ。


月曜日, 11月 30, 2015

高校野球児の死を契機にその知人も死体で発見される。蓮見探偵事務所が中心となって事件の真相に向かう。著者の初期の長編推理小説だ。読後、何か優しさを思う。著者の人間の交わりを通しての感想だ。事件は製薬大手の製品の失態を根底に蠢く専務と部下などプロット的には十分楽しめる設定になっている。最後の落ちは意外なところにあるのだが、著者らしい結末と思う。


フリーライター岡村の知り合いの出版社の社長が殺害されたのを契機に事件は迷走する。勝村とバーの店主山猫の犯人探しが開始される。著者は現代の怪盗・義賊として山猫を描こうとするがプロット文体とも今一の感がある。人間模様の交錯が全くないサスペンスだ。


火曜日, 11月 24, 2015

下町ロケットの続編だ。人口弁および人口心臓のキーデバイスを作成する過程で起こる中小企業の悲哀とめげずに突き進む社長佃の信念が絡み合い、登場人物や設定プロットの上手さに感心させらる本書である。



木曜日, 11月 19, 2015

ナミヤ雑貨店、悩み相談をする店主そして時空を超えて相談相手になるという不思議な物語、人間の優しさと人と人との繋がりを思わずにはいられない。


火曜日, 11月 17, 2015

久しぶりに、リンカーンライムとアメリアサックスによる犯罪ミステリーを読んだ。懐かしさと著者のローラコースター的終末は、顕在でプロットも冴えわたり読者を魅了してやまない。タトー師犯人を巡りニューヨークの地下を舞台に展開する格闘はまさに醍醐味に溢れている。



木曜日, 11月 05, 2015

物語は、現代と過去という二次元的推移を辿る。会社を退職し妻とも別居中の主人公が、ふとしたことからかって父が使用していたと思える車のキーを手に取る。自身の人生を見つめなおそうとする気持ちが、死んだ父が過去勤務していた運送会社「相馬運送」に纏わる様々な過去そして倒産した会社から始まり様々な事件等も合わせて調査してゆく。その過程でやっと自分を見つけるという物語だ。


サラリーマン生活を送る主人公佐伯50歳にして、若年性痴呆症(アルツハイマー)を患う人生の悲劇が主題だ。死に至る病と言われるアルツハイマーを若くして発症する佐伯、家族同僚そして知人周囲の人々との様々な交流を通してこの病の持つ悲劇を描いてゆく。物語の最後は、陶芸で山に籠り下山途中で妻枝実子が迎えに来た時、既に妻を認識できないという悲惨な結末だ。周囲の人間はどうであれ発症した患者本人は既に全てが忘却の彼方に追いやられ生きている現実は、果たして悲壮なのだろうか?。何もかも忘れ記憶を無くし生きてそして死んでゆく。

著者の心理描写はまさに絶妙といっていい。不倫関係にある主人公と愛人との交際と微妙な心理描写は秀逸で舌を巻く。ミステリーらしくはないが、読後何か割り切れない感情が残るそんな物語だ。


火曜日, 11月 03, 2015

前段の誘拐を計画し実行するまでの過程は、詳細で少し冗長過ぎるところがあるが、最後の誘拐が成功した後の記述は、つまり全体のプロット的には面白みに欠ける。


日曜日, 11月 01, 2015

前半は冗長性は否めないが、後半は読みごたえがあり最後まで一気に読める。母親がレイプされ授かった弟「春」を中心に物語は進む。癌で闘病中の父親と親子三人の物語。レイプした犯人を捜し続け遂には、殴り殺す。兄弟、家族愛人間の愛情をどこまでも感じさせてくれる。プロットは決して新しくはないが、著者の人間を見る優しい愛情を感じる作品だ。


日曜日, 10月 25, 2015

主人公岡田亨の周辺に起こる様々な出来事や人物を通して、読者は全く翻弄され続ける村上ワールドの世界は何故か心地よさを感じてしまう。そこに在るのは人生や悲哀や歓喜や絶望や諦念そして天国と地獄寂寥や不条理の世界だ。混沌とした世界い孤独とともに生けるオカダトオルの姿がある。日常的な非日常性と薄暗闇に蠢く悪霊との戦いその只中に生きる主人公に勝利はない。



月面調査隊が発見したミイラ宇宙服をまとった白骨死骸だった。この死骸をチャーリーと探求する科学者がニックネームを与え、チャーリーに対する科学者達の奮闘が開始される。様々な憶測と学説を取り交ぜ探求は進んで聞くのだが、決定的な理論は見つからない。地球上の人間の期限にまで遡るSFファンタジーは、非常に面白く、1977年の上梓だというが現代科学の理論をフンダンニ織り交ぜ物語は展開して行く。



お化け幽霊が出てくる話だ。孤児のおりんには、五体の幽霊・お化けが見える。包丁料理人の父親が、開店する舟やで起こるお化け騒動はホラーというより、何故かほのぼのとしておりんを通して人間の本来持っている「やさしさ」に気付かせてくれる。環境や境遇により自分と同じ運命を歩むお化けが見える。最後のページまで飽きさせない面白さがある。


木曜日, 10月 22, 2015

著者の過去読んだ作品中のガリレオ探偵とは一味違う様相だ。友人で天才とも言われた数学教師石神彼とは大学時代の同窓で、また刑事草薙も同様だ。アパートに住む隣人の母子が起こした殺人事件を回り物語は展開する。本当の真実の愛の深さを追求した作品だ。


月曜日, 10月 19, 2015

著者得意の医療分野での手術死を回る術死調査を託された愚痴外来医師田口先生と厚労省の係官白鳥調査官の二人の葛藤を織り交ぜ調査を進め、やがて思わぬ犯人を割り出すまでの医師同士はたまた大学病院の現状を描きながらそこで働く者の人間同士の触れ合い機微を巧みなタッチで描く作品だ。


今までの推理つまりミステリー小説とは全く違ったプロットを持った小説である・。ある殺人事件を題材に6人で構成する犯罪研究会なるメンバーが、それぞれ各自独自に推理するといった物語である。物証が乏しい中で、めいめいが心理的側面を細部に渡り調査し披露する。

日曜日, 10月 18, 2015

第四の殺人が高級ホテルコルテシア東京で起こるという。ホテルへ張り込み犯人を待つ警視庁の捜査員とフロントホテルマン山岸を軸に物語が展開してゆく。冗長性は否めないが、結構楽しめるプロットだったかなと思わせる。


水曜日, 10月 14, 2015

主人公、圷歩が歩いた37年間の人生の魂の遍歴を綴った物語だ。父の仕事上の都合で、中東はイランで生を受けた歩と家族そして周囲の人間の機微が繊細に描かれ、人間同士の交錯と錯綜、対立など人生に関わる全ての因子がこの書にあると思う。信じるものを見つけられず、先を進むことも儘ならず怠惰な生活をする歩が最後にかって暮したエジプトはカイロで親友と再会する、その時自身の人生の信ずるもの過去の友情とナイル河の淀みない流れをみて発見する。


全般的に読者を惹きつける展開にページを繰る手がとまらない。最終的な読後感といえば、そんなの有りかよと思えるプロットだ。あり得ない推理展開は著者独特な世界感か?


奇想天外の都市の中で仕組まれた殺人事件、これを解決すべく招聘された名探偵天下一、彼が最終的に見たものは自らが著作した本格推理小説であった。という今までにないプロットは新鮮だが。。


火曜日, 10月 06, 2015

著者が創作した名探偵、帝都大准教授の湯川先生が警視庁に協力しながら、事件を解決へと導く痛快推理ミステリー本だ。物理学者である先生が推理する魅力と言った事件解決が核心だ。


日曜日, 10月 04, 2015

あまりにも日常的すぎる日常の中で、人は空恐ろしい殺人を犯す。それは、止むに止まれぬ事情があるにせよ動機と人となりを見ると背筋が寒くなる。そんなミステリー的小説が満願であり短編集だ。面白い。

著者の銀行もの半沢シリーズだ。破綻寸前の会社帝国航空に纏わる金融庁から国会議員さらにやり手のコンサルを交えた「倍がえし」シリーズだ。痛快サラリーマン活劇みたいな気分で読み終えることができる。



プロット的には、単純だが内容は良く練られ密室あり血縁関係(横溝作品)あり、簡単には読者の推理を介入させない面白さがある。


土曜日, 10月 03, 2015

昭和九年に書かれたこの書は、探偵小説の古典的名著と言われる。まず文体は古典的でストリー事態つまりプロットはそれほど奇抜でもない。しかし随所に引用される書や人物は著者の博学多彩な才能を垣間見ることができる。衒学的で神秘的叙述、名探偵法水麟太郎の心理分析引用される数多の人物や書籍、江戸川乱歩とは違った面白さがあると思う。

空想の王国ツオル(東乎瑠)帝国とその周辺の氏族やら東乎瑠に征服されたアカファ王国の中で生きる様々な人間の抗争を描き、その中心人物のヴァンという主人公を回りミッツアルという黒狼熱という伝染病をテーマに人間生命と男の人生を様々な考察を通して物語は展開する。
生命科学とも言うべき考証を展開し疫病と戦う医師と疫病に翻弄される東乎瑠の人々を描き、生命の尊さと人生の侘しさを感ずる書物だった。
2015年本屋大賞に選出されたこの本は確かに面白いが、ミステリー度を加えたプロットが展開できたのではと思う。

長編推理小説になるのかな。輝額荘という古びた下宿屋の住人を中心に物語が展開してゆく。ある日一人の住人が死ぬ。警察は、自殺と断定したが。その後大学の建築学科の教授の秘書の女性が路上の車中で死体となって発見される。教授の過去を巡る事件が殺人の動機として浮上する。住人の桜井と栗山が追う事件の真相はという冗長だが期待して読み進められるが、結末は期待していたよりも平凡であった。



人里離れた雪深い欧風のペンションで起きる殺人事件は、密室やマザーグースの詩に秘められた暗号の解読に挑む二人の女子学生が活躍するミステリーだ。プロット的にも十分考慮されておりページを繰る勢いを削ぐことなく読める面白さが十分にある。


日曜日, 9月 27, 2015

著者自身の職業作家としての遍歴や思いが、読み取れる。虚空な作家だと思っていたが、至って普通の作家だと気づかされる。著者の小説に対する思いが感じられる好著だ。


水曜日, 9月 16, 2015

光と闇、交錯する大都会に暮らす人そして様々な人間模様が平凡に語られている。何故か語るべき人物像が見えない。何か悩みや生活を背負って大都会に生きる人間の様々なシーンが表現され著者独特な表現だ。ここにも暗い闇が漂い、その中を泳ぐ人間の姿がある。



木曜日, 9月 10, 2015

正に村上ワールドの世界だ。錯綜と混濁と不条理の間を生きる人間達の生ける模様が描かれている。人の生の暗闇と運命そして偶然が襲うそんな人生模様が至る所に存在し不条理性が溢れかえる。所詮、人間の生とはこんなものだ。日常に潜む非日常性の中を掻い潜り、繋がりののない繋がりの中で生きてゆく。偶然と必然そして人は繋がって意味のない人生を歩むのだろうか?


水曜日, 9月 02, 2015

読後の清涼感や爽快感を味あわせてくれる絶好の書だ。青島製作所を舞台に業績の悪化、追い詰められてリストラ、競合他社ミツワとのM&Aと多彩な状況を盛り込みさらにそこに野球部を絡ませてゆく。中小企業の社内風土や状況が真摯に捉えられ、そこで仕事をする人間達の観察眼もさすがである。人生を真面目に生きることにより、運が開けてゆくと言った定石はこの書でも通用している。


日曜日, 8月 30, 2015

ホテルのコンシェルジュの奥深い仕事と流儀、心持ちといったホスピタリティの原点とも云える職業の実態が極めて明確に理解できる本である。レ・クレドールというコンシェルジュの世界的組織やら今まで知ることのない事が解る。ホテルの代表する人こそコンシェルジュと思う。日常の複雑雑多の仕事を淡々とこなすさらにお客様の心持まで理解しながら。。。気の遠くなるような職業だと改めて理解した。


木曜日, 1月 29, 2015

アンリ・ルソーなる画家の「夢」という絵を題材に物語が進展して行く。虚空なコレクターであるバイラーに真贋の鑑定を依頼された二人がバーゼルに向かう。ルソーの伝記を読みながら7日間で講評するという仕事だ。様々な伏線を用意して物語は、生ける情熱を描き上げる。


日曜日, 1月 25, 2015

感動するミステリーではないが、古典的傑作といった感じ。


ありふれた題材を元に、これほど人間の心理、悪魔的内面に迫る、本書はまさに傑作だ。悪の心理を全て曝け出すという何とも読後に残る感情は特別である。



水曜日, 1月 21, 2015

「白夜行」は、文庫本で850ページにも及ぶ長編ミステリーだ。幼い時に受けた傷をそのまま引きずり20年にも及ぶ男女のそれぞれの人生を描きかつミステリーとして仕上げられた本書は、まさにミステリー大賞だ。ところどころに人生の移ろいを感じさせる部分があり楽しく読んだ。


月曜日, 1月 12, 2015

工場経営者チャールズは、資金繰りに窮し伯父に融資を依頼するが。。。完全犯罪を計画し殺人に及んだチャールズの犯罪は見事に看破される。少し冗長さは否めまいが、完全犯罪を紐とく楽しみを味わえる作品だ。


ミステリーの古典的名作だといわれる。ブラウン神父が活躍するミステリー短編集だ。各章プロットはまずまずだが、少しページ数が不足している感がある。


金曜日, 1月 09, 2015

ある日の誘拐事件から始まるこのミステリーは、読者の期待を大きく裏切り展開してゆく。誘拐された女アレックスが、加害者となり次々と殺人を繰り返す。だが、その犯人アレックスは最後に殺害され、その過去が明らかにされてゆく。


日曜日, 12月 21, 2014

東城大学医学部付属病院内のオレンジ新棟と呼ばれる救命救急センターで将軍ジェネラル・ルージュ速水部長を回る様々な救命救急医療と病院長、部長、看護師らとの人間関係を赤裸々に描写する筆致は読者を飽きさせない迫力があり、ミステリー小説とは言えないが面白い。


ディラード家周辺の極狭い範囲で起こる連続殺人事件ヴァンス、地方検事、警察と必死に犯人を追跡するが、一向に目星がつかない。事件を重ねていく中で鬱積した犯人の心理に着目するヴァンスの洞察が解決へと導く。