スティーヴン・キング著「ミスター・メルセデス 下」、叔母の葬儀の最中にジャネルが、サイコ犯人プレイディーによる爆弾で爆破されたのはホッジスのトヨタカローラだった、それを運転していたのは、図らずもジャネルだった。ホッジスは黒人少年ジェロームと精神障害のあるホリーと3人で犯人を特定した。MACで開催されるライブに犯人プレイディーはターゲットを絞り車いすを使って爆弾を携えて侵入する。ホリージェロームの二人によりMACセンターでの犯行と予測し現地に向かう。最終章は警察犯罪小説らしからぬ手に汗握るシーンを提供してくれた好著である。
金曜日, 5月 29, 2020
塩田武士著「罪の声」、30数年前に関西で発生したグループ企業を襲った誘拐拉致脅迫事件の全貌を解明すべく大日新聞は、文化部の阿久津英二を抜擢した。手掛かり求めて東奔西走するが核心を得るには遠く何時全貌を解明できるかは不透明な期間が無駄に過ぎていった。そんな中で、一縷の望みを託しイギリスに犯人の一人が生存していることを知り単身シェフィールドへ渡る。これはという裏付けが取れないまま帰国するがある情報を入手し事件の関連があると見られる様々な人物との接触を試み事件の核心へと、しかしそこで見たものは犯人それぞれの人生に暗い影を落とし必死にまた社会の深淵に沈んで行く面々だった。松本清張張りの社会派サスペンスといったところか。
松本清張著「火の器 上」、都内T大学文学部史学科の助手として勤務する高須通子は、奈良・京都旅行に出掛け奈良で遺跡石物郡を見て回ることにした。そこで出会った雑誌編集者たちの中の板根カメラマンと出会う。その晩奈良で事故があり偶然通子が通報し介抱した海津信六は下って通子と同じ大学の助手を務め優秀だと噂され現在奈良で保険勧誘員として生計を立てる独身者だった。奈良県庁前で再会した板根と献血に行き、その後海津からの手紙と通子が雑誌に投稿した小論文について海津の感想の手紙を読み、どうしても海津に会うべく彼の自宅を訪問そして海津の姪の俱子と会い、話の中でイランへの訪問を促す海津に感化されイランへの旅を真剣に検討することになる。通子の恋愛の過去も明かされこれからの展開は下巻に。
日曜日, 4月 26, 2020
泡坂妻夫著「乱れからくり」、玩具会社の社員が隕石の落下により死亡した。その後死亡した馬割朋浩の身内の者が次々と殺害される殺人事件が発生する。宇内経済研究所といっても企業関連の調査を専らにしている社長一人は宇内舞子そして新入男性社員の勝一人という所帯である。舞子は依頼を受け調査にあたるが、次々と発生する殺人事件に遭遇する。朋浩の住む館は正に迷路で囲まれた邸宅である、そこには江戸時代から連綿と続くからくりの歴史があり莫大な財宝の隠匿の噂もあった。朋浩の死後に起こった4人の殺人は死亡した朋浩の仕業であると舞子は断定。からくりによる殺人。殺人ミステリーとともにからくりの歴史や蘊蓄にも作者の考察は興味を惹かれ第一級のミステリー小説だと思う。
日曜日, 3月 29, 2020
水曜日, 2月 26, 2020
木曜日, 1月 30, 2020
金曜日, 12月 27, 2019
木曜日, 11月 28, 2019
水曜日, 10月 30, 2019
松本清張著「ゼロの焦点」、戦後の混乱の中にいた昭和32年のこと、鵜原憲一は広告会社の営業主任として金沢に赴任していた。彼の生活は20に間は地元で営業し10日間は東京本社へと二重の生活を余儀なくされていた。そんな彼憲一が見合いの末禎子なる女性と結婚することになる。結婚後1か月余りで夫は失踪して要として行方が解らず、禎子は金沢に滞在憲一の後任の本田と共に行方を必死になって捜索する毎日だ。そして金沢から50分かかる断崖絶壁で投身自殺が発覚さらに憲一の兄宗太郎が旅館で殺害され本田も東京で殺害されるといった事件が重なる。プロットは抜群で戦後の混乱に乗じた社会派推理作家の何たるかを知らしめるミステリーだ。
松本清張著「点と線」、九州は博多近くの海岸で男女の情死による死体が発見される。男性は某役所の課長補佐であり女性は小料理屋の下女であった。折しも役所の斡旋収賄疑惑が持ち上がった最中情死した補佐を回り警視庁の三原刑事が奔走する。浮かび上がったのは安田という人物で小料理屋を良く利用し情死した女性とも昵懇の仲だった。役所にも納品する工具器具備品商であり課長補佐とも見知りの仲だった。このあたりの動機付けが社会派推理作家と言われる所以である。東京駅の13番線から15番線の見通す間隙をといい、安田の妻の肺結核症で臥せっている設定といい推理小説のミステリー小説の面白さを存分に味あえる一品で、これが昭和32年の作だというから驚かされる。
松本清張著「眼の壁」、昭和電業製作所の社員萩崎竜雄の会社では資金繰りに窮した課長が高利貸しから闇金業者のパクリ詐欺に遭い3千万円を喪失した。課長はそれが元で自らの命を絶った。上司の不条理な死を眼にし正義感に燃える萩崎は犯人を特定すべく会社を辞職する覚悟で一人捜査に乗り出した。途中から友人の新聞記者田村と一緒に捜査することになった。そん中会社の顧問弁護士の調査員が拳銃で殺害さらに弁護士も拉致誘拐され行方不明となった。裏で糸を引く右翼の船坂に辿り着いた。必死な捜査で最終的に見えたものは血縁関係からの絆であった。プロットは予想外で面白かった。犯人の動機に見る貧困、社会性を意識したプロットの組み立て、一人捜査に燃える萩崎の正義感、人生をも描くミステリーだった。
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