松本清張著「逃亡 上」、江戸で罪で牢に入れられた源次は、ある晩江戸の大火で牢にまで火が及ぶ寸前で出せれ翌日回向院の庭に参集するように言いつけられたが、妖艶な女を助けた為回向院の参集に間に合わなかった。再度縄を打たれたが、番屋の老父卯吉に縄を解かれ逃亡した。だが空腹に耐えられず一軒の家の台所に忍び込み釜から手掬いで飯を食っているところを運悪く見つかり、その家にお世話になることになる。錺師の家だった、ある晩布団の中で聞いた槌の音にキズキ聞き耳を立てたが深追いできなかった。その錺師の家に居着いた源次は次女お蝶と懇ろになり棟梁の配慮もあり錺師の家を二人で逃亡する。思い余って一軒の襤褸屋に入った二人はその家が卯吉の家と解り匿ってもらい、お蝶は卯吉の紹介で松葉屋という小料理屋に務めることになった。松葉屋は下谷の岡っ引き梅三郎の妾お米が女将をする店だった。お蝶は引く手あまたとなり梅三郎もお蝶を何とかしようと目論むが、お蝶は逃れて大川に身を投げた。
日曜日, 6月 28, 2020
ヘニング・マンケル著「ファイアウォール 下」、捜査は遅々として進まず事件の関連繋がりと核心が見えてこない。IT技術により捜査は一段と進化し、ヴァランダーのような旧態依然とした捜査官は役立たずとなっていく、そんな孤独を感じ自分に自信が持てなくなり疎外感を感ずる毎日だ。ティネスが死亡した事で、彼の借りているアパートで見つかったのは一台のパソコンだった。厳重に管理されたパソコンに入込むこともできない、そしてモディーンというハッカー少年を見つけ彼の手腕に期待する。そこで朧に解明されたことは20日に何かが起こるしかも関連する情報からすると金に絡んだことだと。そしてアンゴラ来た犯人が登場し刑事ヴァランダーが射殺する。スウェーデン社会の暗い部分、貧富の格差と就職難そして連帯が途絶えて孤立化し孤独と絶望感が犇めく状況を憂えている作者の洞察力の深さを感じる。
金曜日, 5月 29, 2020
松本清張著「風の視線 下」、奈津井は、慕っていた人妻亜矢子が久世と深い関係にあることを知った、しかも千佳子とは連絡もなく離れたままで彼は写真にも何にも意欲が沸かず自堕落は生活を送る日々だった。一方亜矢子の夫竜崎重隆は日本に戻りホテル滞在をしていて、妻亜矢子の動静を探るべく情報を集めていた、そんな折警視庁に目を付けられ遂に密輸容疑で逮捕される。久世は自ら志願して佐渡へ通信局長として新たに赴任した。平凡な毎日だった。島の西南端に行った日彼に近づいてきた人、それは亜矢子だった。また奈津井は再び写真・仕事に対する闘志を燃やし久しぶりに自宅に戻った、そこに居たのは行方知らずの妻千佳子だった。一気読みだった。作者の捉える恋愛そしてその先の愛という複雑な人間の相関は読みごたえがあった。
塩田武士著「罪の声」、30数年前に関西で発生したグループ企業を襲った誘拐拉致脅迫事件の全貌を解明すべく大日新聞は、文化部の阿久津英二を抜擢した。手掛かり求めて東奔西走するが核心を得るには遠く何時全貌を解明できるかは不透明な期間が無駄に過ぎていった。そんな中で、一縷の望みを託しイギリスに犯人の一人が生存していることを知り単身シェフィールドへ渡る。これはという裏付けが取れないまま帰国するがある情報を入手し事件の関連があると見られる様々な人物との接触を試み事件の核心へと、しかしそこで見たものは犯人それぞれの人生に暗い影を落とし必死にまた社会の深淵に沈んで行く面々だった。松本清張張りの社会派サスペンスといったところか。
松本清張著「火の器 上」、都内T大学文学部史学科の助手として勤務する高須通子は、奈良・京都旅行に出掛け奈良で遺跡石物郡を見て回ることにした。そこで出会った雑誌編集者たちの中の板根カメラマンと出会う。その晩奈良で事故があり偶然通子が通報し介抱した海津信六は下って通子と同じ大学の助手を務め優秀だと噂され現在奈良で保険勧誘員として生計を立てる独身者だった。奈良県庁前で再会した板根と献血に行き、その後海津からの手紙と通子が雑誌に投稿した小論文について海津の感想の手紙を読み、どうしても海津に会うべく彼の自宅を訪問そして海津の姪の俱子と会い、話の中でイランへの訪問を促す海津に感化されイランへの旅を真剣に検討することになる。通子の恋愛の過去も明かされこれからの展開は下巻に。
日曜日, 4月 26, 2020
泡坂妻夫著「乱れからくり」、玩具会社の社員が隕石の落下により死亡した。その後死亡した馬割朋浩の身内の者が次々と殺害される殺人事件が発生する。宇内経済研究所といっても企業関連の調査を専らにしている社長一人は宇内舞子そして新入男性社員の勝一人という所帯である。舞子は依頼を受け調査にあたるが、次々と発生する殺人事件に遭遇する。朋浩の住む館は正に迷路で囲まれた邸宅である、そこには江戸時代から連綿と続くからくりの歴史があり莫大な財宝の隠匿の噂もあった。朋浩の死後に起こった4人の殺人は死亡した朋浩の仕業であると舞子は断定。からくりによる殺人。殺人ミステリーとともにからくりの歴史や蘊蓄にも作者の考察は興味を惹かれ第一級のミステリー小説だと思う。
日曜日, 3月 29, 2020
水曜日, 2月 26, 2020
木曜日, 1月 30, 2020
金曜日, 12月 27, 2019
木曜日, 11月 28, 2019
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