金曜日, 12月 29, 2023

ギョーム・ミュッソ著「人生は小説」、不思議なミステリーと、最後まで一直線的に結末へ突進していく読者をドキドキさせる感じがまるでないミステリーだ。本書の中盤では何かミステリーから逸脱し話がどこへ行くのだろうか?と不安になる。最後はすべてが明らかになった時に著者のどんでん返し的結末がまっていた。著者独特な異端ミステリーと思える出来栄え。
アガサクリスティ著「秘密組織」、本書はクリスティ作家としての第二作目作品だと、1910年代つまり第一次世界大戦前後のロンドンを舞台にしたミステリー、プロットを始め伏線としては当時の政治状況を随所に取り入れ広範な知識を余す事無く描いている。トミーとタペンスという相性のいい二人が冒険に挑み数々の困難を克服して犯人迫る、ドキドキしながら現在でも読めるミステリー教科書のようだ。
五十嵐律人著「法廷遊戯」、作者は法のプロ即ち弁護士であるという。家庭に恵まれず施設で育った二人正義と美鈴が卒園後に法学部を目指して大学へと、そこの大学での超優秀な馨という同期生と遭遇し三人の複雑な関係が成立し苦悩する。そして馨の父親悟が刑務所で自殺をしたことで、息子である馨の衝撃的な計画を回り遂に裁判となった、この時正義は既に駆け出しの弁護士だった、美鈴の意図馨の計画そして正義の決断とどんでん返し的結末がまっていた。
笹沢佐保著「他殺岬」、誘拐を題材にしたミステリーとしては、想像もつかない最後の結末だ。敏腕のルポライター天知昌二郎の一人息子が誘拐され犯人から五日後の午後9時に息子を殺害するという連絡が入った。これに苦悩する天知は出版社の編集長の田部井と相談して警察に連絡することにした。しかし当初天知の目論んだ犯人環日出夫を納得させる結果を得られなく刻々と時間は過ぎて焦りだけが胸を圧迫する日々だ。プロットといい伏線も良く考えられどんでん返し的結末が最高に面白い。
ロス・トーマス著「愚者の街 下」、 メキシコ湾を望む小さな街スワンカートン、ルシファ・ダイは裏のジン脈を最大限活用して潜り込みとうとう現市長を追い出しネサセリーを市長に据え自分は市長の次席に納まりスワンカートンに巣食う悪漢どもの締め出しにかかった。このミステリーは冗長性を伴い前後の脈絡を掴む要するにジックリ読む必要があると考えた。
ロス・トーマス著「愚者の街 上」、 第二次世界大戦前後の中国香港上海を舞台に諜報員として活動するダイと彼を取り巻く虚々実々の諜報選が繰り広げて遂にある街を腐らせるという珍しい任務に就くこと奈なった。秘密組織セクション2という組織を指揮する大佐の家に寝泊まりしているうちに大佐の一人娘と結婚したが妻を殺害されてしまう。
笹沢佐保著「アリバイの唄」、夜明日出夫シリーズの傑作ミステリーだ。プロットはよく練られていてアリバイ崩しの面白さを堪能できるが、TVドラマの渡瀬恒彦の顔を思い出しながら読んだ。二重にも三重に重なるトリックを夜明がその謎を解きアリバイを崩してゆく面白さに作者の力量を感じぜずにはいられない。
笹沢佐保著「シェイクスピアの誘拐」、 8篇を含む短編集である。正に短編としてこうあるべきという出来栄えであり、読んでいて楽しいし予想のつかない結末をつい期待してしまう内容だ。松本清張と同じく女性の心理描写あるいは女性という人間を深く理解していると思う。ほとんどが女性が主人公になっている短編である。
笹沢佐保著「暗い傾斜」、 何と言っても後半のドンデン返しに感動、プロットといい伏線の考えらた細密な状況設定は感動すべきな描写である。人間の根源的な生に対する作者の視点、女性の理解の深さ正に松本清張を彷彿させる展開にいたく感銘した次第である。
笹沢佐保著「後ろ姿の聖像」、巧みなプロットとしっかりとした伏線で描く著者の犯人当ては、読者を悩ませ欺く。殺人を犯し八年間の刑期を終え出所した沖圭一郎は、北海道にいる友人に今後の相談ということで話をしたが断られた、最愛の人アキは死亡し美貌の妹マリとの結婚の夢も見事に瓦解した。そして電車に飛び込み自殺、疑念を深めた経堂署の二人の刑事が必死に捜査する、そして追い詰めた。面白いし傑作だ。
笹沢佐保著「泡の女」、小学校長の父が大洗海岸近くの松林で縊死したと連絡があった、木塚奈津子はその不自然な死に疑問を抱いた、夫の達也が犯人として勾留された。夏子は呆然としんがらも自分で父の縊死を証明して夫達也を釈放するという困難な道を選択せざるを得ない状況に追い込まれ。父の足跡を探り続け遂に昔の教え子との不倫の末に妊娠させたことと掴んだ。その女、千里は夏子の夫達也とも関係を持ち夏子を殺害すべく大洗に誘った。非常に考えられたプロットと伏線で好著であった。
笹沢佐保著「結婚て何さ」、真弓と三枝子は同時に勤めている会社を辞めて鬱憤晴らしに有り金をはたいて飲み屋に出掛けしこたま飲んだ、その場で男と知り合いまた飲んで滔々男が進める旅館に三人で宿泊する羽目になった。翌日男が死んでいた、ここから始まるミステリー小気味よく読者を翻弄して週末へ交換殺人というトリックを滔々看破できなかった。プロットといい伏線といい上手くまとまったミステリーには感銘を受ける。
誉田哲也著「背中の蜘蛛」、警察ミステリーで長編である。第一部、二部、三部と続きそれぞれテーマは違い犯行も勿論犯人も違う、だが捜査する側警察官であり生身の人間警察内部での人間関係そして警察官としての個人そして一国民としての意識にはそれぞれ見解は分かれる。そんな中で人間としての警察官を見牛うことなく追及する著者の真摯な人間に対する愛情を深く感じぜずにはいられない、傑作だ。
大藪春彦著「青春は屍を超えて」、戦後の復興期の目標も無くどこに突き進んだらよいのか混迷の時代に生きる若者の生態を描いた8篇の短編集である。著者の拳銃に対する造詣の深さに 感心するその拳銃を若者が使用して犯罪を犯してゆく不条理な過程を真摯に追及してゆく、当時の世相も垣間見えて懐かしく読みました
アン・クリーヴス著「哀惜」、彼女の作品はぺレス警部シリーズを読んでいたが、今回マシュー・ベン警部の物語は初めてである。イギリス南西部のとある町の警部であるマシュが海岸で殺害さ有れた男サイモンについて捜査を開始、依然として暗中模索の中に捜査班はいるだけだ。町の複合施設に通うそれぞれの人たちの人間描写を丁寧に描きながら事件の関連性を手繰り寄せていく。作者の周到なプロットそして人間描写が素晴らしい最後に判明する犯人は意外な人物だった。