土曜日, 4月 29, 2023

マーク・グリーニー著「暗殺者の反撃 下」、苦難の連続を絶えぬき自分に向けらた殺意の原因を突き止めるべき凡ゆる情報と関わる人間との接触を果たし最後にカーマイケルの居場所を特定した。要塞に潜んでいるカーマイケルの下に忍び込んだジェントリーは、カーマイケルとサウジの工作員のカザスを捉えた、雪崩れ込んでくるFBIとの銃撃戦を潜り抜け脱出に成功した。本書はスパイ活劇よろしくプロットは素晴らしく脇を固める伏線も全く完璧だ。
マーク・グリーニー著「暗殺者の反撃 上」、ワシントンDCに帰ってきた暗殺者ジェントリーはCIAに追われ静かに葬れとの司令の下にシューターを派遣してジェントリーの同棲を隈なくチェックしていた。しかし幾つか殺人事件がありジェントリー絡んでいるのでは?と憶測が流れたが、要として彼の居場所をCIA秘密本部本部長のカーマイケル掴みきれなかった。
ニューヨーク在住の売れない作家、ハリー・ブロックの元に死刑囚として刑務所に収監されているダリアン・クレイから連絡つまり手紙を受け取った。自身を小説にして上梓してもらいたいと。既に4人の女性をバラバラにして殺害した凶悪犯、興味を持ったハリーは面会に行き事情を聴取して本を書こうとする。と同時に殺害、連続札事件の真相を探るべく調査を開始する。そしてまたしても連続殺人事件、事件の真相に漸く達したハリー最後にはダリアンの処刑を見守ることになった。長編でありプロットは見事でオマケにどんでん返し的結末も用意されている。デイヴィッド・ゴードン著「二流小説家」、
ジャック・カーリー著「髑髏の檻」、モビール市警殺人課刑事、カーソン・ライダーは休暇取得のためケンタッキー州の山間のキャビンに宿泊し愛犬との散歩やロッククライミングや川での釣りを楽しんでいた。女性の声で電話があり殺人事件発生を知らされ地元警察へ向かう。次々と殺人が発生され惨殺したいが発見された、FBIが乗り込み地元警察は援護に回る事態となった、チェリー女性刑事とカーソンは協力関係を築き捜査を展開するが中々核心を掴めないでいた。そして被害者の過去を探っているうちに浮かんできたネグレクト、児童虐待が浮かび上がり犯人がわかった。カーソンの物語はPSITシリーズとして第7段だという。
ビル・ビバリー著「東の果て、夜へ」、叔父の命令でLAから2000km離れた地へ、一人の男を殺害しに四人で出かけることになった。仲間のうちの最年長の男とは、途中で喧嘩別れして3人で行動を共にすることになった。そして漸く目的地に着きイーストの弟タイが判事を銃殺した。目的を遂げ帰宅途中様々な事が重なり結局弟タイとも別れイーストは一人旅を続けることになった。ミステリーとはちょっと違う感じで少年が世の中に羽ばたく成長物語でもあり、また旅を続けなくてはならない少年の未来を憂う気持ちにさせてくれる。
湊かなえ著「落日」、日の入りそんな落日を見通せる場所が、幼い頃住んでいた山の中腹、鉄塔の下そこが真尋の思い出の出発点だ。脚本家助手の真尋が書こうとする脚本の現場は笹塚町での一家殺害事件だ。そして真尋の姉千穂と絡んだ一家殺害事件そして書く上での調査をしてゆく内に絡んでいた事実が見えてくる。それは悲しい出来事絡まり合う人間の切なさを見事にプロットとして確立し伏線にも描写の巧妙さを感じる作品だ。
ダニエル・フリードマン著「もう過去はいらない」、勝手メンフィスの殺人課の刑事バック・シャツは、引退して今や87歳という老いぼれ爺となっていた、そしてある日旧来の大泥棒であるイライジャが彼の前に姿を現し助けを求めて来た。高齢ながら日々満足していないバックは引き受けた。そしてイライジャの依頼の捜査に個人として乗り出した。90歳に手が届く爺の生き様、生きる意欲を失わず前へ進む勇気に感激だ。
チャイナ・ミエヴィル著「都市と都市」、SFの正に異世界での殺人事件、対立する二つの都市それはヴェジェルとウル・コーマという交流が無いわけでは無い。カナダからの留学生女子学生が殺害されヴェジェルの犯罪捜査課警部補ポルルが担当刑事として捜査に乗り出し、ウル・コーマに協力を求めヴェジェルからウル・コーマに向かい民警の刑事ダットの協力を仰ぐことになった。このSFファンタジー的な都市と都市の世界が読者としてどうしても違和感があり馴染めない。ファンタジーとミステリーの融合が互いに中途半端な設定に思えページを繰る手が止まってしまう。
逢坂剛著「裏切りの日日」、 警視庁公安一課係長である桂田渉警部補と浅見刑事とのコンビで事件にあたっていた。右翼のフィクサーと知られる東山に告げられたのは脅迫状が舞い込んだという知らせで明らかに左翼からの物だった。桂田の過去は女房に浮気され離婚した悲しい過去そして一人娘をこよなく愛するそんな一面のする男で浅見には尊敬心も芽生えていた。そして事件が発生暴漢がビルを占拠して、かつバルコニーに出た東山がライフルで射撃を受け死亡するといった事件が重なり警視庁の監察官が動いた。桂田は大物政治家の意向及び密命を受けたスパイとして東山に接近して殺害されるというオチだ。ミステリーとしてはプロット伏線といい良く練られた展開に なっている。
胡桃沢耕史著「翔んでる警視正」、警視庁殺人課を統括する警視正こと岩崎が遭遇する様々な事件に部下と共に機敏に対応して解決してゆく内容だが、その内容がまた吉に富み面白いそして文書の歯切れが良く軽快だ。著者の知識の豊富さとプロットに感心する。
ボストン・テラン著「その犬の歩むところ」、 小さなモーテルを経営するアンナのもとにギブは生まれた。ところがミュージシャンのひとりにギブは誘拐盗まれた。そこから犬ギブの果てしない旅がはじまる。そして最後に遭遇したのは元イラク派兵海軍三等軍曹のディーン・ヒコックだ、彼ら二人の旅の目的はギブを飼い主に返すことだった。何度も傷つきながら静観するギブの逞しさ、そして彼ディーンとの愛情を交えた交友には仄かな涙せさそうミステリーとはちょっと違った感動がある傑作だ。
鴨崎暖炉著「密室黄金時代の殺人」、 山の中のホテルに監禁された面々が遭遇したのはまさに密室殺人事件だった。主に葛白を通して物語が語られ探偵役の美少女蜜村が密室のトリックを解く役だ。様々な密室トリックはそんな突飛なものではなく、かなり想像できるトリックだ。純粋にミステリーとして楽しめる以外に無い。
横山秀夫著「ノースライト」、 建築士の青瀬は岡嶋建築設計事務所に勤めていた、ある依頼主から長野県の信濃追分に青瀬さんが住みたい家を建てて下さいと言われY邸という家を設計し建てた。そしてその家主は引っ越しもせずに突然行方を青瀬の下から消した。不審に思った青瀬は調査を開始、だが行方は杳として知れずにいた。その頃パリに在住し800点もの絵画を収蔵する美術館を建てるコンペが開始され、所長の岡島は粉骨砕身コンペの参加の為に賄賂もどき手管で見事勝ち得たが新聞記者の記事により糾弾され体調を崩して入院した。岡嶋の意を継ぎ摂家事務所を継続しなおかつコンペで勝つことを目途に事務所の皆で努力して何とか仕上げた。そして行方不明の家主からの連絡で全てを理解した、よく練られたプロットと伏線はミステリーとして傑作だ。
ミネット・ウォルターズ著「遮断地区」、ヴァシンデール地区と呼称される地区は労働者階級で低所得者が居住する地区だ。そこに小児性愛者と呼ばれる一家が越してきた、これを排斥しようとデモを計画したが、事態は飛んでもない状態に暴徒化し収拾がつかなくなった、火炎瓶が投げ込まれ少年が全身に火が取りつき焼死した。様々な人間達が蠢く様は地獄を思わせた、それと少女の失踪事件も絡み複雑な様相を呈し混乱を極める。著者がこの混乱の中で真っ当な思考と生きる力を見せる人物を描いたのには感動した。
阿津川辰海著「紅蓮館の殺人」、館・紅蓮館に住む大人気作家財田雄山、高校生の二人、葛城と田所彼葛城は高校生ながら名探偵と呼ばれる存在だった。彼ら二人は合宿と称して二人山に登りそこで草原の山火事に出会い逃れて紅蓮館に辿り着いたそこには雄山はじめ息子と称する二人そして他に3人いた。彼らの中で遂に殺人事件が起きた雄山の娘つばさが動力で動作する吊り天井で圧死させられ殺害された。この事件を巡り葛城を始め事件捜査が開始され館にいる人間達の過去が葛城よって次々に暴かれてゆく、ここでの描写は尚早であり脈絡なく一人歩きしているようだ。全般的にプロットは平凡であり伏線は突然といった形で取り留めない描写でさらに冗長性は否めない。