土曜日, 11月 01, 2008

金子勝著「世界金融危機」を読んで。

著者は日曜のTBSの番組の経済コメンテイターとして著名である。著者がマルクス経済学者とは知らなかった。本書は岩波書店の雑誌「世界」の連載記事を1冊に纏めたものであるという。
世界金融危機(グローバル・ファイナンシャル・クライシス)の原因は、主に一般報道されている米国の低所得者層向け住宅ローンであるサブプライム問題だとされている。回収が困難なローンを債権化して銀行にばら撒いた結果として不良債権がどのくらい有るかも把握できないという状況に陥っているのが現状だ。金融工学とは複雑な計算を駆使し結果として予め回収不能と解っている債権を如何に販売するかという手法のように思える。米国型金融資本主義の崩壊は同時に米ドルのヘゲモニーの失墜を意味し、追従型の日本資本主義もまた同様な結果としてしか映らない。追従の典型として、小泉・竹中路線があった。

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